優しい嘘・・・優しい男 18話まで
愛とは記憶の中にあるものなのかと、嘆息した18話まで。
17話から18話までの、ストーリーのひねり方に、私は3回ほど泣きました。
ウンギの哀しみが、痛みが、ダイレクトに伝わってきて。
マルの諦観が、まるで死にゆく者の祈りにも似た諦観が、切ないほどに伝わってきて。
3回、泣きました。
やっとウンギに記憶が戻り、マル、ジェヒと同じ土壌に立つこになる。ここからが3人のワルツの見せどころだろう。
戻ってきたウンギは、記憶を失う前のエキセントリックでヒステリックなウンギとも、天使ウンギとも違う、第3のウンギとして、私たちの前に現れる。
復讐の女神として。
■ウンギがトラワッタ
「ウンギや
二人でどこか遠いところへ逃げようか。
知り合いが誰もいないところ、二人だけになれるところ。
南極でも、北極でも、アフリカでも
二人で逃げようか」
と静かに語るマル。このセリフはかつてウンギがマルに懇願したセリフを彷彿。
続く20分にも及ぶマルの、モノローグが圧巻。泣ける。
ウンギがトラワッタ
ウンギは嘘をついている
僕を信用できないってことだ
僕に怒っているということで、僕を許さないということだ
ウンギが進もうとしている道を、僕は知らない
どうやって歩いていこうとしているのか
その道の先で、どうするつもりなのか僕は知らない
どういう思いでその道を歩いていこうとしているのか
聞いてもウンギは答えてくれないだろう
ただ、僕にわかることは
その道を歩むウンギのそばに
僕は一緒にいられないかもしれないということだ
ウンギがトラワッタ
だけど、今のウンギは僕が知っていた昔のウンギではない
何を思い出して、何をなくしたのか
何を手放して、何にしがみついているのか
ウンギは戻ったが、僕はまだあの子を待っている
決して疲れることなく、慌てず、焦らず
ウンギがトラワッタ
だけど、僕はまだあの子を待っている
決して疲れることなく、焦ることなく
■嘘は罪
記憶が戻ったウンギが、一番憎悪するのは、「嘘」
だからこそ、彼女は復讐の女神となったのだ。
しかし、彼女がマルに求めているのも「嘘」なのだ。優しい嘘を。
「僕は君の味方だ」この一言を求め、その言葉が「嘘でもあなたを信じるのに・・・」とつぶやく。
しかし、このドラマではマルは決してウンギには嘘はつかないのだ。いつも真実を語ろうとする。
ジェヒヌナへの復讐のために利用する時も、「梯子が必要だ」といい、「逃げろ」ともウンギに諭す。
決してマルはウンギに嘘をつかないのに・・・
彼女はマルの言葉を信じない。信じられない。
互いに「幸せ」とつぶやきながら、その言葉を「嘘」と思い、すれ違う二人に、また泣ける。
■これがソ・ウンギよ
スキャンダルを暴露したウンギに、ウンギまで血を流すことはないのだ、とこまでもウンギだけを心配するマルにウンギが一言。
「これがソ・ウンギよ」と。
例え、自分が傷つこうと、血をどくどくと流そうと、例え壊れることになっても、復讐する。
そう、このウンギは、マルが待っていたウンギなのだ。
孤独でとげとげしくて、理解不能で、それでいてどこか目に見えない所の傷口から血を絶えず流し続けるようなそんな女。全身で愛を求めているのに、愛していると言えない女。「憎んでいる」をまるで「愛している」と同じ意味で語る女。
マルがずっと待っていた、女。
嫌いになれなかった、カン・マル・・・
憎んで怒らなければいけない人なのに
死ぬ気で考えても嫌いになれなかった
あいつは私を愛してなんかいない
自分のせいで私の人生が壊れて同情しているだけで
私を愛してなんかいない
いまだにあいつが愛しているのは、ハン・ジェヒなのよ
ハン・ジェヒを得るために私を利用しているの
記憶を失った馬鹿な娘を手玉に取っているだけ
そうやって何回も考えてみても、嫌いになれなかった
それで、やったの
そうしたら全部終わらせれるかもしれないと思って
3人の関係を知られたら
カン・マルへの私の愚かな思いも、止められるんじゃないかと思った
もし私が狂って「この世にできない恋なんかない」と言い張っても
皆に止めてもらえるから
だから、やったの
よくやったよね
私、よくやったよね?
お父さん、少しは褒めてくれるかな。
・・・だけど、どうしよう・・・
逢いたい
すごく、逢いたい
カン・マルにすごくすごく逢いたい
どうしよう
私、どうしよう・・・
共感しにくいヒロインウンギですが、この愛の断ち切り方には、号泣よ、私。どうしてそんな方法でしか、自分の愛を断ち切れないのでしょうか。どうして、そんな生き方しかできないの。
ただ、ただ、彼女の心の痛みが、深い深い傷が、私にも伝わってきて、ウンギと共に号泣。
■電話
この辺に来ると、もう、もうずっと泣いていました。(年末で疲れているのかしら、私?)
■愛は記憶の積み重ねなのか
号泣していると、18話ラストの、不可解さ。どういうことなの?
誰にも避けられない記憶のいたずらがある
記憶は絶え間なく美化され、絶え間なく色あせるものだ
私の記憶は
どれほど確かなものなのだろう
どれほど信用できるのだろう
あの日、私が見たものはなんだったんだろうか
ウンギのモノローグにびっくりしすぎて、涙が止まる。
ウンギはUnreliable narratorなのか。
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こんにちはー
ウンギとマル、無言の電話で語りあうシーンすごく良かった、良かったというか、ジーンときました。ウンギもまた不器用で、ある意味、自分に正直な女性だったかな、と思いました。
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♪はうんさん、コメントありがとうございます♪
>無言の電話で語りあうシーンすごく良かった、良かったというか、ジーンときました。
私ここら辺から、涙腺がぶっ壊れていました。18話は、泣いたなぁ~
19話になったとたん、拍子抜けしちゃったけれども。
>ウンギもまた不器用で、ある意味、自分に正直な女性だったかな
正直過ぎて、猪突猛進(笑)
最終話でがっくりきちゃったけれども、妙に私の心を悩ませてならないドラマです。