Sweet dreams are made of this・・・ハートレスシティ18話まで

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韓国ドラマ「ハートレスシティ ~無情都市~」18話まで視聴。

 

 

終盤になるにつれ、ますますノワール色が強くなり、救いのない物語展開になってきている。
そんな中、15~18話までの間で私の心が癒されたシヒョンとヒョンスのツーショットをTOP画像にしました。
「恋人同士みたい」とジンスクがやっかむくらい固いきずなで結ばれた二人。
この二人にいつまでもこうして肩を並べてお酒を飲んでいて欲しいのになぁ。

 

 
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金でもない名誉でもない。
何のためだろう・・・分からない。
堅気の人間も同じだ。
生きていること自体が依存症だ。
この世界にいるお前も、俺も。
ジンスクもな。
チ・ヒョンミンだってやめられない。
だから続ける。
ミン・ホンギもな。

どうしてこの腐りきった裏世界でつきすすんで行くのかと、シヒョンに聞かれた時のサファリの答えです。

まるでレミングの集団自殺のように、何かに突き動かされるように互いに互いを陥れ、殺し合いをしようとする登場人物たち。
潜入捜査官とは、己の任務の存在意義を明確に持っておらねばきっと心が壊れてしまう、そんな仕事です。
少しでも自分のやっていることを疑ってしまったサファリは潜入捜査官としての意味を失ってしまい、意味を失ってしまったからには新たな意味を見つけねば生きてはいけない。
それが〝釜山”でのし上がることだったかもしれないし、ジンスクを守るという目的だったのかもしれない。
それしか彼には残されていなかったのだ。
自分の手の中に残った意味を守るためだけに、己の手を血で染め上げて、生きのびてきたサファリ。

「無情都市」に出てくる登場人物たちは、誰もが一線を越えてしまった人たちばかりです。
二度と元の平和な生活には戻れない。
裏切りと憎しみと恐怖に彩られた世界で、それでも自分の信じてきている何かを失うまいと必死にあがく人たちの物語です。
存在意義を見失ってしまったからこそ、生きていくことに意味を見いだせないからこそ、逆に生きることだけに依存してしまう。

生きることに依存しているくせに、死に急いでいるようなそんな男たちの物語。

 

 

 

■ 15話 「権力の影」 ■
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母親の死の真相を知りショックを隠せないシヒョン。そんな中、チョ会長はサファリやシヒョンを始末するように命令を下す。スミンはチョ会長の手下に襲われたもののシヒョンによって助けられる。シヒョンはスンミがギョンミと姉妹同然だったことを知り、潜入捜査をやめさせるようヒョンミンに警告する。一方、ヒョンミンは〝チャン社長”という人物が博士の息子であると読み、アン検事とチョン社長が会う約束をした場所で貼りこむことにするのだが・・・

 

まさかの天秤がここでAdieuだなんて・・・
しかし後半戦になるにつれ残虐性が色濃く目立ってくるなぁ、このドラマ。

 

 

 

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「世の中は鏡だと、唾や暴言を吐けばそのまま自分に返ってくる。笑いかければ、世の中も笑いかけてくれる。姉がそう言っていた。」

シヒョンはかつて自分がギョンミに語った言葉が、そっくりスミンの口から自分に返ってきたのを知って愕然としたことでしょうね。
シヒョンとスミンが知り合った運命のいたずら、因縁を知って。
そしてまさに今のシヒョンの生き方が「唾や暴言を吐けばそのまま自分に返ってくる」状態です。
シヒョンがクーデターを起こしたことが、この物語の発端だけれども、やっぱり死に急いでいるからなのか、とも思ってしまう。
潜入捜査官として生きることに憑かれたシヒョンの緩慢な自殺のような行動です。

 

ひとつお願いしていい?
けがをしないで。
アジョシ。
カンペ・アジョシ。
チョン・シヒョン。
シヒョナ。
シヒョナ・オッパ。
全部言ったわ。
元気でね。

 

「愛した人は敵か、味方か・・・」なんてキャッチコピーがついている「無情都市」ですが、意外にシヒョンとスミンは微ラブです。
狂おしいほどの愛のカタチではないけれども、スミンのこの別れの言葉はシヒョンに深く染みいったでしょう。
心に深く傷を負ったシヒョンに対して「けがをしないで」というスミン。
一番誰かから言って欲しかった言葉なのかもしれませんね。

 

 

■ 16話 「〝博士の息子”との対峙」 ■
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張り込み現場に現れたシヒョンは、ヒョンミンに「一緒に〝釜山”を潰そう」と持ちかけるが、ヒョンミンはこの言葉を素直に受け入れられない。スミンが潜入先でジンスクと共に危機的な状況に陥ったと知ったヒョンミンは2人を救いだす。しかしヒョンミンは〝釜山”の手下に殺されそうになり、シヒョンに助けられる。朦朧とする中、シヒョンに銃を向けるヒョンミンだが、シヒョンの言葉を信じて逃がすことにする。そんな中、シヒョンはチ総長に会いに行く。

 

 

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スミンの変装。ナム・ギュリちゃんカワユイのですが、表情が硬いときもあって・・・
でもその硬さがスミンの復讐へのこだわり、不器用さと言ってもいいのかな。
ナム・ギュリちゃんがメイキングインタビューの中でも「ジンスク姉さんとのシーンは感情の没入度が大きかった」と語っていました。
ジンスク相手のときのスミンの表情は自然なのに、これがシヒョンやヒョンミン相手だと演技が硬くなるんだよなぁ。

 

 

 

■ 17話 「2人の関係」 ■
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スミンはシヒョンがジンスクと旧知の仲だと知る。ジンスクとヒョンスがチョ会長に捉えられ、駆けつけるシヒョン。そこに現れたヒョンミンはシヒョンを助け、ついにチョ会長を逮捕するが、チョ会長は病気を理由にすぐ釈放されてしまう。そんな中、ヒョンミンがシヒョンの正体について問いただすと、シヒョンは〝博士の息子”だと言い残して去っていく。一方チ総長はチョ会長を始末するためにサファリとシヒョンを利用しようと目論んでいた。
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とうとうシヒョン=〝博士の息子”だと知ってしまい。
しかしそれよりもジンスクが「シヒョンは私の恋人よ」といった言葉がショックだったに違いない。
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ジンスクはサファリとミン局長から愛されているのに、彼女の心はいつしかシヒョンを愛してしまったのだろうなぁ。
愛の一方通行がこのドラマの悲劇を生んだと言ってもいいかもしれない。
しかしその愛のカタチは、利用し利用され、騙し騙されといったカタチでなんともビター。
ジンスクは「カラミティ・ジェーン」ですね。
すべての男たちの上に災いを振りまきながらも、自分の純愛を貫こうとする女。
シヒョンに振りかかる災難のほとんどがジンスクが引き起こしている気もします・・・

 

 

 

■ 18話「復讐の決意」 ■a0192209_10002189
シヒョンが〝博士の息子”だと知ったスミンはショックを受け、ひそかに復讐を決意する。サファリはチョ会長から麻薬工場の場所を聞き出し、チ総長からチョ会長を始末するように命じられる。同じ頃、チョ会長のガンモクが取り調べ中に同じ工場の名前を口にする。検察と特捜部はその現場に乗り込むが、そこは麻薬工場ではなかった。一方、サファリはチョ会長を伴い大学内にある麻薬工場に行くが、チョ会長には逃げられてしまう。そこにある人物が現れる。
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半地下のまるで牢屋のような部屋に住むシヒョン。
この部屋を見るだけで、彼が何かに囚われていて、そしてまるで殉教のようにその身をささげているのが分かります。
金も名誉も欲せず、ただ自分が守りたかったもののために身をささげるストイックな男。
彼の心情風景のようなこの殺風景な部屋を見るたびに、人生の喜びをすべて犠牲にして生き急ぐ彼に、胸が痛みます。
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ミン局長も、まだまだ何かありそうで。
人々を利用し、踏みにじりながら、何を求めているのでしょうか。

 

BGM : SWEET DREAMS ( Emily Browning)

 

その時々の、私の心の琴線に触れたモノ・・・ 小説や、映画、音楽、ドラマ、ファッションについてだけの簡単な備忘録。 Everything was beautiful and nothing hurt.

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