忘れないで・・・100日の朗君様12話まで


韓国ドラマ「100日の朗君様」12話まで視聴。

 

ウリ ウォンドゥギが不憫で、不憫で。

記憶喪失の世子さまが庶民としての生活の悪戦苦闘ぶりで笑わす前半、愛を見つけその愛と共に生きていこうとする中盤、そして後半は身分を取り戻し愛を忘れなくてはいけないシチュエーションで視聴者の涙をそそる。
定型通りのストーリー展開ですが、斜に構えることなくウォンドゥギの胸の苦しさが私の切なさと共鳴して、たまらなくなる。
ようやく笑うようになってきたのに。
自分の生きる場所を見つけたのに。
愛する人を見つけたのに。

そのすべてを忘れなくてはいけないなんて、記憶を失ってしまうことよりも、もしかして辛いこと。
手に入れた瞬間にあっという間に、手からこぼれ落ちる幸せに、なすすべもなく立ちすくむウォンドゥク。

 

 

 


どうしてウォンドゥギが私にとって best of the best 世子サマなのか。ずっと考えていた。
不憫な男が好きなのです。
何でも持っているのに、本当に自分が大切だと思っている世界でたったひとりの女の横に立てない男が好きなのです。
色々なものにがんじがらめになり、押しつぶされそうになりながら、それでも前を見つめ、膝を屈せず、歩いていこうとする男が好きなのです。
不憫だなぁと思ったら、それはもう惚れたってこと。
父親の野望のもと母親は見殺しにされ、初恋の少女は行方不明になり、世子としての在り方を周囲に問われ続け、全てが「不快」でしかない宮中生活。
ソンジュ村で記憶喪失のウォンドゥクとして生きることになり、相変わらず彼にとって世界は「不快」であったはずなのに、その「不快」の質がいつの間にか変わってきた。
宮中では自分を取り巻く環境、人間関係が「不快」であったのに、ソンジュ村では生活環境が「不快」であったわけで(笑)
生活環境は自分の努力で改善できますものね。
ホンシムにどつかれながら、絹の服を買い、桐のタンスを買い、豪奢な布団を買い、生活環境を改善する。
いつしかホンシムという女に認めてほしくなり、愛する女が住む村の人々の優しさ(おせっかい)に触れ、ウォンドゥク自身も緩やかに変化していく。
ホンシムに認めてほしいから、ホンシムに愛されたいに変わり、失った記憶の隙間からよみがえる過去の自分は冷え冷えとしており。
だからホンシムのそばで生きていこう、ウォンドゥクとして生きていこうと決意する。
それなのに・・・
100日が過ぎてしまい、イ・ユルにかかっていた魔法の瞬間は終わってしまった。

 

 

 


自分のモノにこだわるウォンドゥク。笑っちゃいます~!
生き生きとしていたよね。
相変わらず無表情で、上から目線でモノを言うけれども、彼の素直な感情がダダ漏れで何ともかわいい。
笑わない世子さまが、いつ笑うか。
正直に書きますと、この物語の展開は非常に陳腐で目新しいものはないのです。
世子と貧乏な家の娘(出自は高貴だけれども)のシンデレラストーリー。
しかし12話まで飽きさせることなく、しかも笑ったり、胸を痛めたりしながら視聴できる理由はただひとつ、ウォンドゥクの笑顔が見たいという1点につきます。

 

 


笑っていたのになぁ。宮中に戻った途端、もとの無表情に戻る。いやとても不安な苛立ちをたたえている無表情に変わる。
かつての自分がそこで生きてきたのは確かだけれども、今は自分でないような生き方を強いられる苛立ち。
「雲が描いた月明り」の時もそうでしたが、世子さまを苦しめるのは愚かな王の存在なのよね。
彼らが愚かなのは、常に二者間でしか世界を把握しないから。
ユルの父もそう。左議政 と自分、中殿パク氏と自分、ユルと自分。
常に相手との駆け引きで物事を判断し、王と相手の関係は取り引きで、褒美と罰しか関係性で生じない。そしていつもその選択は間違える。
なぜならば第三者視点が欠けているから。世界は二人だけでは成り立たない。
そのことがわからない王。だからいつも彼は相手との力関係だけで物事を判断してしまう。誤った選択によりますます追いつめられる。
イ・ユルもかつてはそういう世子になりかけていた。
しかしソンジュ村での経験が、村の人々の生き生きとした生活が、民衆という第三者の視点を実感として体感できたことは大きい。
ホンシムの父や、グドルやクンニョや、高利貸しやおかみや子供たち。そこで生きている人たち。
それが民衆なのだと。
だからイ・ユル、忘れないで。ウォンドゥクとして生きた100日のことを。
世界は美しいって忘れないで。
世界は美しいって信じて。
もう一度、笑顔を見せてちょうだい。

 

 


世界に祝福されているふたりは、笑顔が似合っている。
ウォンドゥクとホンシムが世界に祝福されている描写は、いたるところで描かれていますよね。
花が咲き乱れ、麦の穂がたわわに実り、雨が降り、花火が上がる。

 

 

あなたを取り巻く世界は、こんなにも美しいのだから。
嘘や偽りに満ちた人々を捨て、本当の自分を取り戻してほしい。
あなたが、あなたらしく生きている世界を。

 

 

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