好きって言いなよ・・・イタズラな恋愛白書10話まで
台湾ドラマ「我可能不會愛你~イタズラな恋愛白書」10話までの雑感。
「好き」って、百人百様のカタチがあるけれども、このドラマで描かれる「好き」のカタチは愛おしい。
不器用で、もどかしくって、ほんのり切ない、そんなカタチ。
例えば、ものすごく感動させてくれる芸術を鑑賞した時、この心の高ぶりを誰かと共有したい。
例えば、ものすごく落ち込んだ時、誰かに「君は間違っていないよ」と肯定してもらいたい。
例えば、ものすごく怒っている時に、静かに誰かに諭されたい。
例えば、孤独な老人になった時に、誰かに老人ホームに逢いに来て欲しい。
例えば・・・
そう、そうして。
そんな時に、真っ先に思い描く人の顔があれば、それが「好き」のカタチ。
ねえ、李大仁
最近、突然妙な感覚に襲われる
“あいつはすごく厄介な存在だと”
若い頃は必死になって追いかけた
追いつけば人生が変わるような気がしたから
でも最近は追い回されるようになった
永遠に・・・
私の前から消え去ってほしい
あいつの正体は“時間”だ
どの少女も 早く大人になりたいと望む
人生で初めてのハイヒールを履ける大人に
でも29歳にもなれば
17歳の時に履いたスニーカーが
妙に懐かしい
「我可能不會愛你」の始まり10分、この哲学的な(前衛的と言ってもいい)、又青のモノローグから始まる。今までの台湾ドラマには見掛けない(おそらく)、ある種演劇的な、ドラマの構成が序盤から演出。
29歳と30歳という端境期に立つ、女だったら誰しも抱く未来への不安、恐れといった感慨を、提示する。
1話で大仁は又青に「好きにならない」と言い放つ。又青がいなくなったとたん「・・・たぶん」とこっそりつぶやく時点で、彼がどうしようもなく又青に惹かれている・・・好きであると言うことがわかる。
高校時代から、ずっとずっと、又青を見守っていて、そばに寄りそっていて、誰よりも彼女を理解しているのに、親友という立場でしか自分をアピールできない大仁の不器用さ。
「好きにならない」という言葉が2人の間に呪いのようにわだかまり、恋愛の一線を越えないストッパーになってしまう。
(10話)
この言葉のために、14年も大仁は、延々と又青の背中を追っかけることしかできない。
又青も、大仁を「好きになる」ことを許されない、と思いこんでしまう。
この単純だけれども、複雑な心の動きを味わうのが、「我可能不會愛你」の視聴の醍醐味。
3話で、突然劇中劇のように演劇が出てくる。この演劇が何を、隠喩しているかは、一目瞭然。大仁と又青の関係である。
いつも二人の感情の重さはシーソーのように、どちらかが常に重いのだ。
こんなに一緒にいて、誰よりも自然なのに、ただただシーソーのバランスがいつも傾いている。
「恋はタイミング」だが、彼らのタイミングがぴったりと釣り合うことがなかった。
オープニング映像でもシーソーが出てくる。「シーソー」は恋愛のキーワードなのだ。
本当に、恋のタイミングを合わせるのは、「好き」という想いが通じるのは、なんと難しいことなんだろうか。この二人にとって。
劇を観て感動した大仁は又青に逢いたくなる。
無性に。
何かに感動した時に、逢いたいと、体が欲するということは「好き」ってカタチ。
■一緒にいるということ■
(5話)
(7話)
(9話)
又青にとって大仁とは「靴を脱いでくつろげる場所」という存在。
だから、それは好きなんだって!って、思うよね。
又青が靴の会社に勤めているというのも、意味深いよなぁ。色々なライフスタイル(靴)を演出するが、それでも、やっぱりはだしが基本だから、人間って。又青にとっても、大仁は本当に大切な存在なのにね。
彼女がそれに気付くのは、まだまだ先です。
10話でやっと、やっと、やっと、大仁の口から「又青が好きだ」と出ましたね。
やっと自分の本当の気持ちに気付いた大仁。
多分14年付き合って、初めて「好き」と認めたのね。
もう、草食男子にも、ほどがありますよ、大仁!
男女の間の「好き」だけではなくて、家族の「好き」というエピソードも丁寧に描かれていて、本当にいいのよね~
(又青の部屋)
ものすごくカワユイのよね~、インテリアが。アリエルちゃんのファッションの数々ももカワユイ~ 必見!
このドラマ、本当に全ての点で優れています。
1・脚本・・・アラサーの微妙な恋愛心理を描き、もどかしさ120%
2・演出・・・演劇的手法を用いて登場人物の心情を表す手法は絶品!
3・音楽・・・もう、♪我不會喜歡你♪聞いただけでパブロフの犬状態で号泣。他の挿入歌も最高!
4・衣装・舞台・・・垢ぬけた感じで、カワユクて好き~
5・キャスト・・・文句なし!
もう、好きすぎて、先をみるのがもったいない~~
そして、新たな人物、肉食男子の丁立威も9話から登場で、草食男子の大仁、ピ~ンチなのだ!
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