Hannibal: Season 2
ハンニバル シーズン2 Hannibal: Season 2 全13話 (2014年 アメリカ)
■スタッフ:製作総指揮/脚本 ブライアン・フラー
■キャスト:
ヒュー・ダンシー(ウィル・グレアム)
マッツ・ミケルセン(ハンニバル・レクター)
ローレンス・フィッシュバーン(ジャック・クロフォード)
ジリアン・アンダーソン(ベデリア・デュ・モーリア)
【ストーリー】
精神障害犯罪者病院に収容されたウィルは「真犯人はハンニバル」と強く主張するが、裁判に有利な証拠は出てこない。一方、FBIの捜査に協力を始めたハンニバルもまた、自分が陥れたはずのウィルに救いの手を差し伸べようとしており、その真意が見えない。ウィルとハンニバルの攻防は一進一退、周囲の人間を巻き込んでいく。そして、とうとう決着の時を迎えた最後の晩餐の結末は・・・
怪物と闘う者は、その過程で自らが怪物と化さぬよう心せよ。おまえが長く深淵を覗くならば、深淵もまた等しくおまえを見返すのだ。
まさにニーチェの言葉そのものの展開の「ハンニバル S2」
さらに付け加えるならば「深淵もまた等しくおまえに魅せられているのだ」という展開だ。
「ハンニバル」! これは、これはS1よりも激しく視聴者を選ぶ構成になっている。あまりのグタグタさ加減に、リタイアする人が続出なのではないかとも思う。
推理ドラマだと思って視聴すると、肩透かしにあうだろう。
このドラマはハンニバルとウィルのパワーバランスの話なのだから。殺人はあくまでもストーリーの味付けのようなもの。殺人の理由や、犯人などはどうでもいいのだから。
そのマニアックさにS3で打ち切りになってしまったのもうなずける。
私は。
私にとっては愛おしいドラマだけれどもね。
S1のハンニバルは本質的直感、いわばサイコパスの心理に共感・シンクロし犯罪をリプレイし真相を見抜くウィル・グレアムという人間に出逢い、喜びを見出す。
純粋で無垢なウィルに与えられた才能。
自閉症スペクトラムの一種として、あらゆる犯人に共感し、その動機や犯行当時の感情を再現できる「純粋な共感」という能力。
この神様からウィルに与えられたギフトはもろ刃の剣。
ハンニバルはまるで面白いおもちゃを見つけたみたいにね。
数々の殺人者の心理を直観で分析するウィルに、ではハンニバルのことを理解できるのかと問いかけていくのだ。
様々な悪意(ハンニバルにとっては好意かも・笑)をウィルの周囲にはりめぐらせて。
そんなハンニバルの悪意は、カラスの羽根をまとった鹿の姿で表現されていき、S2では鹿の角を抱くハンニバルの姿となってウィルの幻想に現れる。
精神科医としてウィルに接し、ウィルを追い詰めていく。
S1のラスト、ウィルをFBIに逮捕させることでウィルトのパワーゲームは勝ったはずなのに。
しかしいざウィルを精神障害犯罪者病院に収容させたのに、とたんにウィルに会いたくなるハンニバル。
この世界でたった一人だけウィル・グレアムという人間がハンニバルという人間の本質を理解してくれる。
ウィルはどんなサイコパスにも「純粋な共感」できるという稀有な才能を持っているから。
ウィルが身近にいない生活はもはや知り合う以前とは違っており、味気ない生活へと変貌していた。
S1のパワーゲームではウィルを変貌させたつもりが、実はハンニバル自身も変貌していたのだ。
どうしてウィルにそんなにこだわるのかと周囲に聞かれ「医者でも友人でもなく観察しているだけ」みたいなことを他人には言っておきながら、ウィルに「100万光年友人になれない」と断言され傷つくハンニバルに激萌えしちゃったよ。
S2冒頭ではウィルに振り向いて欲しくって(笑)、自分のこと(自分が犯した殺人)だけ考えて欲しくって、ウィルの思考回路をまねしてみたくって、ドツボにはまっていくハンニバル。
ここら辺からね、「ハンニバル」というシリーズはミステリーというよりも、ひとりの人間がいかにたったひとりの相手に理解をされたいか魂から叫ぶ物語に変貌していくのだ。
それを友情と呼ぶのかロマンスと呼ぶのか。
劇中扱われる死体の数々はあまりにも美しく(!)、もはやファンタジーの様相を呈している。
画像でお見せすると引かれる方もいらっしゃるかもしれないので、またまたゆるかわイラストでね(笑)
ハンニバルが人肉を料理して食すのは死体を装飾するのと同じ感覚で、生きている価値がない無礼な人間たちを料理するという過程を経ることで洗練された意味のある存在に押し上げるということなのね。
無礼な人間を救っているという感覚なのかもしれない、ハンニバルにとってのカニバリズムとは。
そういう意味ではハンニバルにとって価値のある人間は、少しでも彼らの存在を美しいと感じた人間はハンニバルに殺されるにしろ食されることはないものね。
ハンニバルにとって愛とカニバリズムは直結していないのが面白い。
愛しているから食べるのではなく、生きる価値のない(ハンニバル基準)人間を美しく料理することによって価値のあるものへと変化をさせる救済の意味があるのだろうとも思う。
ハンニバルがアラーナを抱いたのは、ウィルがアラーナを愛しているからなのよね。
S2でもハンニバルはウィルが愛している者たちを彼からじわじわと奪っていく。
アラーナも、アビゲイルも、生まれてくるはずだった子供も。
ウィルが自分にすがればすがるほど嬉しいハンニバル。自分だけを見てほしいハンニバル。
アラーナはハンニバルとウィルのパワーゲームの犠牲になってしまった女性だけれども、聡明な人だから自分の置かれている立場を冷静に分析して闇に立ち向かう。
S2とS1は綺麗に円環しておりラストでS1冒頭と同じシチュエーションに戻るという美しい構成。
ハンニバルとウィルが出会った状況で、彼らは別れる。
しびれるぐらいに美しいよね。割れたカップは元には戻らない。
ウィルは自分を餌にしてハンニバルを捕まえようとし、闇に染まってしまった(殺人+カニバリズムしちゃった)心はどうなるのか?
ハンニバルはウィルに心許し、世界にたったひとりだけ自分の心をさらけだし、彼がいないと生きてはいけないと思ってしまった心はどうなるのか?
「君を置いていけない」と言いながらウィルにナイフを突き刺すハンニバル。ここでのナイフはもちろん性的暗喩でしょう。
このドラマ、それまでにもこの二人の性的関係をニュアンス的に表現してきていましたが。制作者のブライアン・フラーも明言している(爆)
やっぱり、がちなロマンスだ。
置いてはいけないを意訳すると、君なしでは生きていけないということなのだから。
「君を許す」といい雨の中去るハンニバルだが、許してほしいのはハンニバルかもしれない。
雨はハンニバルの涙だから。
とにかく見る人を選ぶ「ハンニバル」シリーズ。
私は大満足、夢中でヘビロテ中。だから他のドラマの視聴が進まないんだよね。
★★★★★(くれぐれも人を選ぶドラマだと思います)
私の知人は、このドラマを見るときは、マーラーを聴きながら、視聴するのがお勧めと言います。シーズン1は、ワーグナーだとか、・・・・怖すぎるわ。
ああ、この作品を、木原さんか、山藍センセが活字にしてくれないかしら・・。
あ、花村せんせなら、もっと嬉しい。
しっかし、絵で紐解かれると、まるで赤塚先生のナンセンス漫画のようで、何故か笑ってしまう・・。(そんな自分が、一番怖いわ)
FANさん、どもども~♪
>マーラーを聴きながら、視聴するのがお勧めと言います。
マーラーも怖い。
「ハンニバル」はクラシックがお似合いですけれどもね。
先日、ある講演会の客だしのBGMに「ハンニバル」のOSTを使用したどす黒い心の持ち主の私です(爆)
あんなに怖いBGMを使うなんて。
>木原さんか、山藍センセが活字にしてくれないかしら・・。
書くとしたら誰でしょうね。でもこの二人だとすぐくんずほぐれつの寝技の描写になりそう(爆)
しかも山藍センセだとウィルは去勢されそうよ(爆)
ハンニバルとウィルは肉体関係がないからいいのだと思いますよ。
花村センセは、死体の描写がウマそうですね、匂いまで漂いそう。
意外なところで「聖なる黒夜」の柴田よしきでもいいかも。結局、この続編はいまだ書かれていませんが。
爆笑!!@の柴田よしきで・・。
はあ、な~るほど、そうか。この手が有りましたね。もう、冒頭の描写は絶対に、雨でぬかるんだ地面ですね。ひたすら、雨音が続き・・・そして。
死体が、わたしを見つめている・・・、きゃー!!!ドラマより、恐いぞ(いや、妄想が暴走してるだけだろう・・)あ、今、SAWで、韻を踏みましたね、やったわ、わたし。
って、そうでは無く。
@客出しのBGMに・・・OSTを使用したどす黒い心の持ち主・・、
ユカ様、忙殺の果ての鬱鬱たるご心境はお察し申し上げますが。そんな音色に託すのは、引き込む入口が違いますよ。
って、あら?此処でもない。
そうそう!!サラッと、聞き流しそうでしたが、この人は、ホンマに・・。
@山藍センセだとウィルは○●されそうよ・・。
私の脳内に入り込まれましたね?
ええ、ええ、その通りです、山藍センセなら、もう、戸籍から何から何まで、情け容赦なく準備万端です。
そして、そこまで完璧に出来ず、何らかのホコロビを残して、そこから無残に展開を崩壊させるのが、木原さんだわ・・そこが好き。
・・って、何故?ハンニバルのお部屋で。
爆笑から始まりから、まさかの柴田さん、を経て、此処に至るのだ?(いや、常に引っかけるのは、FANさんでしょ?)
来年に備えて、旧宅に引きこもって反省して来ます。(え!もう?来年)逃げよ・・。
FANさん、どもども~♪
>そうそう!!サラッと、聞き流しそうでしたが、この人は、ホンマに・・。
毎回きちんと私の妄想を拾い上げてくださってありがとうございます。
はて私そんなこと書いていたのかしら?と読み返したら書いていた(爆)
恐ろしい山藍センセのパッションを刷り込まれているよ。
しかし山藍センセは、突き詰めればハーレクイン設定なのだと思うのですよ。
ちょん切られても(爆)、輪姦されても、こんなに愛されている僕。
僕って幸せかもしれない、うん、これが幸せというものかもしれない。
ハーレクインって恐ろしい~~
そして「ハンニバル」にも同じにほひを感じます。
シーズン3はミステリー好きから言えばかなりのぐたぐた、ある種のマニアの方には垂涎の展開だそうです。
か、鍵コメさま、どもども~♪
ダッシュで家に帰って動画を見ました。笑えるぅ。
し、しかもさ、出だしから4キロって、私の願いと同じじゃん!(爆)
すべて身につまされる願いで、はい、私と同じでございますよ。
まあ、付け加えるならば神がかり的にブログを更新したい、というのが私の願いでしょうか。
いいなぁ、ユカさんは、4キロかぁ・・・その数字は、禁断のルビコンですよ。
その数字を越えたところで、なにが、変化したのか分からない、なのに4キロ落としたい。
歌っている秋山と同じく。私も、4キロ減量の意味がない・・、とほほ。
いや、待てよ?神がかり的に更新なさるユカさんの視聴生活を追いかけたら。
いつの間にか来年の4月!そして、体重も激変していました!!なんて、展開・・
・・・。あるわけない・・。グスン。
って、いや、何故?このお部屋に、こんなコメントを送信したのだ?!!(ある意味、有っているのか?)
FANさん、どもども~♪
>何故?このお部屋に、こんなコメントを送信したのだ?!!(ある意味、有っているのか?)
ハンニバルに4キロ食してほしいという願望でしょうか?
恐ろしい・・・
シーズン3を見始めましたが、想像以上のぐたぐた(またの名を耽美)ぶりでめまいがしそうです。
「ハンニバル」のシリーズの怖いところは、ハンニバルの調理をしているシーンからこの人は人を殺したのだろうかどうか。
そういうことがじわじわと怖くなってくるところが、よいのです。
そしてS2のクライマックスシーンの容赦ない彼にびびるわけですが。
ところがS3では。
ハンニバル1話からばっさばっさと人を狩り、そして離れてしまったウィルに思いをはせる(爆)
ミステリーというよりはロマンスです。
この好きだ嫌いだのグタグタ加減は、視聴者の評価がわかれますよね。
まあ、古き良きBLという面持ちがございますよ。
うわぁ・・ユカさん。シーズン3突入ですか?我が家の配信では、③の予告編のみです。この時点で、もう、重たそうな展開で、しんどい・・がんばれ、ユカさん!!。(私も含めて・・)
このドラマ、俳優さんも巧いので追いかけたいのですが。ナンデでしょう?
かつての、料理の鉄人の、終焉の頃の、無理やり感を彷彿とさせ・・。(料理と解体ショ一を一緒にするな)
米ドラマって、韓ドラ以上に視聴率に阿り過ぎだと感じます。もう無理だと感じ始める前に、潔く終わればいいのに・・。
そんな私が、相棒、或いは、科捜研のオンナに、ハマり始めたと、懺悔したらば。(懺悔って、どうよ?) その時はユカさん、潔く私を見捨てて下さい。
FANさん、コメントありがとう♪
シーズン3ね。
1話からなんと2回も寝落ちしてしまいました(爆)
>料理の鉄人の、終焉の頃の、無理やり感を彷彿とさせ
うん。わかる。
このドラマS1からものすごく展開がひねってきましたもの。
そしてそのひねり具合に視聴率が激減し、S3で打ち切りですよ。まあ、延々とシーズンが続かれても飽きるので、S3までは頑張って視聴しますが。
結局さ、やっぱりがちな男同士のロマンスで、それこそ喰うか喰われるか(爆)の命がけのロマンスなんです。
ハンニバルは好きな人は食べられないのよね。
かつての日本の企業の御曹司がカニバリズム事件を起こしたのは、愛憎だったかもしれませんが(うろ覚え)
ハンニバルにとってのカニバリズムは、無礼な人間を調理しデコレーションすることで意味のある存在にするという価値観の再構築なわけです。
事業(経営)で言うと、創造的破壊で新規事業に参入する(爆)って感じだと思います。
そういうところが面白いんだよね。
あちゃぱー・・。
@日本の企業の御曹司がカニバリズム事件
それは?まさかの、佐川急便・イッセイ発送の、あほボンのことでしょうか?
奴の場合は、恋愛ごっこの独り芝居という気がします。そして、ハンニバルと決定的に違うのは、奴は下品だ・・(と言いながら、私と同郷だ・・。)ああ、情けない・・。
@創造的破壊で新規事業に参入する
あら?それって、ユニクロの青果事業に置き換えると、やはり、撤収はお早めに。に繋がりますな。シーズン①と、特番でやめときゃよかったのにねぇ・・。
あ、先の送信、匿名になってて、失礼しました。(瞬時にご理解頂けたようで、有難いことです)
FANさん、どもども~♪
かの有名な事件に関しましては、まあ、いろいろありますが。
カニバリズムって宗教的意味合いもあるのですが、ハンニバルはその意味合いもあるのかも。
wikiによると
>カニバリズムはしばしば性的な幻想をもって受け止められ、またそのようなフェティシズムを持つ者も多数存在する。
とありますが、彼の場合は好きな相手と共に食べるということがエロスなんだと思います。
>ユニクロの青果事業に置き換えると、やはり、撤収はお早めに。
もしくは、ワタミの介護事業とか。
S3のぐたぐたぶりも愛おしいですよ。