ミスティ


ミスティ Misty 全16話 (2018年 韓国jtbc)

 

■演出:モ・ワンイル
■脚本:ジェイン
■キャスト:
キム・ナムジュ:コ・ヘラン
チ・ジニ:カン・テウク
チョン・ヘジン:ソ・ウンジュ

7年にわたり9時のニュースのアナウンサーの座を守っているNO1アナウンサーのヘラン。持って生まれた美貌と輝く知性まで兼ね備えて、あらゆるものをすべて持ったように完璧に見えるヘランだが、ある日殺人事件の有力容疑者として警察に召還され、成功の頂上に上りつめてやるという執念ひとつで疾走してきた日常に亀裂が走る。彼女の弁護人になった夫。彼ら信じていた愛は、その素顔を見せる激情ミステリーメロドラマ。

 

 


ドラマ視聴をしてから2か月もたってしまって「ミスティ」のドラマの感想はもはや記憶の海の霞の中。
面白く視聴していたのです。
ただ、これは愛が失われていく物語だからつらかった。
悲しいドラマは嫌いではありませんが、愛が失われていく物語はあまりにもほろ苦くて。
あるいは、愛がすれ違い消えていく物語はあまりにも悲しくて。
ミステリー仕立てで、16話かけてゆっくりとヘランとテウクの愛の行きつく先を見守りました。
あの雪の日に、愛と罪が静かに埋もれていったのですね。

 

ドラマで降る雨は官能の象徴だけれども、静かに降り積もる雪は罪や秘密の隠蔽。
何もかも世界から消してしまう。
犯した罪も、かつて愛しあった記憶でさえも。

 

 


愛し方を知らないヘウンは、きっと「置いてきぼりにされた存在」だから。
父親も、母親も、ミョンウも、テウクも。
彼女を置いてきぼりにして、去っていく。
「置いてきぼりにされてきた存在」だから、愛が絡むと彼女はいつも逃げる。
愛され方を知らないから。
だから逃げ去った愛から復讐されるのです。
イ・ジェヨンというかつての男が、ケビン・リーというカタチになった復讐を。
「ミスティ」はミステリーメロドラマですが、ミステリーとしての1番のミスリードは「困難なことにはいつも正面突破をしてきた」と語るヘウンの言葉です。
この物語の登場人物は、誰一人信じてはいけない。

 

 

 


テウクのヘウンへの愛は、ドン・キホーテがドルネシアにささげる愛のようで。

 

苦い、しびれるような味わいのあるドラマでした。
愛はエネルギー。
恋愛は人がするものだけれども、そのエネルギーの力に人はいつしか振り回される。
愛をうまく自分の人生に取り込んで、飼いならそうとするけれども、そのエネルギーの渦に飲み込まれてしまうこともある。
そして、飲み込まれて、霧の中に消えていくのも愛のせいなのだ。

 

★★★


感想+考察

その時々の、私の心の琴線に触れたモノ・・・ 小説や、映画、音楽、ドラマ、ファッションについてだけの簡単な備忘録。 Everything was beautiful and nothing hurt.

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