何も言わないでやさしいキスをして・・・優しい男 16話まで

a0192209_20375345
韓国ドラマ「世界のどこにもいない優しい男」16話まで視聴。

 

愛はかげろうのようだわ、と泣いた16話まで。

 
もしかして、このドラマはマルの七変化を楽しむのが、裏プロットなのかもと思うくらい、めまぐるしく装いを変えていくマル。ある時は医者、ある時はツバメ、そしてある時は・・・
12~16話のストーリーは、ジェヒ&アン弁護士がマル(あるいはウンギ)に、次々と罪をかぶせようとして・・・という手法で展開していくのだけれども、あまりにも芸がなさすぎる。あの手この手で・・・って手練手管を使い過ぎで、コンプライアンスが全くない(笑) せっかく企業が舞台となったのに、もっと仕事で勝負しようよ~と思うのですが。
ですが、ですが、このドラマのことをどうやら、私、ものすごく好きみたいです。
「優しい男」のドラマ評としては、ソン・ジュンギ君のファンならば楽しめる、しかしそれ以外の人は・・・みたいなちょっと残念な感想を目にするの。私はソン・ジュンギ君のファンではないのですが、このドラマの、このテイストを、もしかして愛しているのかもしれない(笑)
愛しているドラマに関しては、しつこいくらい書き綴りたくなるから。
まだるっこしい展開や、突拍子もない設定、ちょっと古臭いOST(聞けば聞くほどメロディの虜になるキャッチャーなOST)、共感しにくい登場人物たち。
どれもこれも、好きだなぁ~と感じながら視聴しています。どうしてだろう?(笑)

a0192209_20385769
ジェヒヌナがすっかりヒールになっているのが、もったいない!
彼女の上昇志向は、もはや呼吸と一緒なのに。上を目指さないと生きていけなかった、彼女の生い立ち。ただただ上へ上へと、その世界の果てへと、闇雲に、突き進んでいく彼女が大好きです。
ジェヒヌナは、自分が何を捨ててきたか、未だにわかっていない。そして、何一つ、手に入れていない、ということも気づいていない。そんな彼女にウンギが「テサンを捨ててマルを選ぶ」と宣言した時、ジェヒヌナの目指していた世界は崩壊したのです。
その時の、ジェヒヌナの混乱ぶりを、私は愛する。ジェヒヌナが手に入れたかった世界が、一文の価値もない・・・と知った時、彼女は初めて自分のやってきたことを振り返ったのだ。
マルを捨てて、手に入れたのは一体何だったのだろうか。
愛を捨てて、残ったのは何か。

 

 
a0192209_20583873a0192209_20584673
「ヌナ」、この一言が、こんなにも意味深い響きを持って、絶望に突き落とすなんて。
鳥肌が立ちました。

 

 
a0192209_20563687
私は、アン弁護士の愛のカタチにも、泣けて泣けて仕方がない。
たった1回のキスで、彼は彼の属していた世界を全て裏切って、ジェヒのために尽くす。その報われない、愚かしい愛。彼も、孤独で、空っぽな心を抱いて生きてきて、誰かを愛したくて、その空っぽな心にジェヒがすとんと入ってしまったんだろうな。
コヨーテとジャッカルの話は、アン弁護士とジェヒのカップルの話でもあるみたい。

 

 
a0192209_21104896
「優しい男」に登場する男たちは、誰も皆、果てしなく優しい。
誰かを愛したくて、欠けた心を抱いて生きてきて、「The Missing Peace」を見つけた途端、全身全霊でその女を愛する。
そんな孤独で、哀しくて、自己犠牲的なその愛は、どこか古風な騎士を思わせて。
If I wasn’t hard, I wouldn’t be alive. If I couldn’t ever be gentle, I wouldn’t deserve to be alive.
彼らは決して自分の欲望のために生きていかず、自分の存在意義を女を支えていくことに見出しているような感じだ。「優しい男」における男性像は、ちょっと特殊だわ。
これは、このドラマの設定なのか、それとも脚本家イ・ギョンヒの描くヒーローは、皆そうなのかしら。
少なくとも「クリスマスに雪は降るの?」のガンジン(コ・ス)はそうだったけれども・・・後のドラマは未見なので、何とも言えないなぁ。

 

 
a0192209_21115350
マルがウンギを抱きしめるシーンも、その都度意味合いが変わってきている。
挑発的に抱きしめたり、守るように抱きしめたり、そして、記憶が戻りそうになるウンギに対し、それまでの「幸福」にすがりつくように、そう、すがりつくように抱きしめたり。

 

 
a0192209_21491164
「絶対に離さない。何があっても。誰になにを言われようとも」
絶対なんて、この世にはないよ、マル。このセリフを彼がいった時点で、果たされない約束かもしれないと思うと、胸が狂おしくなる。
神様、とつぶやいてみる。
神様。
孤独な孤独なマルの、幸福が、彼の元から去らないように、と。彼は、本当に、何一つ今までの人生で望んだことは叶わなくて、全てを失って、そんな彼が望んでいるささやかな「幸福」を奪わないで、と。
泣けて、泣けて、仕方がないなぁ。

 
a0192209_21134438
記憶が戻ったらどうなるのだろうか。
あのやさしい思い出も、やさしい抱擁も、やさしいキスですら、かげろうになるのだろうか。

その時々の、私の心の琴線に触れたモノ・・・ 小説や、映画、音楽、ドラマ、ファッションについてだけの簡単な備忘録。 Everything was beautiful and nothing hurt.

関連記事

  • コメント ( 2 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. aol

    SECRET: 0
    PASS:
    Hello there, You've done a fantastic job. I’ll certainly digg it and personally recommend to my friends. I'm sure they'll be benefited from this website.

  2. moonlight-yuca

    SECRET: 0
    PASS:
    ♪Dear aol♪

    Thanks you so much for the wonderful comment! ^^