有無相生・・・帝王の娘スベクヒャン 71話まで

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韓国ドラマ「帝王の娘スベクヒャン」71話まで視聴。

 
さて、真実は徐々に彼らに近づいていっている。クチョンとマックム(なんて華麗な転身!)の姿を借りて。

なんだろう、「スベクヒャン」の物語の骨子は、ものすごく単純で先は簡単に読めてしまう。
ヒロインのソルランが本当の自分を取り戻す物語。
韓国ドラマが大好きな素材のひとつです。取り換えられた子供の話です。
そこに近親相姦という恋愛のタブーを絡める。
一つ一つ分解して見ていくと非常に見なれた素材ばかりなのに、重苦しくならずに、それでいて毎日続きが気になり固唾をのんでこのドラマの行く先を楽しみにしているんだよね。
キャラクターのバランスがいいのだと思います。
武寧王の存在が重厚さを醸し出し、ソルランとミョンノンはどこか軽やかに、ソルヒとチンム公はもしかすると悪役のカテゴリーかもしれないけれども、生きていくことへの不安、哀しさ、切なさなどを息苦しいまでに体現している。
嫌いな登場人物がいないことも、このドラマが大好きな理由かもね。
軽さ、重厚さ、哀しさ、切なさから生じる世界に対する、生きていくことの愛おしさを感じています。

 

 

 

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カンボク君、最高!
いちいちリアクションが、一途で笑えるのよ。
思い起こせば、虫は嫌い、埃は嫌い、汚れるのはいや、汚いのもいや、という思いっきり潔癖症で野外活動が苦手なミョンノン太子のために、毎回山のような荷物を所持して太子に随行する。
他の人からどんなに白い目で見られようとも(笑)
潔癖で高潔な太子のことを尊敬して、「二度と離れない」と宣言する(笑) でも、邪険に扱われるカンボク君。
そんな太子がまさか、あの粗雑なソルランにホの字だなんて、あまりに恐ろしすぎて考えられないカンボク君。
太子の評判が落ちることも気になるけれども、太子がソルランにアタックするもあまりの不器用さに撃沈しているのも気になる。
彼の心がキリキリと振り回されているのを見ると癒されます。
特に物語が「転」へと突入し、これから怒涛の展開になるであろう今、カンボク君の変わらぬ献身ぶりは、視聴している私の憩いのシーンでもあります。
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バカップルになってきている2人(爆)
カンボク君だけではなくてもミョンノンのラブラブぶりには、序盤のクールさを知っているだけに驚きます。
しかし、それだけ太子が孤独な心を抱いて生きていたということの表れなんでしょうね。

宮中では誰にも心を許すことができなくて、泣きごとを言えずに、太子としてのたち振る舞いを常に求められ、寂しさだけが募ってきたミョンノンが、初めて自分の本心を語ることができたのです。
それを思うと、ちょっとくらいのバカップルぶりは許す!(笑)
おそらくこの後、ソルランが武寧王の娘であることが分かり、彼らは禁断の関係に悩むことになるのでしょうから。
心を通わせたからこそ、別れなければいけないのはなんて悲劇なんでしょうね。

 

 

 

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チンム公は武寧王への復讐のためにソルヒに恋愛をしかけていきます。
王の息子に生まれながらも歴史の裏に消えていくであろうチンム公の寂しさと、姉の運命を奪おうとしたソルヒの淋しさが呼応していくのでしょう。
チンム公はミイラ採りがミイラになるように、ソルヒのことを見捨てることができないのではないかと思います。
ソルヒの真実を知っていても、彼女を無下にできないのですから。
彼らの魂は寂しさ、心細さ、可哀そうさが似ています。
似ている魂が引き寄せられるさまは切ないなぁ。
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「スベクヒャン」って、脇役一人一人も愛おしい。
天然の王妃様がいい味を出していて癒されるわぁ。この刺繍はどう見ても龍じゃないし(笑)
このドラマで悪役は?と聞かれると、ソルヒでもチンム公でもなく、実は王妃様の父、ヘ達卒(タルソル)だと思うのですけれどもね。
国のため、大義のためならば王に対して秘密を持つことも厭わない。
有能な官吏だからこそ、その影は深く暗いのではないのか。

絶対的な悪が存在せずに、ただ歴史の流れと、この世のものはすべて相対的な関係からその時々に「悪」の立場になるのだろう。

 

 

その時々の、私の心の琴線に触れたモノ・・・ 小説や、映画、音楽、ドラマ、ファッションについてだけの簡単な備忘録。 Everything was beautiful and nothing hurt.

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