それが僕の世界なので・・・キム課長12話まで


韓国ドラマ「キム課長」(DATV版)12話まで視聴。

 

 

キム課長のトリックスターぶりが愉快、痛快、爽快なこのドラマ。
キム課長を媒介として様々な人の素顔が描き出されるのが面白い。
キム課長自身も自分の素顔と向き合わなくてはならなくて。
9~12話にかけて自分のふがいなさを知り、それでも支えてくれる人たちのありがたさを知り、失いたくないものを知り、自分を受け入れることを知ったキム課長。
あまりキム課長が苦しむ姿は見ていたくなくて、ゴーカイにどすどすと理不尽な社会を闊歩して、その虚飾をはぎ落すエピソードで胸がすっとする。
「キム課長」がヒットしたのも、きっと韓国の理不尽な社会への反駁なのでしょうね。

 

キム・ソンニョンに関わることによって、ソ・ユルの色々な表情が見えてくるのがたまらなく面白い。
ユン代理がユルに問う。
「どうして苦しい道を歩むのか。敵を作って争うのが当然だと思うのか」と。
「それが僕の世界なので」とユルは淡々と答える。
ユルの生きる世界と自分の生きる世界が違うのかと重ねてユン代理がユルに問いかけるシーンが好きです。

生きている空間が同じでも、生き方が同じというわけではありません。
こういう気持ちは知らないでしょう、
他人より一歩、一歩だけでも前に出よう。
でもそれが二歩、十歩になると結局見渡してみると世界には僕一人しかいない気分。
気づくともう止まれなくなっているんです。
これからもユン代理が嫌うようなことを僕はするでしょう。
その時はもう止まることができないんだ、そう思ってください。

人よりちょっと先を目指しただけなのに、振り返ると彼の世界には誰もいないという荒涼感に私は打ちのめされる。
ユルの世界はなんて寂しいんでしょうね。
決して悪人ではないのです、ソ・ユルは。
誰もいない世界の中で、彼がやらねばならないことを淡々とやっているだけで。
闇に沈んでいきそうなユル。

 

 




キム課長だけが彼のいる世界にどすどすと強引に入っていって無理やりユルを引き出すことができるのです。
持ち前の図々しさでユルを振り回す。
もしかしたらキム課長とユルの歩みは同じスピードなのかもしれないね。
ユルの世界にはキム・ソンニョンがいることに私はほっとする。
ユルが独りではないから。

 

もっとユルのいろいろな顔をキム課長によって引き出してほしいです。
キム課長のTQグループにいる理由もユルへの復讐(笑)という共依存な2人の関係がぞくぞくします。
そうそう、ユルが他人を脅すときにいつもモノを食べているという行動も、実はユルの単純明快な一面を表しているようで面白い。
相手を食ってかかるという。
分かりやすい、ちょっとひねくれた、ちょっと理不尽な世界に幻滅している、寂しがり屋のユルが好きだなぁ。

 

 

 


バカボンことモンソクもいつの間にか経理課グループにいるし(爆)
皆それぞれの生活がありながら、理不尽な会社にある時は唯々諾々、ある時は昂然と立ち向かい。
そのさまがなんともヒューマニスティックでいいなぁ。
人間のちょっとずるい部分や、それでいて素敵な部分などを見せてくれます。

 

 

 


なんのためにTQに捜査官として潜入しているのかもはやわからないホン・ガウン最高!
ユルの部屋に盗聴器をしかけたりといい、犯罪ですからそれは(爆)
頭を空っぽにして視聴できる「キム課長」
いいよね、たまにはこんな痛快爽快なドラマも。
しかしTQグループ。
社員の大量解雇に、そして給与未払いってどんだけブラックな会社なんだ。
それが一番このドラマの謎です。


考察+感想

その時々の、私の心の琴線に触れたモノ・・・ 小説や、映画、音楽、ドラマ、ファッションについてだけの簡単な備忘録。 Everything was beautiful and nothing hurt.

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  • コメント ( 6 )

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  1. touko

    現在、BS11で放送され、毎週、週末楽しみにしているドラマです。
    今まで、こんなに笑ったドラマはありません。キム課長が大活躍するときの
    お約束の音楽もおもしろいです。
    いつも、Nothing Hurtさんのドラマの解説、深くて、すばらしいです。

  2. 匿名

    謹啓 ご無沙汰致しております。覚えておられますでしょうか?
    わたくし、あなた様のFANだと名乗っておきながら、
    トンとついて行けていない・不肖のFANで、ございます。

    遠い昔には、なんちゃらネーム・何とか・・のお部屋に、
    お邪魔したかと記憶しておりますが。
    あいにく、そのお部屋にたどり着けない非礼も、重ねてお詫びいたします。

    ※此処からは、激しく言い訳です。昨年末より、わたくしの住居環境に伴い。
    納税方法は変わらない(相変わらず、其処に拘る)のに、なぜかPCから失われたマウス。
    そして、BS放が入らない住居(平成があと少しなのに、何故だ?)
    そして、タッチパッドという新たな強敵が、立ちはだかりまして。

    画面の矢印キーが、思うように作動してくれません。

    やった!!ユカさんのご視聴とかぶったわ!!と思ったのもつかの間、そのお部屋は何処へ・・
    という、情けない近況でした。

    と、長々と言い訳してしましましたが。

    マルオッパガ、こジャレた茶髪になったのね!とルンルンと眺めていたこのドラマ。

    仰る通り、ウキウキ、わくわくと楽しいですよね。
    老齢のわたくしでも、ついていけます。
    が、しかし。PC環境やらが変われども。やはり、私はやっちまいました・・。

    こなのお部屋の、キャプ1枚目の、僕ちゃん。
    仮面ってドラマの無表情な色気や、友達のお母さんを殺しちゃう映画の時よりも。
    ずいぶんと、みずみずしい演技ができるようになったのね。。。素敵と、思いきや。

    それは、チェジフンという、もっと有名な俳優さんだった・・・そうです。
    BSであろうと、CSであろうと、わたくしの脳内環境は電電公社なのだと思います。

    今後とも、よろしくお願い申し上げます。フギョギョ。
    (なぜか、朝ドラだけは受信料とともに、スルスル引き落とし継続中、さすがだわNHK)

  3. 再三、失礼いたします。先ほどの、FANです。
    先の送信の文面にも、大量の誤字脱字がありました。
    お見苦しいコメント送信を、お許しくださいませ。

    恐らく、不明な名無しのコメントと、
    先ほどの送信の間にもたくさんの、重複コメントが届いてしまって居るかと存じます。

    本当に申し訳ございませんでした。
    多分、送信の際の・コメントを書くの文 あでゅゆ字入力に至る、以前に。
    何度か、下書き段階で、送信してしまっているような、気配がしております。

    ほんとに、ごめんなさい。

    いつの日か、懐かしいWORDを復活させて、まともな下書きを経たコメントをお届けいたします。
    その日まで、切にご寛容くださいませ。アデュー。。。、。

  4. yuca

    toukoさま

    コメントありがとうございます。
    キム課長、面白かったですね~
    こういう時勢だからこそ、くすっと笑えるドラマは貴重だと思います。

    お返事があまりにも遅くなったので
    もう遊びに来てくださってないかもしれないけれども。
    本当にコメントありがとうございます。

  5. yuca

    FANさん、コメントありがとう~

    いつもいつもグタグタな私を見捨てないでくださって。ありがとう。
    どうやら時間泥棒が何処かにいるみたいで。
    ちょっとブログ書こうかなぁと思ったら、以前書いたのが3ヶ月前という冷や汗ものです。

    >なんちゃらネーム・何とか・・のお部屋
    はて。どこでしょうか。
    私ですらすっかり忘れている~

    何しろ久しぶりにブログにログインしようとして
    パスワードをすっかり忘れているというテイタラク。
    ドラマなど見てもいないわぁ。

  6. yuca

    FANさん、どもども~

    ようやくこのブログもssl化しようとして、コードを触っているうちにブラックアウトさせてしまいました。
    あわてて、バックアップを使い再復活したのが昨日です。

    コメントいただけるような、記事を書かなくちゃいけないね。