喜びも悲しみも苦しみも知りたいの・・・風中の縁2話まで

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中国ドラマ「風中奇縁(大漠謠)」1話・2話視聴。

この「風中奇縁」は「歩歩驚心」(宮廷女官若曦)の原作者桐華が書いた三部作「大汉情縁」の第一作目「大漠謠」が原作。
三部作の二作目は「云中歌」、三作目は「解忧曲」(まだ出版されてません)。
前漢の武帝の時代の霍去病(かくきょへい)がモデルになっているために、歴史ねつ造ドラマということで中国政府からの横やりが入り、タイトルが「大漠謠」 → 「星月传奇」 → 「風中奇縁」と代わり、登場人物の名前と一部設定を変更してようやく日の目を見たドラマです。
「ブーブー」視聴後の興奮が冷めやらぬまま、次の大陸ドラマはこの「大漠謠」が視聴したい!とこのブログで叫んだのは、2012年の12月9日だよ(笑)
あれから2年待ちましたね。長かった。
ちなみに二作目の「云中歌」(雲中歌)もアンジェラ・ベイビー主演で撮影済みなのですが、放映はいつされるのでしょうかね。

とにかく「ブーブー」に夢中になった私は、原作者の桐華の他の作品が視聴したくて視聴したくて、たまりませんでした。
ロマンチシズムあふれる物語展開なのに、視聴しているとだんだん苦くてたまらなくなる、狂おしくなる。そんなところが少女小説とは一線を画す何かを感じるのです。
プロットは少女漫画的ですけれどもね。
「ブーブー」がタイムスリップならば、「風中奇縁」はオオカミに育てられた少女です。
いきなりインパクトがある展開でしょ。しかも英語で検索しているとこのドラマが「中国版ポカポンタス」って紹介されるんだもの。
主役はリウ・シーシーと、フー・ゴー、エディ・ポン。狼に育てられたヒロインと2人のヒーロー。この設定で胸がときめかない訳ないですよね!
ときめきと人生のほろ苦さ、やるせなさが桐華ドラマでまた味わえるなんて、至福の時です。

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ヒロインは莘月シンユエ(玉瑾)。原作では金玉という名前。少女時代は砂漠でオオカミと共に暮らしていました。
ここらへんのドラマでの描写はいつものごとくツッコミどころ満載(爆)で、大陸ドラマではそういうことにこだわってはいけないことを視聴していてだんだん思いだしてきましたよ。
粗野で、大胆で、むこうみずで、大雑把で、好奇心旺盛でそれでいて他人の気持ちの変化は繊細に気づく。
その育ちのせいか、何ものにも縛られない、魂の輝きがある少女です。
おそらく二人のヒーローは彼女の屈託のなさ、その強さ、明るさに惹かれていくのかな。
「ブーブー」でもルオシーは現代的な思考の持ち主だからこそ、4サマや8べえ、14が彼女に否応なく惹かれていったのと同じような設定。
この時代で稀な存在であるから。他の人とは違うたった一人の人だから。
だからこそ彼らの唯一無二の存在になるのでしょう。
「ポカポンタス」とも称されるくらいなのだから、自然や大地に根差した女性という象徴でしょうね。
莘月の無邪気さ、無作法さ、明るさ強さをチャーミングにリウ・シーシーが演じています。

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九爺(莫循モー・シュン、原作では孟九)物静かな全てを見とおすようなたたずまい。
どうやら資産家の息子らしいです。全てを持ってはいるが、足が不自由な青年。だからこそ莘月の躍動感あふれる生命力に惹かれるのでしょうか。a0192209_23480209
衛無忌ウェイ・ウージー(原作では霍去病) いやん、エディ・ポンが精悍になっている? トキメキそうです。
おそらく九爺との対比で、衛無忌は「動」の人なのでしょうか。
彼も無条件に莘月に惹かれていきます。
霍去病がモデルならば、勇敢、積極果敢な民衆に愛されている武将という設定なのかな?

物語の展開が早すぎでしょとは思うくらい、いさぎいいくらいサクサクとお話は進んでいきます。
第1話から面白いんだよね。

■ 第1話 ■
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砂漠でオオカミと暮らす玉瑾は、新しい服と塩を手に入れるために旅の一行の荷物を盗もうとするがあっさりと九爺に捕まる。
九爺は彼女の生命力にあふれた姿に何か感じるものがあったのでしょうか。
公女のような服と塩を与えます。
ここでね玉瑾の運命はきまったようなものではないかしら。
服と塩をもらうということは、今まで暮らしてきた野生の生活から人間の生活への転換の象徴です。彼女が人間社会でもどってくるきっかけを九爺は与えたのよね。人間としての生き方を決めたと言っても過言ではない。
まさにこの2人にとって運命的な出会いです。
九爺には玉瑾の輝きが魅力的だっただろうし、玉瑾にとって九爺は人間社会への導き手でもあるのです。
まるでインプリンティングされたひよこのように彼女の魂に九爺が刻まれるシーン。

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その後、砂漠で襲われていた衛無忌を玉瑾は助けます。
今まであったことのないような不思議で神秘的な少女。高価な服を着て、それでいて野性味あふれる少女に衛無忌は惹かれる。
名前を問うと「莘月」と答える玉瑾。名前を隠さないといけない理由があるのね。
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九爺、衛無忌と出逢うことにより莘月は人間社会に触れてみたくなる。戻りたくなる。
「喜びも悲しみも苦しみも味わってみたいの」と言って、それまで共に育ってきた狼兄に別れを告げ、建安(長安)へ。
喜怒哀楽が味わいたいということは、人間として生きていきたいということでもある。生きている実感を味わいたいということでもある。
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しかし長安の華やかさに舞い上がった莘月、あっという間に無一文に(笑)
天真爛漫でいいわ~ 食欲旺盛なヒロインというのは最近の史劇のお約束なのでしょうか?
先日まで視聴していた「帝王の娘スベクヒャン」も鶏肉に執着するヒロインですが、莘月もまた食欲旺盛。
彼女の明るさ、天衣無縫さを見ていると、「ブーブー」のルオシーを思い出します。
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あっという間にホームレス生活に(爆)
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しかしその美貌に目をつけられて、かどわかされます。
ここまでが1話。ほら、すごい早い展開でしょう、びっくりです(笑)

■ 第2話 ■
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かどわかされた歌舞坊(歌や踊りを提供する場所。芸事が身につかなければ身を売ることになるような場所かな?)、あっという間に才覚を表す莘月。彼女はどこにいてものびのびと自然体で、その状況を楽しむことができる強靭な精神と楽天的な性格を持っているのね。
砂漠で彼女に与えた衣類がホームレスによって売られたことを知った九爺が長安をくまなく探して、莘月を見つけ出す。
再会を喜ぶ二人。
「友としてこの屋敷に滞在するといい」と、九爺は莘月にどこまでも優しいなぁ。
九爺が自ら莘月にお茶を入れてあげるのだけれども、九爺曰く「誰にも入れてあげたことはない」とのこと。
お茶のシーンって、もしかして何気ないように見えるけれども実は重要な意味が隠されているのかもしれません。
私の心をこめてあなたのためにお茶を入れようということでしょ。
莘月は九爺の心を飲んでいるということですもの。
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一方、砂漠で出逢った莘月が建安にいつか来るかもしれないと思い、毎日彼女の消息を尋ね歩く衛無忌。
いやん、もうここら辺から切なさモードのニュアンスを感じるのですけれども。
衛無忌と莘月はすれ違いの運命なのかも。
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懸命に莘月を探す衛無忌の姿を見て莘月はそっとすだれを下ろして彼に会おうとしない。彼を頼って建安に出てきたはずなのに。
ここも印象的なシーンだよね。
九爺の心を飲みほした莘月には、もう衛無忌を受け入れる余地がないことの象徴みたいに私には思えます。
衛無忌は王族だから自分とは関わることはできないと莘月は言いながらすだれを下ろす。
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莘月の帰りを待っている九爺の姿を見て、莘月は砂漠でオオカミに育てられていた自分を捕え教育を施してくれた養父を思い出す。
ああ、やっぱりインプリンティングでしょう。父に似ているなんて、莘月の心は2話ですでに九爺なのか。

しかし「歩歩驚心」でも、恋愛のビターな面をあますところなく描いた桐華なので、「風中奇縁」だって一筋縄ではいかないと思います。
基本プロットは莘月、九爺、衛無忌の三角関係。これからどう展開していくのでしょうか。

Commented by pareana-ane at 2015-01-06 13:26 x
yucaさ~~~ん!さすがです!
もう視聴されましたか~~「大漠謠」!あ、「風中奇縁」に題名が変わったのね。すごいすごい(大拍手)
今までみたことがないポンちゃんとフーゴーさんの表情に驚き、ワクワクが止まりません。
シーシーちゃんは可愛いですねぇ♪

「ヒーラー」しかり「風中奇縁」しかり、yucaさんは私たちのブログ視聴の水先案内人のようです。
溺れないように、しっかりついてまいります~~。
Commented by moonlight-yuca at 2015-01-06 17:42 x
♪パレアナ姉さん、コメントありがとう~♪

わ~い、風邪が治ったのね。(インフル?)
よかった、よかった!心配しておりました。

「風中奇縁」面白いですよ。
しかし衣装は「ブーブー」のときのほうがカワユイと思います。
機会があれば、ぜひ。
エディ君がちょっとすねた愛に飢えた公子役で、胸がキュンとなります。

>私たちのブログ視聴の水先案内人
いえいえ、ひろ~く、あさ~くなので姉さんたちの情熱にはなかなかいたりません・・・
姉さんみたいに深く深く作品に向き合えればいいのだけれども、ね。

その時々の、私の心の琴線に触れたモノ・・・ 小説や、映画、音楽、ドラマ、ファッションについてだけの簡単な備忘録。 Everything was beautiful and nothing hurt.

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