希う・・・鬼<トッケビ> 8話まで


韓国ドラマ「鬼<トッケビ>」8話まで視聴。

 
いよいよこの世界の成り立ちが明らかになってくる8話まで。
キム・シンは胸に突き刺さる剣を抜くことなくウンタクと80年ほど共に生きていくことを夢見るのだが、そうは簡単にいかないことが明らかになる。
世界におけるウンタクの存在意義は、剣を抜く鬼の花嫁であるということ。
剣を抜かないのならば、ウンタクが生きている意味がない。
彼女の首のあざが薄くなってきているのは、彼女の存在意義がなくなってきていることの現れ。

 

 

 


突然、映画「ファイナル・デスティネーション」の様相を呈してくる。
逃れられない死の運命に次々とさらされていくのか。
もともと生まれてくるはずのなかったウンタクは、この世界での存在意義がなければ死ぬしかない。
世界の理のすべてが、異分子である彼女を死に至らしめようとする。
なんてアイロニー。
キム・シンが生まれて初めて願うのは、ウンタクと共にいることなのに。
キム・シンが剣を抜かないかぎり、彼女は死んでしまう。
剣を抜いてしまえば、キム・シンは死んでしまう。
非常にシンプルな法則の二者択一。
キム・シンはどれだけウンタクを死の咢から守ることができるのだろうか。
守り切ることができるのだろうか。

 

 


死神とサニーの過去もおぼろげにわかってくる。
死神は過去に大罪を犯し、罪を償うために記憶を失い死神として世界の秩序を維持する駒のひとつとして機能し続ける存在。
死神が過去にどんな罪を犯したのか。
サニーがキム・シンの妹ならば、死神は王だったのか。
優れた豪傑であったキム・シンの存在を許すことができなかった王だったのか。
キム・シンの忠誠を信じることができずに、彼を死へと追いやった王だったのか。

 

 

 


赤いマフラーを巻くウンタク。
なんだかね、ウンタクを見るだけで泣けてくる私がいる。
母親を失った彼女がやっと見つけた「愛」
ウンタクを受け入れ、見守り、愛してくれる存在。
キム・シンが彼女に赤いマフラーを巻いた瞬間から、彼女はキム・シンに救われたのだろうなぁ。
トッケビがウンタクの存在に救われているように。
でも、なんていうアイロニー。
彼らは共に生きてはいけないなんて。

 

 


ちなみに二人が見ていた映画はコン・ユ主演の「釜山行き」
邦題が「新感染 ファイナル・エクスプレス」で、失笑しましたが、「釜山行き」といい「「鬼<トッケビ>」といいいつも選択を迫られるのよね。
自分の命か、大切な人の命か。

 

 


思いがけないところで自分の琴線に触れるドラマに出会う。これだからドラマ視聴はやめられない。
何度も何度も裏切られる。
そのたびに血を流して傷つく。
大切なものを幾つも失って後悔でどうにかなりそうになる。
それでも。
それでも、立ち止まらずに歩み続けるキム・シン。
彼がたったひとつ望んだのはウンタクの笑顔で。
彼はこれからさらに闘い続けるのだろう、運命に。
天に赦しを希うキム・シンの気持ちに共鳴していく私がいる。

 

神様、とつぶやいてみる。
神様。
孤独な孤独なキム・シンの幸福が、彼の元から去らないように、と。
彼は、本当に、何ひとつ今までの人生で望んだことは叶わなくて、全てを失って、そんな彼が望んでいるささやかな「幸福」を奪わないで、と。
泣けて、泣けて、仕方がないなぁ。
このドラマが胸に染み入るのは、美しいから。
ただ互いを想う気持ちが美しいから。

 

 

その時々の、私の心の琴線に触れたモノ・・・ 小説や、映画、音楽、ドラマ、ファッションについてだけの簡単な備忘録。 Everything was beautiful and nothing hurt.

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  • コメント ( 4 )

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  1. ぴょんこ

    yucaさま
    あけましておめでとうございます。^^

    いつも楽しく読ませていただいております。
    なのに、足跡も残さず、すみませんです。

    視聴済みのドラマの記事は
    読み解いてくださるyucaさんの言葉に
    なるほどぉ〜そぉか〜と感心しつつ・・
    未視聴のドラマの記事は
    まるで小説を読んでいるかのように
    その世界観に酔いしれながら・・

    私にとって、こちらは学びのお部屋でもありまする。
    いつも、頭と心をフル活動&集中させて読んでます。
    あらっ、
    読解力が乏しいってことが露呈してしまった。笑

    希う・・
    この記事を読みながら
    なぜかジワジワうるうると込み上げるものが・・
    ドラマも見ていないのに。
    yucaさまはやっぱり素晴らしい。^^
    今年も訪問をやめられそうにありません。
    って、やめる気もありませんでしたが。
    こんな私ですが
    今年もどうぞよろしくお願い致します。ぺこり。

    余談ですが・・「富士ファミリー」
    あちこちにメッセージがあって
    お正月早々、とっても癒されました。
    笑子バアさん、よいわ〜。

    嫌な自分を捨てたくなったら
    「おはぎちょうだい」と繰り返し唱えてみませうか。
    自己暗示で変われるかもしれない?
    っていうか!
    富士ファミリーの大きなおはぎ、食べた〜い。^^

  2. rei

    yucaさん!
    8話してようやくこのドラマの全体像が見えて来ましたねぇ。
    時々、思いっきり魂鷲掴みにされるような、苦しいような、甘いような部分と、
    ちょっと、遊離したようにおどけたコメデイ部分が、私の中ではどうにもヘンテコな印象が
    あったのですが、やっと慣れて来ました(笑)。
    種になる部分が、あまりにも切ないので、余計にそう感じたんですよね。

    もう、このドラマが深く入り込んでいます。ost聞くたび涙が、、、。
    2017年、始まったばかりで、またこういうのに出会っちゃう喜び。幸せ。
    韓ドラ見続けて来て、ほんとよかった、と思う今日この頃です♪

  3. yuca

    ぴょんこさま、おめでとうございます!

    >足跡も残さず、すみませんです。

    いえいえ、こちらこそ放置プレイのブログに来てくださるだけでもありがたやです。
    過分にいつもほめてくださいますが、テキトーですから(笑)
    自分でも読み返して、何が言いたいのかわからないと思います。語彙力がなくて・・・(苦笑)
    毎回勢いだけで書いておりますよ。

    >「富士ファミリー」
    お正月のとっておきの贅沢ですね。毎年あればいいのいなぁ。
    笑子ばあさんが、たまらなくいいですよね。
    ちゃんと乙女だし!
    今年は何より「再生」がテーマでした。
    生きていればいろいろあるし、忘れてしまうし、時が過ぎてしまうけれども、私たちはいつだってその気になればリスタートできるんだ。
    色々なものを引きずりながら、それでも未来へと歩いて行けるんだ。
    そんなことを教えてもらいました。
    昨年は、「あなたはそこにいてほしい」というテーマだったしね。

    このブログも「おはぎちょうだい」で頑張っていきます。ぼちぼちと。

    今年もよろしくお願いします。

  4. yuca

    reiさん、コメントありがとうございます!

    教えていただいた通り8話で世界の成り立ちは分かってきましたね。まだまだ反転はあるでしょうけれども。

    >時々、思いっきり魂鷲掴みにされるような、苦しいような、甘いような部分と、
    ちょっと、遊離したようにおどけたコメデイ部分が
    わかるような気がします。あととってつけたような間接広告(笑)
    この部分が非常に物語の流れを悪くしているのよね。

    でもそれを上回るような、美しさがこのドラマにはある気がします。
    うまく言葉にできないけれども。

    >韓ドラ見続けて来て、ほんとよかった、と思う今日この頃です♪
    本当です。こういう出会いがあるからドラマはやめられないのよね。