But it’s Destiny・・・愛の不時着 6話まで


韓国ドラマ「愛の不時着」6話まで視聴。

 

ちょーっ、6話ラストで身もだえた私。
そうそう、こんなヒョンビンを待っていたのよ!
イケズな御曹司も、二重人格な御曹司も、バーチャルゲームに没入する金持ちも、雪の女王に恋する孤独な青年もいいけれども。
リ・ジョンヒョク!!
幸せになることをどこかあきらめた、武骨な孤高な魂を持つ男。
おそらく言語に絶する苦難に遭遇したとしても、いささかも取りみださず、苦しさ辛さをぐっと呑みこむ。
窮地にはまった自分の姿をどこか他人ごとみたいに眺め、ただ生きている男。

 

■あらすじ■
韓国最高財閥クイーンズグループの末娘であり、自ら築いたファッションビューティー事業で勢いに乗っているユン・セリ。パラグライダー中に思わぬ事故に巻き込まれ、北朝鮮に不時着してしまった。そこで出会った堅物の将校の家で、身分を隠して暮らすことになるが…。

 

「星から来たあなた」「青い海の伝説」のパク・ジウンが脚本。
私の大好きな「星から来たあなた」の変奏曲でもある「愛の不時着」
最初ね、「愛の不時着」なんて一昔前のドラマみたいなタイトルだわと鼻で笑ってました。
ほら「愛の流刑地」みたいな響きを感じてね。
あ~でも6話まで視聴して、本当に愛は突然、前触れもなく襲ってくる嵐のようで、その嵐に巻き込まれたらどこに着地するのかわからないことを思い出しました。

「星から来たあなた」が面白かったのは、「a boy meets a girl」のお話であり、400年間誰とも関わりを持たずに独り孤高に生きてきたト・ミンジュンがソンイのために全てを捨てて、走っていく物語だということ。
星から来た男とスターの座から降りてきた女の、孤独が呼びあい、そして互いに寄りそっていく物語でした。
劇中「愛をみつけたうさぎ」という本が登場するのですが、まさにミンジュンが愛をみつける物語でもありました。
そして「愛の不時着」も面白いぐらい、「星から来たあなた」に骨子が似ているの。
北朝鮮と韓国という最も近くて最も離れている国に住んでいるリ・ジョンヒョクとユン・セリの孤独な魂が呼び合う物語なのだから。

 

 


クールビューティーなリ・ジョンヒョクがそれまで培ってきた、誰とも関わり合おうとしない姿勢にぐいぐいと迫って、彼のガードを突破して、自由気ままなユン・セリが、また可愛いんです。
由緒正しきツンデレのロマコメの展開なんですが、なんだか視聴していて幸せな気持ちになる序盤。
脚本家のパク・ジウンは、奔放な女に振り回される男を描くのがうまい!
いつの間にかユン・セリのペースに乗せられて、彼女が自分の視界にいないと不安になってくるジョンヒョク。
ポーカーフェイスな彼の面差しに、笑みややきもちや、怒りが生まれてきて、そんな自分に戸惑うジョンヒョクがいいのよ。
クールな面差しに、人間味があふれていくさまをヒョンビンが好演。

 

 


もちろんジョンヒョクとセリは”But it’s Destiny”ですからね。
7年間に実はスイスで出会い、自殺しようとしていたセリをこっそりと救ったジョンヒョク。
2人は気づいていませんけれどもね、過去の出会いに。
でもあのころから、ジョンヒョクのまなざしはセリだけを見つめていたのよね。

 

 

 


どうやらユン家の婚外子として生まれ、不遇な少女時代を過ごしウツ状態になっていたセリ。
捨てられることに、置いて行かれることに極度におびえ、虚勢を張り、誰かに期待することよりも、何にも期待しない生き方を選択してきた。
何も期待しなければ、自分は傷つかないから。二度と誰かに捨てられることはないから。
わがままで、自分の気持ちだけには素直で、その柔らかな心を固くガードして、世知辛い世の中を生きてきたセリ。
彼女がジョンヒョクの、その気高い魂に触れたときに、それは恋に落ちるなというほうが無理でしょう。
彼女の世界に今までいなかった男だから。
見返りを求めることなく、セリを守ろうとする男は。

 

 

「約束したんだ。見えている間は・・・守ってやると」
きゃああ、誰だってジョンヒョクのことを愛してしまう。

 

「愛の不時着」は北朝鮮礼賛のドラマだと非難もあったらしいけれども。
ヒョンビンが北朝鮮の将校を演じたら、まあ、格好良くて胸がときめいてしまうのは否めない。
「愛の不時着」で描かれる北朝鮮の風景も、きっと私たちがどこかに忘れてしまったノスタルジックな風景で。
現実の国とはかけ離れているのだろうけれども、風景の懐かしさに胸が苦しくなる。
一杯のコーヒーを作る、誰かのために料理する。
暗闇の中のキャンドルにともされた一筋の光。
一つ一つの情景からジョンヒョクがセリをどれだけ(本人は気づいていないが)、どれだけ大切にしているのから伝わって。
そうだよね、愛は、自分の殻をあっさりと壊す力がある。
自分の想像をはるかに超えて、遠いところに連れて行ってしまうよね。

 

 


久しぶりに見たオ・マンソク!
こっそり好きなのよ、この俳優さん。「愛の不時着」では悪役を貫いてくださいませ!期待しています。

 

 


毎回挿入される、ささやかなエピソードも好きでね。
「星から来たあなた」でもあったよね。
登場人物たちがまた一段と奥深く見えるエピソード。
ジョンヒョクとっての美しい言葉たち。
「海、日差し、山つつじ、露、いわし雲、三毛猫、バラ、そよ風、初雪・・・ピアノ」
彼が忘れていた、忘れようとしていた「ピアノ」という美しい言葉をセリは引き出した。
ジョンヒョクの凍てついた心を、柔らかく溶かしていくのがセリなんだろうなぁ。

その時々の、私の心の琴線に触れたモノ・・・ 小説や、映画、音楽、ドラマ、ファッションについてだけの簡単な備忘録。 Everything was beautiful and nothing hurt.

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