上流社会

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上流社会 High Society 全16話 (2015年 韓国SBS)

■演出:チェ・ヨンフン
■脚本:ハ・ミョンヒ
■キャスト:
ユイ(チャン・ユナ)
ソンジュン(チェ・ジュンギ)
パク・ヒョンシク(ユ・チャンス)
イム・ジヨン(イ・ジイ)

【あらすじ】
財閥企業テジングループの末娘ユナ(ユイ)は、実の母からも忌み嫌われ、心に傷を負いながら生きてきた。身分を隠してユミン百貨店の食品売り場でアルバイトをしていたある日、母親からユミンの御曹司チャンス(パク・ヒョンシク)との見合いを強要される。チャンスの前でわざと嫌われる態度をとるユナだったが、待っていたのは、母からの激しい叱責だった。やがてユナは上司のジュンギ(ソンジュン)と付き合い始め、初めて訪れた幸せな時間を過ごす。ところが、ユナが令嬢であることに気づいているジュンギは、身分上昇の踏み台にしようと考えていた。
そんなある日、ユナが唯一、心を開ける相手である兄のギョンジュン(イ・サンウ)が事故で急死。ユナは兄の想いを継ぐため、テジングループで働くことを決意する。一方、ユナの親友でアルバイト店員のジイ(イム・ジヨン)と軽い気持ちで付き合い始めたチャンスは、次第にその想いを止められなくなっていた・・・・・・。

 


 

 

やっぱりドラマは最後まで見てみないとわからないものだよね。
「上流社会」1話だけリアタイで視聴してほったらかしにしておりましたが、歳末大蔵出し(?)で視聴すると思いのほか面白かったです。
野心がある男と財閥の娘というステレオタイプな物語で始まったのですが、終わってみたらやっぱり韓国ドラマ特有の純愛の物語でしたよね。
前回の感想でも述べていますが、ジュンギの一目ぼれの物語でもあったわけです。
野心のために好きでもない女を利用しているの?とキリキリしながら視聴すると、意外にも男の純情の物語だったというその物語の反転も心地いい。
「赤と黒」(ナムギルのドラマではなくスタンダールのね)以来、野心を持った男に恋してしまった女は最後は悲劇の道へとまっしぐらなものだけれども。
その男が実は自分を初めて出逢ったその瞬間から愛していたのね、というなんとも甘いロマンスが心地いい。
ジュンギが語ってしましたが、ユナは自分のさびしい心を埋めるために恋愛をしたかった女の子です。
だからこそジュンギはユナとの恋愛はたまたまタイミングがあっただけで、自分は選ばれただけだと思い込んでいたわけですね。
野心のためにユナと付き合うんだと思いこもうとしているジュンギ。
ユナの純真で率直な愛情表現は、たまたま恋人同士になっていると思っているジュンギにとって、まぶしくて、熱くて、心揺さぶられ、そしてますます惹かれていく。
そんな自分の心の揺れに戸惑うジュンギがよかったわ~

 

 

 

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ユナに関してはね・・・結局、彼女は何をしたかったのかがよく分からない。
ジュンギの言う通り愛していたのならば、ジュンギを許すべきだし。
裏切られたと知った瞬間からの彼女の行動はいささか幼稚。
そもそも最初から思慮の足りなさはある子でしたよね。
ジュンギは自分の愛を示すために野心を捨て去るのですが、ユナは彼女の愛を示すために何を犠牲にしたのか?
ユナだけは何も捨てなかったような気がするのは、勘繰りすぎ?
「上流社会」の脚本家はユナに非常に甘いような気がしますよ。
ジュンギは出世欲の価値観を捨て去ることで成長しましたが、ユナは成長したのかしら?

 

 

 

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もう一つのカップル、チャンスとジイですが。彼らのなんてことはない掛け合いには心を癒されました。
が、ちょっと辛口で言わせてもらうと、シリアスなシーンではチャンスは泣き過ぎ。泣けばいいもんじゃないと思います。
堪えるだけ堪えて耐えきれなくなった涙こそ価値がある。
ジュンギが涙を流したシーンって1、2か所だったと思います。だからこそ尊い。
涙も流し過ぎると価値がなくなる。
こらえきれずに、ふと流れてしまった涙に私ははてしなく惹かれるの。
チャンストとジイの恋の行方より、やっぱりチャンスとジュンギの友情の行方の方が私は気になりましたよ。

 

 

 

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「上流社会」を見終わった感想はね、意外にもギョンジュンに始まりギョンジュンに終わるでしたね。
物語の展開部分ではギョンジュンが必ずキーポイントなのです。
しかしギョンジュンのエピソードはあまりにご都合主義のような気もします。
5200人もの社員の生活を背負っているんだという経営者候補があっさりと彼らを捨て、そしてまた正義の人のように現れる。
でもねすべてを捨てる人間は、また同じことを繰り返すのだと思うわよ。
やっぱり優しい顔して腹黒オッパだと感じた私の直感は間違いではなかった(爆)

 

 

おや、書いてるうちにだんだん辛口になってきているから不思議(笑)
やっぱり韓国は純愛が好きなんだよね。

 

あなたは100%純粋な愛を求めているようだけれど、企みが愛に変わることもあれば、純愛で始まって何かを企むこともあるわ。純粋とは最初から不純物がないことじゃなく、精製の過程を経て生まれるものなの。不純物が最初からないのは純真と言うべきよ。純真な人は利用されて捨てられるの。人生勉強だと思って。

ユナ母が語っていたように、愛とは様々な積み重ねで純度が増していくのでしょうね。
愛して終わりというものではなく、少しずつ年数と共に変化をしながらも純粋な愛になっていく。
誤解も、裏切りも、謝罪も、許しも、すべてを年数をかけて濾して、そしてそこに愛が残る。
そんなことを教えてもらったドラマでした。

 

 

 

★★★


感想+考察

その時々の、私の心の琴線に触れたモノ・・・ 小説や、映画、音楽、ドラマ、ファッションについてだけの簡単な備忘録。 Everything was beautiful and nothing hurt.

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