YOU Don’t Know WHat LOVE Is


まなざしはソユンしか見ていない。
余計なものなど、何ひとつ映していない。
足元に何を踏みしだき、その手指が何を傷つけようとも、いちいち気にかけてはいない。
ソユンのすべてを奪い去り、握り壊して、行き場をなくしてやる。
すべての行き場を失って、泣き顔を見るまでは。
四六時中、いかに相手を破滅させるかということしか考えていないテジュの憎しみ。
愛し方を知らないテジュとソヨンはそういう風にしか向き合えないのだ。
相手の魂を無理やりこじ開け、自分への憎しみを抱かせることしかできなかったのだ。
愛を知らないから。
憎しみしか知らないから。
自分を憎んで地の果てまでも追ってくればいいと思うくらい、憎いから。
だから相手にもっと憎まれるように、たくさんの残酷が欲しい。
相手がいつも自分のことを憎んで(考えて)くれるように。

 

抱き合えた二人なのに。抱き合えば、その肌のぬくもりを知り、鼓動伝わる躰の隅々までをも互いの腕におさめれば、何かが変わったかもしれないのに。

 

テジュが劇中にただ一度だけ使った「ウリ」の響きにそっと私は酔いしれる。
「ウリコンジュニム」とソヨンを呼ぶときのまなざしは、ウリテジュや、それは限りなく愛に近かったよね。
地獄を這いずって、どこまでも堕ちていきながら、テジュは今でもソユンの泣き顔を夢見ているのかもしれない。

 

 

 

 

2015年6月17日 ブログ開設5周年記念としてリトルプレス「NOT LOVE, but affection」を制作・配布いたしました。
今年はブログ開設10年目。アーカイブとして当時のリトルプレスの原稿をアップしていきます。
「黄金の帝国」をここまでラブロマンス劇だとして視聴したのは、私ぐらいかもしれない(笑) こういう心がひりひりするドラマ好きですね。
愛と憎しみの反転のドラマでした。

 


NOT LOVE, but affection 7P

その時々の、私の心の琴線に触れたモノ・・・ 小説や、映画、音楽、ドラマ、ファッションについてだけの簡単な備忘録。 Everything was beautiful and nothing hurt.

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