巨星堕つ・・・奇皇后 40話まで

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韓国ドラマ「奇皇后」40話まで視聴。

 

 

30話~36話ぐらいまでの展開は、はっきり言ってもたもたして中だるみの感が否めません。
ところが38話からの展開のスピーディーさ、一気にお話が転がっていっています。
起承転結のやっと「転」の部分に入ってきたからでしょうか、転がる、転がる。
どうも私はタファンがおバカな方が好きみたいです(ごめんね~、タファン)
スンニャンに教育され、すこ~しお利口になったタファンにはあまり魅力を感じない・・・
同時にスンニャンがあまりにスーパーウーマンで、何でもできる設定に辟易。
傾国とは実は美女でも何でもなくて、不機嫌な女かもしれないと思っています。
皇帝はただ彼女の笑顔が見たくって、見たくって、彼女の歓心を買いたいがために政の理をねじまげてしまい、国を傾けるのだ、と思っているんです。
だから笑わないスンニャンは、傾国であり、彼女を警戒する皇帝の忠臣たちの気持ちもわかるんだよな。

 

 

 

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ワン・ユに関して、かなり冷たい目線で視聴していた私ですが37話にきて、心を鷲掴みにされました。

権勢を誇っていたヨンチョルが足元を救われ皇帝派に追い詰められたときに、ワン・ユは彼を迎え入れます。
高麗の恨みもいろいろあったでしょうが、ヨンチョルを捕まえたワン・ユの理由はただ一つ。
スンニャンの行く手をヨンチョルが妨げようとしたから。
ヨンチョルがスンニャンに復讐しようとしたから。
国のことよりも、己のことよりも、かつて愛した女の行く先を案じる男。
この時の彼の表情、彼の瞳が素晴らしい!
ワン・ユの愛は、中盤以降押し込められ、決してタファンのようにスンニャンの愛を乞い、泣き叫ぶカタチではないですが、彼の中に今でもふつふつと秘められていることが分かり、胸が熱くなります。
陰から女を支えていく愛、たとえ自分が傷つこうが守っていこうとする愛のカタチ。

 

 

 

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ヨンチョルの最期。しかし彼は、ただ処刑されることなく、様々な人の心の中に呪いの種を蒔いていきます。
権力に対する執着をペガンに、臣下に対する疑惑をタファンに、スンニャンに対する嫉妬を皇太后に、そして高麗人排斥を元の人たちに、そしてスンニャンには息子アユの将来に対する不安を。
その種があっという間に、人々の心の中に根付いていくさまは圧巻。
共通の敵ヨンチョルを倒すことだけを目指していた時は団結していた人々が、ヨンチョルが倒れるとあっという間に烏合の衆となり、互いに疑心暗鬼になっていくさまが悲しい。

 

 

 

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タナシルリも、愛を乞い、得られなかった女も、皇太后の胸に呪いを植え付けて去っていく。
「マハを皇帝に」という・・・
彼女の死を賭けた呪いに皇太后はかかってしまい、事態はスンニャンが産んだ子供たちをめぐっての争いになっていくのか。
皇太后が押すマハは生粋の高麗人、アユは半分高麗の血が流れている。
モンゴル民族至上主義を謳いながらも、実は他民族の血が入ってきているのだということに誰も気づかない非常に皮肉な展開に。
タナシルリの呪いが、一番強烈で始末におえない。

 

 

 

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やっと名実ともに皇帝の座を手に入れたと思ったタファンだが、実は一番欲していたスンニャンの心が手に入らないことにいら立ちを隠せない。
彼はただスンニャンと共に生きることだけがささやかな望みの男。
スンニャンを手に入れるために皇帝になったのに、彼女を失うことになろうとは、なんて皮肉だろうか。
スンニャンもヨンチョルの呪いを受けて、目に見えるものしか信じない女になりつつある。
アユを皇太子に、このことだけが彼女の生きる目的になっているのね。
同じ目標を持って共にいた時の連帯感が二人の間から失われ、タファンは苦しむことになるのでしょう。

 

 

 

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タナシルリといい、バヤンといい、スンニャンといい、タファンの周囲は気の強い女しかいないのか(笑)
バヤンを見ていると、タナシルリは単純で率直だったなと懐かしく思ったりします。それだけしたたかなバヤン。
しかし、タファンはスンニャンだけにインプリンティングされている男なの。
サイコパス・バヤンはどう攻略していくのでしょうね。

 

 

 

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とにかく、登場人物がヨンチョルの毒に侵されてきている中、タルタル師匠のその変わらない、落ち着いてすべてを見とおすかのようなまなざしが私には憩いです。
豹変したペガンに対して、彼だけは変わらぬ態度でスンニャンに接し、バヤンを叱咤する。
タルタル師匠だけは、変わらないでほしいな。

 

 

 

その時々の、私の心の琴線に触れたモノ・・・ 小説や、映画、音楽、ドラマ、ファッションについてだけの簡単な備忘録。 Everything was beautiful and nothing hurt.

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  • コメント ( 2 )

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  1. はる

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    yucaさん、こんばんは

    前半、リタイヤしょうかと
    悩みましたが、もしかしたら
    中盤から良くなるかも‥と踏みとどまりました。
    ジンモも、なかなかドラマでは見れないし(;^_^A

    『ヨンチョルが、皆に呪いの種を蒔いて死す』
    そうだわ!
    タルタル(彼の名前が出る度、エビフライが浮かぶアホな私)以外、皆がステージごとに、変貌していきますね

    ワンユと永遠の愛を誓った
    スンニャンが、変貌していく時
    ワンユもタファンも
    ずっと変わらず、ひたすら愛す
    2人の一方通行な愛が
    このドラマの見所なのかもしれませんが、私的には、乗れなかった。
    スンニャンは、戦士だったんですね
    2人の愛は踏み台か?苦笑

    たいくつなドラマではないし
    キャストもいいし
    ストーリーも、グイグイ引っ張るんだけど
    スンニャンの涙は、胸にこなかった
    タナシルリ、不運な王女でした
    魅力的に演じてましたね

    善徳女王のトンマンとピダムの強烈なラストシーンを見たくなりました。

  2. moonlight-yuca

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    ♪はるさん、コメントありがとうございます♪

    >中盤から良くなるかも‥と踏みとどまりました。
    全く面白くない・・・というわけでもないから、始末が悪いですよね(笑)
    私もなんとか先日視聴完了しましたが、51話見た自分を褒めてあげたい。
    瞬間、瞬間、面白いと思うのだけれども、長続きしない。

    >2人の愛は踏み台か?苦笑
    スンニャンから愛を感じませんでしたね~
    最終話の感想でも考察していますが(もう感想は書いているんです)、愛を信じた男たちと、愛なんて信じられない、目に見えるものしか信じない女のすれ違いの物語だったのかなぁ。

    >スンニャンの涙は、胸にこなかった
    うんうん。
    タナシルリの方が悪女だけれども、彼女がそうなりに至った経緯もわかるので、なんだか不憫になりますね。
    マハへの無私の愛とか。

    こうやってみると、「善徳女王」がいかに優れたドラマだったか分かりますね。
    あんなドラマがまた見たいなぁ~