明日・・・鬼<トッケビ> 6話まで


韓国ドラマ「鬼<トッケビ>」6話まで視聴。

 

 

久しぶりにキム・ウンスクが帰ってきた!
メロとコメディのハイブリッド、抒情性と意表をつく展開のミクスチャー。
そう叫びながら視聴しています、「鬼<トッケビ>」
画面から漂うポエティックにうっとりするのは「シークレット・ガーデン」以来だわ。
このドラマが好きな理由のひとつに、画面のいたるところに本があふれているということが挙げられると思います。そう、私はビブリオフィリアなので。
まるで呼吸をするように、自然に、日常的に本が乱雑に置かれている情景がいい。
「紳士の品格」も「相続者たち」も、「太陽の末裔」もキム・ウンスクにしては可もなく不可もなくだなぁと思っていたのですが、「鬼」は「シガ」以来のファンタジーですね。
何よりもコン・ユの本を読んでいる姿が、自然でうっとりします。本を読む演技というのは実は難しくって、読み慣れていない俳優がやると興ざめる。

 

 


ウンタクが自分の罰から解き放してくれる唯一の鬼の花嫁だと知ったキム・シンは彼女と共に暮らすことを選びます。
1000年(正確には939年)もの呪いから解き放たれることを願ったのに、ウンタクの笑顔を見ているともっと生きたいと願う。
この相反する自分の強い感情に揺れ動くキム・シン。
ウンタクを演じるキム・ゴウン。
かつて「ウンギョ 青い蜜 」というデビュー作で彼女に度肝を抜かれたのですが、「チーズ・イン・ザ・トラップ」といい「鬼」といい、いい作品ばかりに出演するなあ。
決して今の整形モダニズムの韓国ではやりの顔ではないのだろうけれども、そのオリエンタリズムな雰囲気、はにかむような笑顔、傷つくいたような横顔、表情のひとつひとつが瑞々しくっていい。
「鬼」は「あしながおじさん」の変形のような物語ですが、あしながおじさんに出会った少女の感謝と敬愛と親愛と、この世で母親以外で初めて自分を気にかけてくれる人に出会った生きていくことの喜びが素直にこちらに伝わってくる。
キム・シンじゃないけれども、彼女の一喜一憂を明日もまた見たいと願う。
そんなヒロイン。
愛していないのに義務感でウンタクを引き取ると言う鬼に対して傷つけられ、それでも彼の本名を教えてもらいほんのりと笑う。
この時の表情に、胸が衝かれます。いたるところにメロウな予感が満ち溢れていて、だからこそ「鬼<トッケビ>」というドラマを愛しています。

 

 

 


空っぽな冷蔵庫に、自分ができることをすべて入れてあげる、そんな女の子ウンタク。
彼女のキャラクターがいいのよね。「あしながおじさん」も根底にあるかもしれないけれども、「キャンディ・キャンディ」かも。

 

 

 

 

色々なものを持っていない死神ことキム・ウビン(爆)
イ・ドンウク君の役名にキム・ウビンを持ってくるなんて、チャレンジャーすぎて爆笑しました。
サニーと知り合って死神は自分が何も持っていないことに気づく。
スマートフォンも、名前も。
誰かと知り合うことで、自分を客観的に見つめなおすのは恋です。その人と釣り合いたくて、その人に寄り添っていたくて。
キム・シンのウンタクへの想いも切ないけれども、死神のサニーへの想いも切ない。
彼がサニーの名前を呼ばないのは死神だから?
死神に名前を呼ばれると、それは死への誘いだから?

 


死神と鬼の距離感も好きです。
世界に何も期待しなかった彼らが、運命の女に出会うことで彼ら自身が変わっていく。
変わっていく自分たちに混乱し、戸惑う彼らにとって互いの存在は救いでもあります。
つかずはなれずの距離感がいい。互いの痛みを理解しながらも、あえて知らない顔して横にいるそんな距離感。
しかし、死神くん。早くスマホの使い方をマスターしてください。
遺言をあなたに残そうとした鬼が不憫すぎます。
思わず涙が出そうだったのに、死神はスマホの使い方がわからずに全然聞いていないという(爆)

 

 

 


ユ・ドクファもいいキャラだわ~
アンディ・ラウにちなんで名づけられたという。
代々キム・シンに従ってきたユ家の末裔なのだけれども、初代があんなに忠義を尽くしてきたのにドクファはキム・シンに傍若無人なのもいい。
挙句の果てにキム・シンの家を死神に売却してしまうし。
時代の移り変わりを感じます(笑)
密かにユ家の秘書もいい味出しているのよね。

 

 


ハルモニも謎。
「鬼<トッケビ>」はいたるところに伏線が敷き詰められていて、続きが気になる構成になっています。
偶然ですが同時期に放映中の「青い海の伝説」とオーバーラップする構成。

  • 男3人が住む家(ドクファ君は厳密には入り浸っているだけだけれども)に女が入ってくる
  • 人間と人間ではないモノの恋愛
  • 過去からの因縁 転生もあるのかな
  • 恋が成就しなければ心臓が止まる、あるいは恋を成就しなければ心臓に突き刺さった剣は抜けない

 

 


ウンタクへのあふれる想いを自覚したキム・シンだけれども、10年後の彼女を未來視してそこに自分がいないことに鈍い衝撃を受ける。
剣を抜いてもらい消滅することを望んでいたはずなのに、彼女の未来に自分がいたかったのだという願いも知る。
それでいて彼女の笑顔を守るためには、彼は消滅して記憶から消え去るこどしかないのだと決意する。
剣を抜いてもらうことに決意するのに、ウンタクは彼の悲しみに共鳴するのに、斜め45度上を行く発想でなかなか剣を抜いてくれない。
キム・シン、不憫。色々な意味でね。
この世界から解き放たれることを望んでいるのに、ウンタクの笑顔が見たくて「明日」と言い続けるキム・シンが不憫。
ところが剣は抜けず。
鬼の花嫁であることプラス、条件があるのでしょうね。心から相手を愛することとか。
まだ条件はそろっていないというところで、続く。
もうね、切なさモードが立ち込めてきています。
「シークレット・ガーデン」の17話ラストのような切なさの予感。

 

 

その時々の、私の心の琴線に触れたモノ・・・ 小説や、映画、音楽、ドラマ、ファッションについてだけの簡単な備忘録。 Everything was beautiful and nothing hurt.

関連記事

  • コメント ( 2 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. choco

    yucaさん、こんにちは
    ノリノリのレビュー~~おねだりの甲斐がありましたw

    今までコンユを沢山見てきたわけでなく、ましてや最近の映画での活躍も
    見ていないのです・・・(ドラマ4本位しか見てないのです) 
    が、今までになく(w) トッケビの”ウンタクを見つめる姿” ”ウンタクに傘をさす姿” ”本を開きつつウンタクを思う姿”が
    ・・・・・美しい。
    今回のトッケビは 強く、優しく、哀しく、滑稽で・・・美しい。
    行ったり来たり~悩んでいるトッケビを いつまでもみていたい気分です。
    今の年齢のコンユが この役にぴったり。

    キムゴウン お初の女優さんで 最初は少し物足りない気がしていたのですが
    見れば見るほどこの役には彼女ですね。
    少し華やかさに欠けるお顔かと思いきや ウンタクの強さ、優しさ、そして時々垣間見える怖い色気も まさにトッケビの花嫁。

    そしていつも思うのが 面白いドラマでは 脇役まですべての配役がぴったりだと思えること。
    まさに このドラマの配役です。
    きっと最後まで 楽しませてくれると信じています。
    ただ、心配なのが yucaさんも仰っていましたが 伏線が多すぎで・・・
    あぁそうだったのね~~と、涙の流せるすばらしい回収を 期待です。

    もう韓ドラも タネが尽きてきたよね・・・と、思いきやこんな余裕の作品が出てくるなんて。
    トッケビのキャラって、かなり日本の武士に通じるものが・・・武人とは国が違えど同じなんですね。
    まるで藤沢周平の中の武士を ファンタジーのなかへ入れてみました・・・的な気がします。www
    今、6話まで視聴。大事に1話1話みていきたいと思ってます。

  2. yuca

    chocoさん、コメントありがとうございます!

    chocoさんのおかげだよ~
    背中を押してくれなかったら「トッケビ」の面白さに気づかなかったと思います。

    >今の年齢のコンユが この役にぴったり。
    そうそう!ちょっと疲れた感じがね、存在し続けることに倦んでいるキム・シンにぴったり。皺もねいい感じで、若い子にない魅力を堪能しております。

    >伏線が多すぎで・・・
    あとね、間接広告が多すぎ!それだけ人気があるドラマってことなのでしょうけれどもね。

    >藤沢周平の中の武士を ファンタジーのなかへ入れてみました
    生きざまがね、泣けてきます。キム・シン、カッコよすぎます。

    これから怒涛の展開ですね。最後まで目をそらさずに見ていきます!