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走れるかどうかの問題じゃねえ、走らなくちゃなんねえのだ・・・あまちゃん134回

a0192209_21155449「あまちゃん」134回。

 

走るべ、たとえ一区間でも一駅分の往復でもいい。誰も乗らなくてもいい。運行を再開することが使命だ。

大吉さんの意地に滂沱の涙。
非日常に遭遇してしまった私たちの希望が、日常を取り戻すこと。
北鉄の運行、ウニ弁当の販売。
ぎりぎりの精神状態で踏みとどまって、意地を見せる。

 

 
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「もう行けない。
怖くて行けない。
アキちゃんが来てよ!」
「ユイちゃん・・・」
「道が無くなってたの。
線路が途中で終わってたの。
ごめん、電池切れそう」

そう言って、ユイちゃんは真っ暗な、暗い、寒い闇の中に消えていってしまう。
ユイちゃんは、なんて、まあパセンティックなヒロインなのだろうか。
彼女の願いはいつも、暗闇の中へと消えていってしまう。
決して抜けられない「トンネル」とは、非常に意味深。
「崖の上のポニョ」など、古今東西「トンネル」は異界への入り口。
異界への「トンネル」とは、「生」と「死」を輪廻する子宮へと通じる産道ってことでしょう。
56回では以下のように考察しています。

アキちゃんだって、もともとは「地味でブスで・・・」だった女の子だったのに、海に潜ることによって本当の自分を見出したのかな。
海底のウニを見つけるように、「本当の自分」を手に入れていく物語でもあるのよね。
海=羊水であり、羊水の中の真実の自分=ウニを手に入れることで、成長していく物語でもあります。
北三陸の海によって、アキちゃんは再び生まれ変わることができたのね。

北三陸の海がアキちゃんにとっての羊水ならば、ユイちゃんにとってはこの「トンネル」が自分を見出すために通らなくてはならない「産道」なのです。
物語が始まってから、ずっとユイちゃんは「トンネル」の向こうの世界を夢見ます。
「トンネル」=産道を抜けれないユイちゃんは、未だに「本当の自分」を見いだせていない。
世界に生まれてきていない。
自分がこの世界にいていいんだ、ユイちゃんの代わりはユイちゃんしかいないんだ、ということがわからない。
成長しないヒロインのアキの周囲が成長する話が「あまちゃん」であるならば、ドラマの帰結は、ユイちゃんが「トンネル」を通り抜ける、ということなのかもと思うのはうがちすぎかしら。
すでにアキの周囲は変化してきているので、残るはユイちゃん。
大吉さんとユイちゃんが二人で「トンネル」の先を見てしまった133回。
まるで大吉さんは、ユイちゃんに謝る様にうなだれていたシーンが印象に残っています。
大吉さんは、だから、ユイちゃんが再び生まれるため=「トンネル」を抜けるために、意地を見せてくれてもいるんだ、と思います。
「走れるかどうかの問題じゃねえ。走らなくちゃなんねえのだ」とは、ユイちゃんに向けた言葉にも思えてきます。

 

 
a0192209_2139391「東北の人間が働けって言ってるんです!」と言われる鈴鹿さん。
なんだかんだと言って、春子と上手くやっているようで。
春子と鈴鹿さん、ユイちゃんとアキちゃん。
合わせ鏡のような存在のヒロインたち。

 

 
■ 身もだえポイント ■
アキちゃんの記憶にいないのは、だ~れだ?(笑)
a0192209_21433132不憫すぎる・・・

その時々の、私の心の琴線に触れたモノ・・・ 小説や、映画、音楽、ドラマ、ファッションについてだけの簡単な備忘録。 Everything was beautiful and nothing hurt.

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