You’re my moonlight・・・ミスター・サンシャイン10話まで


韓国ドラマ「ミスター・サンシャイン」10話まで視聴。

 

 

物語はここで起承転結の「承」の部分に終わりをつげ、これから怒涛の展開になだれ込むのであろう。
10話をかけて時代背景、入り組んだ登場人物たちを描き、10話ラストでは再び2話のシーンを再現する。
うまいなぁ、とうなりながら視聴。
タイトルの「ミスター・サンシャイン」の意味も10話で触れられる。

 

 


エシンがmoonlightでユジンがsunshine。
ハマっているつもりがないのに、いつも頭の中で「ミスター・サンシャイン」について考えていた。
国の未来を創るために走っていく女と、そんな女を守り支えたい男たちの物語。
男たちは彼女に出会うまでは暗闇に生きていたから。暗闇にさす月光がエシン。
ユジンの哀しい人生の中で、みつけた。
You’re my moonlight In the night fall I find。

 

 

 


エシンは異邦人のユジンに惹かれ、肩を並べて歩むことができる男だと思っていたのに。
花火のような人生の中で唯一の相手だと思っていたユジンが奴婢だと知る9話。
10話冒頭ではエシンの足元から、氷がひび割れる音が聞こえ、お輿の中で彼女の世界は揺らぐ。
ここもうまい演出なのだよなぁ。
彼女の信じていた世界が揺らぐ瞬間。
朝鮮の明日のために戦っていたはずなのに、その朝鮮は誰のものなのかを問われたから。
誰のために戦っているのかを知らない自分に気づいたから。
両班のため?
それでは奴婢は?白丁は?
新しい国でも生きる資格がないのかと。
青臭いイデオロギーに酔いしれて、(あるいは亡くなった両親の亡霊を求めて)走ってきたこの戦いの意味を問われたから。
「花火のように」生きていくことを夢見ながら、彼女自身は古い朝鮮の身分制度から抜け出ることができなことを知ったから。
揺らぐエシン。迷うエシン。
そして彼女はこの物語の冒頭(2話)と同じシチュエーションに戻る。
暗闇の中、街灯がともり、エシンとユジンは出逢う。
また、再び。

 

 

You’re my moonlight In the night fall I find。
You’re my sunshine In the night fall I find。

 

 



You’re my moonlightでありYou’re my sunshine。
この先、サッドエンディングが待っていようとも。
互いの瞳の中に唯一の光を見出しながら、この2人は走っていくのだろうな。
新しい明日のために。
そんな予感と悲劇に満ちた10話ラストにしびれた。

 

 

 


充分すぎるくらいに複雑な、複雑な工藤陽花。
彼女もまた朝鮮という国に売られた女。
彼女が母を探し求めるのは、朝鮮に再び受け入れてもらいたい願望の裏返し。
今はまだ、俯瞰して事態の成り行きを見ているだけの傍観者であるけれども、きっと彼女も戦うのだろう。
傍観者の仮面を投げ捨てて。
10話で陽花が3人の男について語った言葉が、あまりにも的を射ていて笑ってしまう。
「険悪な男が3人部屋で何をしているのやら。
バカ
マヌケ
意気地なし。
あの女が何よ」

 

キム・ミンジョンは「ミッション・ボディーガード」のお気楽なヒロインよりも、こういう複雑な影を負うキャラクターが彼女の魅力が倍増。

 

 

 

険悪な男3人組(笑)
ユジンがバカで、ドンメがマヌケ、ヒソンが意気地なし。本当に陽花は的確です。
思いっきり仲悪いのに、知らず知らずとつるんでしまう3人組。彼らのシーンは緊張感漂うのに、なぜか笑ってしまう。
同床異夢の男たち。育ってきた環境も、身分も地位も、ひとつを除いては何一つ共通のモノがないのに。
花のように笑うエシンにどうしようもなく魅せれれたという以外は。
「ミスター・サンシャイン」というドラマ、毀誉褒貶がありながら私が好きな理由はコレです。
いい歳した大人の男が、(おそらくユジンは40過ぎ、ヒソンは33歳、ドンメもそのくらいか)二十歳そこらの小娘の明日を夢見る熱情に、クラクラしているところ。
彼女が見ている未来を、自分も見たいと願ってしまうところ。
彼女と共に歩む道は荊の道だと知りながら。
持っているものをすべてを擲ってでも、彼女が望む未来を創ってあげたいと希う気持ち。
きっと彼らはこれから全てを捨てていくのです。
金も名誉も地位も。
命さえも。
エシンが望む、明日の朝鮮のために。
愛だなぁ。
愛。

 

 


痩せこけて、疲れていて、ひとりぼっちの子供だった。気位が高く用心深いのでエシンが差し出した手を振りほどいてしまう。誰も信じていなかったから。
魂が飢えていて、どうやってもその飢えを満たすことができないドンメ。
エシンを見つめる時だけ、この飢餓感は収まる。
エシンが好きな甘い飴をなめてみる。
ドンメには甘すぎて、苦い飴を。
花のようなエシンに「生きて」と言われた一言を、きっと彼はいつまでも魂に刻み込んで、それだけで死地に向かうのだろうな。

 

 

 


闘いたくない男。自分の能力が優れていることを知っているから。祖父のように闘いにおいては簡単に人を踏みにじることのできる能力を自分が持っていると知っているから。
だから目を開けて眠ることにする。
笑顔の仮面をかぶり、この世界に何の興味も抱かないように、日々享楽にふける。
それなのに。頭がいい彼は(3人の中で一番クレバーなのがキム・ヒソンだと思います)気づいてしまう。
花のようなエシンに仮面をはぎとられ、彼女の危うさに思わず体が動いてしまう。
祖父のように誰かを踏みにじるためではなく、誰かを助けるために、それが生きるということなのだ。

 

キム・ヒソンを見ているとディケンズの「二都物語」のシドニー・カートンを思い出すのよね。
あるいは「BASARA」の揚羽を。好きな女の身代わりとなって死地に向かう男を。
ヒソンもそのことを意識しているんだろうなぁ。エシンと同じスーツを作り街をうろつく。
あわててヒソンの首根っこを摑まえる、ユジンとドンメ。
険悪な3人の男の連帯感が好きです。

 

 

 


花のように笑う、花火のような一瞬のきらめきを残して死ぬだろうと語るエシン。
新しい女性像であり、彼女が夢見る国を見てみたいと私も思う。

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