釜焼きピザには四季がある・・・ゴハン行こうよ 6話まで

■ 釜焼きピザ(5話)
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■ ブテチゲ(5話)
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■ 餃子(6話)
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■ 豆腐ポッサム(6話)
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韓国ドラマ「ゴハン行こうよ」6話まで視聴。

 

 

今回も笑った、笑った。
ク・デヨン(ユン・ドゥジュン)のピザに関する薀蓄が、もはや詩の世界です。

釜焼きピザには四季がある。
香ばしい緑のバジルは大地の春を感じさせ、
真っ赤なトマトは夏の太陽だ。
チーズは豊饒の秋を象徴し、
漂う牧野香りは冬を伝えてくれる。

彼の薀蓄を聞いていると、料理って森羅万象、生と死と愛と欲望と、この世の中のありとあらゆるものが閉じ込められた世界のすべてだと思えてくるから、あら、不思議。

ク・デヨンの薀蓄ぶりが伝染したのか、イ・スギョン(イ・スギョン)もユン・ジニ(ユン・ソヒ)も、薀蓄を語りだすのがまた、面白い。

 

 
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ゴハンに対する各人の薀蓄ぶりは抱腹絶倒ですが、物語はなんともほろ苦い展開になってきています。

スギョンがあまりにも怪しすぎる隣人ク・デヨンを警察に通報してしまう。
警察に拘束されたク・デヨンは・・・という展開。
まあ、確かにク・デヨンは怪しさ満載なキャラクターではありますが、食事を共にするようになった仲間を警察にたれこむのか?
スギョンには「同じ釜の飯を食う」なんてことわざは通用しないのか。
彼女の猜疑心の強さ、片意地を張った意固地な性格、誤ることのできない強情さにかわいげのないヒロインに見えてきます。

しかし、ここでふとスギョンの暮らしぶりに思いをはせるのです。
3年前に離婚して以来、女独りで独立をして生きていこうとするスギョン。
ボーナスがキム弁護士のイケズからブテチゲになってしまう、絶望感(笑)
そりゃあ、片意地な女性になるのもわからないではないですよね。

若かりしころは「新村のチョ・ジヒョン」ともてはやされたスギョンは結婚、そして離婚を経ているのです。
3年間の結婚生活で何があったのかは謎ですが、離婚したころには心身ともに磨り減っていたのでしょう。
結婚とは違い離婚ってすがすがしさの中に、ある種の喪失感、失望感、挫折感をも共に味わうものですもの。
独りになって自由になったのはいいけれども、どこまで行っても独りだという未来に対する恐怖、誰も信じることができない(離婚って相手を信じることができなくなるってことですものね)恐怖感に日々さらされるのです。
スギョンは周囲に対して、壁を作り、疑心暗鬼になってしまう。
そんな傷ついた心をひた隠し、日々を懸命に生きているんだなぁ、と思うとなんだかけなげなヒロインに見えてきました。

食べることとは、自分のさまざまな感情を飲み込むことでもあると思っています。
悲しさや、悔しさ、腹立たしさ、不安、すべてを飲み込んで、最後に残る感情は満腹感による幸福感。
そういう幸福感を共有する仲間ができたということで、スギョンの心は癒されていくに違いありません。

 

 

 

 

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イケズなキム弁護士。
「いとしのソヨン」でも、非常に癖のある医師を演じてくれたシム・ヒョンタク。
こういう飄々とした役をやらせると、うまいなぁ。
冴えない学生時代の自分に気づきもしなかったスギョンに復讐するために、あの手この手のイケズな嫌がらせを繰り広げるのですが、その奥に、いまだに彼女への思慕がくすぶっているのがいいんだよなぁ。
小学生の男の子が、好きな女の子に素直になれなくて、いじめてしまう。
そのまんまなキム弁護士です。
いつ彼が素直に、スギョンへの自分の愛に気づくのかしら。

キム弁護士が食事をしているスギョンにセンシャルな感情を抱くのも、脚本がうまいなぁ。
食欲と愛欲は、三大欲望の中でも非常に似通った欲望ですものね。
モノを自分のお腹の中に入れる欲望と、愛を自分の体で受け止める欲望。
いずれも自分独りでは達成できない欲望なんです。
やっぱり料理の中には森羅万象、生と死と愛と欲望と、この世の中のありとあらゆるものが閉じ込められていることに、このドラマを観て気付きました。
あんなに素直においしそうに豪快にゴハンを食べるスギョンの無意識の色気に、キム弁護士が陥落する日は近いに違いない。

 

 

その時々の、私の心の琴線に触れたモノ・・・ 小説や、映画、音楽、ドラマ、ファッションについてだけの簡単な備忘録。 Everything was beautiful and nothing hurt.

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