毒酒ほど甘いかもしれない・・・鳳凰の飛翔30話まで


中国ドラマ「鳳凰の飛翔」30話まで視聴。

 

Auf die Hande kust die Achtung, 手の甲なら 尊敬のキス
Freundschaft auf die offne Stirn, 額の上なら 友情のキス
Auf die Wange Wohlgefallen, 頬の上なら 厚情のキス
Sel’ge Liebe auf den Mund; 唇の上なら 愛情のキス
Aufs geschlosne Aug’ die Sehnsucht, 閉じた瞼の上なら 憧憬のキス
In die hohle Hand Verlangen, 掌の上なら 懇願のキス
Arm und Nacken die Begierde, 腕と首なら 欲望のキス
Ubrall sonst die Raserei. さてそのほかはみな 狂気の沙汰
Franz Grillparzer “Kus”(1819)

 

毎回、寧弈のダダ漏れのフェロモンにのたうち回っている私。
25話冒頭では、動悸が激しくなり1日何も手につきませんでした。ずっと寧弈のことを考えていた。

 

 

公主の韶寧は兄の廃太子の寧川を寧弈が殺したと、強い恨みを抱くようになる。
親の代わりに唯一自分を愛してくれた寧川を失った喪失感から寧弈に執着しているのだけれども。
寧弈の命を狙う。
闘う寧弈と鳳知微。
ここでの息の合った戦闘ぶりにも胸がときめいたのですが、衝撃なのは次のシーン。

 

 

偶然にも鳳知微を組み敷いていると気づき、そして不意に笑う寧弈。
ゆっくりと、優しく、柔らかく、彼女に近づき、唇が触れ合う寸前で止まる。
鳳知微が発する熱を味わうために、彼女の心臓の音を楽しむために、彼女の匂いを覚えておくために。
鳳知微が寧弈の熱を感じるように、寧弈の吐息に囚われるように、寧弈の匂いを覚えさせるために。
キスよりも、はるかに官能的で扇情的。
ドラマでここまでセンシャルなシーンをここ最近見たことがない。
あまりにも官能的で驚いてしまいました。

 

 

鳳知微の手の甲、額の上、頬の上、瞼の上、掌の上すべてに唇を這わす。
唯一、鳳知微の唇にはキスせずに。
キスをしないことで、より強烈な官能を、記憶を鳳知微に刷り込むなんて。
ただ者ではない、食わせ者の寧弈。
フェロモンがダダ漏れです。
鳳知微だって、どんぐり眼になっちゃうよね。
でもって「疲れた」なんてはぐらかすのよ、自分のした行いを。
「疲れた」ですよ!
女子だったら、今されたことはどういう意味だったのだろうかとぐるぐる考えてしまいます。
忘れられなくなっちゃう。
寧弈のことをふとした瞬間に思い出してしまう。

鳳知微は男装して宮仕えをしているくらいなので、決して女子力は高くありません。
護衛の顧南衣の前でも平気で着替える。
顧南衣が自分に抱く好意ですら、きっと気づいていない。カワイソウナ、南衣。
罪作りな女子と、さらに彼女を上回る「愛を知らない皇子」寧弈とのスリリングなやり取りがドラマの緊張感を高めていく。
権力闘争が激しくなるのと比例して、愛の緊張感も高まる。

 

 

 


寧弈だって、鳳知微のことは大切で、彼女の反応に一喜一憂して、笑顔が大切で、そのためには自分の身を省みないってことに気づいていない。
妻の残り香を楽しむ辛子硯を見ながら、鳳知微の香りを思い出したりしてね。
部下の寧澄や辛子硯は殿下が鳳知微のことを大好きだって知っているのに、肝心な寧弈が自分の心を知らない。

 

 

 


酒に酔ったふりをして鳳知微に甘える寧弈。
寧弈がドラマのヒーローとして魅力的なのは、その表情がくるくる変わるから。
馬鹿な顔も、剽軽な顔も、冷徹な顔も、甘えた顔も、親を恋う顔も、洒落者の顔も、激怒する顔も、卑怯な顔も、腹黒い顔も。
一瞬一瞬、見せる顔が変わり続ける。
その表情の変わり方があまりにも魅力的で目が離せない。
私も、寧弈の虜になる。
その表情の下には、どこかしんと冷たい、自分自身をも切り捨てたような顔がある。
そんな寧弈がふと漏らす本音が、また心に響く。
「よい夢は貴重だ。君がいることも」
鳳知微と過ごす時間が彼にとって貴重な瞬間であることを、ふと漏らす。
伏魔殿で生き抜くために様々な仮面をかぶり演じる寧弈が、ふと漏らす鳳知微への想い。
唇の上にはまだキスをしていない、愛を知らない皇子が、彼女への愛に気づくのはいつなのでしょうか。

 

 


毒だと知っていても、鳳知微のまなざしを見ながら飲み干す殿下。
毒が甘いのは横に鳳知微がいるから。
一筋縄ではいかない男。
こんな男、他に知らない。
泣いちゃうよね、思わず。
毒だと知っていて、自分が差し出すものを口に入れる男を目の前にすると。
鳳知微の心にも、ゆっくりと寧弈という毒が回ってくるに違いない。
その毒は、またの名を。
愛という。

 

 

その時々の、私の心の琴線に触れたモノ・・・ 小説や、映画、音楽、ドラマ、ファッションについてだけの簡単な備忘録。 Everything was beautiful and nothing hurt.

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  • コメント ( 2 )

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  1. chatttenoire

    yucaさん、お久しぶりです。
    チェン・クンのことが昔、ものすごく好きだったので、一応アンテナにはひっかかっていたドラマだったんですが・・・
    (私の中では同世代?と思っているシャオミンをろうやぼう2で見たので、チェンクンは?と思って検索したらこのドラマ情報がひっかかった。)
    このドラマの弱点ポイントを書かれているものを見かけたりして迷っていたんですが、
    相手ヒロインもいい感じで良さそうなドラマですね。
    (チェンクンの魅力が発揮できていそうなドラマですね。)
    netflixはほかにも中国ドラマがたくさん見られそうなので、このドラマがどうあれ(もう間に合わない?)、
    入ってしまおうか?とちょっと迷い中です。

  2. yuca

    chatttenoireさま、お久しぶりでございます!

    チェン・クンいいですよ!
    40歳になってからの魅力が、若いころには出せなかった色気が。
    ノックアウトされています、私。

    確かにこのドラマの欠点は書かれている通りで。
    もっと丁寧に構成をしたらきっと傑作になったでしょうに・・・オシイ。

    でもニー・ニーも素敵。チェン・クンとの並びが美しくて!
    Netflix、たしか1か月は無料ですので。
    一気視聴されたらいいかも。
    結構あなどれない媒体です。

    「鳳凰の飛翔」、ゆっくりと味わっています~!