やさしくなくては、生きている資格はない・・・太陽の末裔 12話まで

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韓国ドラマ「太陽の末裔」12話まで視聴。

 

 

地震、人身売買、ウィルスに拉致誘拐。盛りだくさんの展開。あまりにも盛りだくさんすぎて、ひとつひとつのエピソードがチープに思えて仕方がない。
それぞれの題材は世界が抱える暗鬱なるトピックスであるけれども、「太陽の末裔」にかかれば愛を燃え上がらせるための障害にしか描かれていないのが、なんだかなぁと鼻白んでしまう原因か。
登場人物たちは眉間に皺をよせるだけで深く思い煩うことなく、大問題に対処していく。
突っ込みどころ満載のエピソードの連続。ここでいちいち物語の展開にケチをつけるのは野暮なのでしょうか。
あとないのはテロぐらいか。
愛の吊り橋効果のオンパレード。
物語の展開にイライラしつつそれでも視聴続けるわけはユ・シジン大尉があまりにも、カッコよすぎるため。
ドラマは嫌いなのに大尉を鑑賞するために視聴しているといっても過言ではない。
12話で物語は終わってもいいんじゃないの、なんて思ってしまっています。

あ~でも大尉はもっと、もっと見たいのだけれどもね。
カン・モヨンじゃないけれども私もかなり混乱しています。

 

 

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ユ・シジン大尉が泣きたいくらい、しびれるくらいカッコいいということは散々語っておりますが。
なぜ大尉があそこまでカン・モヨンに惹かれるのか、それも強烈なひとめぼれで。
おそらくそれは大尉が人間の命を奪う軍人だから。
だから人の命を救うカン・モヨンにたまらなく惹かれていくの。
カン・モヨンは大尉がその手を血で汚してでも守りたいものの象徴。

 

モヨンが医師としての志を見失い、そしてウルクで再び医師としての良心を見出す物語でもあります。大尉はモヨンが忘れてしまった医師としての理念を思いださせようとします。
何度も何度も。
彼女に患者の命を救うことが医者であると告げます。
銃を撃つ(人を殺す)のは自分だと、何度も言う。
流血沙汰を引き受けるのは自分だと。モヨンが医師としての良心にそむくことで彼女の心が荒廃していくことから彼女を守ろうとする。
危険から守ろうとする。
彼女の目をふさいでまでも。
「これは忘れて」とささやきながら。
どんな愛の告白よりも、私の心に響く。

 

 

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クールな面差しの中に限りなく繊細で優しい情感を秘めていて。
何があっても決して取り乱さずに、人前で涙はみぜず毅然として。
硬軟双方に強く何でもできて胸のうちにひとつに抑え、行動力も抜群。
人の弱さ、愚かさ、醜さも知りながら、しかし決して人に失望しない誇り高い男。
窮地にはまった自分の姿をどこか他人ごとみたいに眺め、降りかかった厄災を面白がりさえする。
その快活さはしたたかさを包んでおり、行き当たりばったりに見える行動は、実は強靭な集中力の結果。
多くの悲惨と屈折を経てきた者の明るさ、哀しさを、彼から感じる。
組織の歯車であることを知りつつ、己の誇りや理念のためにはためらわずに組織に物申す。
ハードボイルドの物語の特徴です。
ハードボイルド小説には一時期ものすごいハマって、それこそヘミングウェイ、ハメット、チャンドラー、マクドナルドの系譜をたどってロバート・B・パーカー、大藪春彦、北方謙三、志水辰夫と浴びるように読んでいました。
男が男でいられた時代の物語です。
彼らのWay of Life (生きる信条)が時として時代遅れであるにもかかわらず、それを貫き通そうとする男たちの物語。
「太陽の末裔」はチープなロマンスドラマなのだけれども。ユ・シジン大尉のあり方はハードボイルドで私をうっとりさせてくれます。
まさに。
If I wasn’t hard, I wouldn’t be alive. If I couldn’t ever be gentle, I wouldn’t deserve to be alive.

 

 

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大尉は物語序盤からずっとカン・モヨンに「僕を信じて。僕の目を見て」と言い聞かせています。
信じるということは自分の全存在を相手に無条件に預けるということ。
だからたった一人に言う「信じろ」とは「愛してくれ」ということ。
たった一人を「信じる」ということは「愛している」ということ。
大尉の愛は深いなぁと、胸が苦しくなる。
カン・モヨンが無条件に大尉を信じる時がくるのか。
大尉はカン・モヨンがお金儲けと嘯いていた時でさえも彼女を信じていたから。彼女中にある医師としての使命を信じていたから。

 

もう、大尉礼賛の文章ばかりだ(笑)
ソン・ジュンギ君だから大尉が好きなのか、大尉という人間がとにかく好きなのか、やっぱり混乱中。

 

 

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ユ・シジンとカン・モヨンの愛の駆け引きが情報戦とするならば、ソ・デヨンとユン・ミョンジュは肉弾戦。この喩には大爆笑!
言いえて妙です。
階級の差がふたりの愛の障害ですが、かみ合っていないようでかみ合っている彼らのケミストリーは大好きです。

 

 

 

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でも一番大好きなのはソングカップル!
下手な恋愛を無理してエピソードに組み入れなくても、男同士の友情をもっと描いてほしいなぁ。
軍人たちの友情(上下関係)はとても濃密で、そんじょそこらの女子はその間に割って入ることはできないのです。

 

 

その時々の、私の心の琴線に触れたモノ・・・ 小説や、映画、音楽、ドラマ、ファッションについてだけの簡単な備忘録。 Everything was beautiful and nothing hurt.

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