最後の時がきたらさよならは言えなくなるから・・・星から来たあなた18~20話

a0192209_16480818韓国ドラマ「星から来たあなた」20話まで視聴。

泣いても笑ってもあと1話。
このドラマの中盤、ドラマ自体の勢いが「シークレットガーデン」と似ていると感じ、視聴率も30%超えるかと思っていましたが、30%の壁は高かった。
視聴率がすべてだとは思わないし、私の大好きなドラマ「乱暴なロマンス」「いいかげんな興信所」(いずれも大好きな脚本家パク・ヨンソンの作品)などは4~3%だというし。
マニアックなドラマが好きな半面、やっぱり根はミーハーなので「ピョルクデ」も好きです。
しかし、「ピョルクデ」が30%に届かない理由も、なんだかわかる気がします。

宇宙人とのラブロマンス、という斬新な設定で目を引く「ピョルクデ」ですが、よくよく視聴するとものすごくオーソドックスな骨組みですよね。

 

 

a0192209_18480167韓国ドラマの純愛の障壁として、①父権や性的規範という社会的障壁(親の反対や純潔)、②事故・病気・記憶喪失というどちらかが必ずと言っていいほど用いられる。
「ピョルクデ」に関して言えば、②の病気のパターンの変形だと言ってもいいだろう。
18話から、いや物語の最初から、ト・ミンジュンの消失のイメージが繰り返し挿入され、視聴者に刷り込まれていく。
星に還るか、消滅か。

非常にオーソドックスな筋立てで、「ピョルクデ」のことを好きだけれども、なんだか拍子抜けする部分でもある。

400年地球で生きてきて、初めて恋をした時に自分が消滅(あるいは星に還る)なんて。

a0192209_18482044ソンイとの恋愛も、記憶障害のバージョンの変形になるのかも。
ソンイがイファの生まれ変わりであることも「ピョルクデ」で暗示されているが、もちろんソンイは400年前の記憶はない。
かつて自分が愛した少女はすっかり記憶をなくして(転生しているからだけれども)自分の前に現れる。記憶がないからもどかしいけれども、ミンジュンはずっと彼女のことを変わらず愛し続けている。
そんなパターン。

チャン弁護士がソンイに向かって「先生はあなたのことをずっと前から好きだったんです」と語るが、そう、ト・ミンジュンは400年前からソンイのことを愛していたんだろうな。

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同じポーズなのがカワユイ。
愛し合っている二人が、「死」か「別離」かどちらかを選択しなくてはいけないシチュエーション。
「ロミオとジュリエット」だったら「一緒にいられないのなら死んでしまうわ」という極端な選択をしてしまうのだが(あれは14~15歳特有の思考回路ですものね)、ソンイは「離れていても生きていてくれれば」という結論を出す。
この宇宙のどこかでト・ミンジュンが生きているだけで、いいと。

それはフィギョンがソンイとの関係で出した結論にも、セミのフィギョンとの関係で下した決断にも似ていて泣けてくる。
その人がその人らしく生きていくだけで、私はそれだけでいい、という。
その人が存在するだけで幸せだという、そんな愛のカタチを登場人物たちは見せてくれる。

 

 

a0192209_18482982「ピョルクデ」はト・ミンジュンの「はじめて物語」だと思っているのですが、初めての恋、初めての嫉妬、初めての家族の団欒。
ミンジュンが今まで否定してきた全ての心の動きを味わい、そして彼が自分は生きているんだと実感する物語なんです。
ソンイがいるからこそミンジュンは生きていると、実感できる。
そんな彼がソンイと離れて生きていけるのか。

ソンイの「好き」が大きいように感じちゃいますが、実はミンジュンの「好き」が何十倍も大きい。

 

 

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「シガ」の17話のラストシーンでは多くの方が、「そう来るか~」と度肝を抜かれて号泣したと思いますが、残念ながら「ピョルクデ」ではそういう反転がありません。
もしかすると、18~19話のト・ミンジュンが多くの人が見ている中、ただただソンイのためにその能力を発揮した瞬間が、反転になるのかもしれないけれども。
いまひとつパンチが足りない気がするのは私だけ?
でもその衝撃度の少なさが、視聴率30%の壁を越えられない要因でしょう。

今日とうとう最終回ですが、ファンタジーは難しいなぁ、と感じています。
だってどんな結末だってファンタジーだから受け入れられますよね。
ミンジュンが地球で幸せに暮らすウルトラCだってあるかもしれない。ファンタジーだからね。

巷で囁かれている、「ト・ミンジュン(キム・スヒョン)、チョン・ソンイ(チョン・ジヒョン)が実は2人ともトップ俳優で、「星から来たあなた」は映画の撮影の一部だったとの推測が代表的」(Kstyle)だったら、それはそれで私、超びっくりです(爆)

 

 

a0192209_1847449920話で一番切なかったシーン。
「最後の挨拶は先にしておくんだ。本当に最後の時がきたら、さよならは言えなくなるから」

 

 

a0192209_19394400さんざんこのブログで「さっさと好きっていっちゃいなよ、ミンジュン」みたいなことを書きましたが、ミンジュンが言わなかった理由を20話で初めて知りました。

俺の超能力で一番すごいのは時間を止めることだけれども、何度も時間を止めてお前の知らない時間の中で言い続けてきたんだ。
愛しているよ、チョン・ソンイ。
流れていく時間の中で話したら、一緒に流されそうだったから。
だからいつも止まった時間の中で話したんだ。
愛しているよ、チョン・ソンイ。
愛している。

止まった時間の中でしか、自分の本心を言えないミンジュンのことをずっと憂いておりました。
11話の感想で、

時間を止めないと自分の本当の気持ちを表せないミンジュンのことを思うと、狂おしくなる。
時間を止めた世界だけが、彼の真実を知っているなんて。
時間を止めないと大好きな人の手も握れないなんて。
時間を止めないと本当の事を言えないなんて。
泣けます。

と書きましたが、20話でミンジュンは流れる時の中で、初めてソンイに告白します。
初めて同じ時の流れでソンイと心を通わせる。
初めて。
超能力を人前で発揮したシーンよりも、胸に響く。
400年の孤独からミンジュ
ンが解放された瞬間でした。

 

 

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7年にもまさる7日間。
いやあ、ソンイ最高! 変にぐずぐずせずに、自然体(自然体すぎるけれども・笑)でいる生命力の強さ。
彼女のオーバリアクションは視聴していて疲れる時もあるけれども、このドラマがメロの最高潮を迎える時でもきちんとコメディの部分をソンイから感じとることができます。
「私とチャン弁護士がおぼれたらどっちを助ける?」なんて、恋人同士ではアルアルの問いかけをしているのが笑えます。

 

 

■ 20話のエピローグ ■
a0192209_18483511別れを想定しているソンイは切ないな。

 

■ 身もだえポイント ■
a0192209_1848092818話のETシーン。いやそうな、ミンジュンが笑える。
ツンツンしたミンジュンだが、実は押しに弱いのよね。ソンイやユンジェのように他人におかまいなくぐいぐいと迫ってくるタイプの人間に弱いみたい。

 

その時々の、私の心の琴線に触れたモノ・・・ 小説や、映画、音楽、ドラマ、ファッションについてだけの簡単な備忘録。 Everything was beautiful and nothing hurt.

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