僕は愛を最も警戒している・・・上流社会13話まで

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韓国ドラマ「上流社会」13話まで視聴。

 

 

前回、私何て書きました?
「ややテンション落ち気味ですが、なんとはなしに視聴しています。」だって!

前言撤回。
7話から加速度的に面白くなってきました。あっという間に13話まで視聴しちゃったよ。
階級差がある男女のロマンスとは非常に古典的な題材なのに、こう面白いのはなぜなのでしょうね。
ロマンスにギョンジュン(イ・サンウ)の失踪というミステリーが絡んできて、続きが気になって気になって仕方がないのよね。

 

愛が何かはわかる。
惨めな時も笑顔にさせ、現実が過酷でも希望をもたらす。そして置かれた状況に喜びすら感じる。その喜びが過酷な現実にとどまらせる。
だから僕は愛を最も警戒している。
気付かなかった。その境界線を越えていたことに。

 

9話でのジュンギ(ソンジュン)のモノローグと共に、それまで描いてきた登場人物の恋愛関係がシャッフルされていくさまが見事。

 

 

 

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最初から逆玉狙いでジュンギが自分に近づいたことを知り、純真な愛を求めていたユナ(ユイ)は愛が裏返って憎しみになっていく。ベタアマなロマンスが一転、愛と憎しみをはらんだ関係になっていくのよね。
一方ジュンギは自分がユナを愛していたことに気づく。
相思相愛の関係でも愛し始めるスピードが違うのよね。
互いに好きなのに、今でも好きだからこそユナはジュンギに辛辣に当たる。
けれども、その言葉はもろ刃の剣で彼女自身の心も傷つけていくのよね。
それはこの孤独な男女は、初めて相手と向き合う瞬間なの。
付き合っていた時は実は互いに自分の幻想を重ねて相手を見ていたふたりが、一度も向き合ったことのなかったふたりが、本当に互いの姿を見つめ合うのよね。
しびれるくらいに、息をのむくらいに、ドラマに緊張感が漂い始める。

この緊張感こそが韓国ドラマ視聴の醍醐味なんだよなぁ。

 

あなたは100%純粋な愛を求めているようだけれど、企みが愛に変わることもあれば、純愛で始まって何かを企むこともあるわ。純粋とは最初から不純物がないことじゃなく、精製の過程を経て生まれるものなの。不純物が最初からないのは純真と言うべきよ。純真な人は利用されて捨てられるの。人生勉強だと思って。

 

いみじくもユナ母が語る、純粋と純真の違いがこのドラマのテーマのひとつかもしれない。
ジュンギと知り合ったユナは純真で、そして孤独な心を抱え愛されたがっている女の子だった。
ちょっと優しくされれば、その行為にすっかりほだされてしまう女の子。
ユナが簡単にジュンギを好きになった理由はジュンギのスマートな優しさも原因だけれども、親友のジイ(イム・ジヨン)がジュンギのことを好きだったというのも大きな原因のひとつでしょう。
信頼している親友のジイが好きだからこそ、あんなに簡単にジュンギを心を開いていった。
「上流社会」が面白いのは恋愛と友情を描かれていること。

 

 

 

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ジュンギとチャンス(パク・ヒョンシク)の友情も、まるでブロマンスのよう。
男同士の友情も互いの見栄とプライドと勝ち負けの意識にがんじがらめ。それでも共にいることに慰めと勇気をもらっているのにね。

 

 

 

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「上流社会」では両親の関係性が子供たちの人生観を色濃く作りあげているわけですよね。
長年両親の不仲を見てきたユナは純真な愛がすべてだと思う女に。
母親の防音を施された部屋が、母の父に裏切られ続けた心を守るための部屋だと気づかない。
夫に裏切られた妻の寂しさを閉じ込める部屋、そして世間の声をシャットアウトするための防壁だとは気づかない。
母もさびしい人間で、父もまた高圧的な態度でしか人と接することができないさびしい人間だと気づかない。
一方、愛はあるけれども貧乏な両親の、正しいけれどもプライドを踏みにじられてきた人生を見てきたジュンギは、愛なんか人生に必要ないと思う男に。
野心のために愛を切り捨てようとした男に。

 

 

 

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そんなジュンギの人生観がユナを傷つけた瞬間。
彼の頬には雨ではなく、確かに涙が流れていたと思う。
ジュンギのそれまでの価値観がひっくり返った瞬間。
ジュンギは失って初めて気づく自分の中に存在していた愛に。愛にがんじがらめになっている自分に。
自分の野心のためにユナを選択していると思っていたジュンギですが、彼は一目ぼれですよね。最初に出逢ったあの瞬間から。
一目ぼれの運命を自分の野心のために選択していると思い込んでいたジュンギの世界がひっくり返り、自分が本当に欲しいものを失ってしまったと知るのよね。
静かに失ってしまった愛の余韻をかみしめるジュンギが好きです。
そして自分のためでも、野心のためでもなく、ただ純粋にユナを支えてあげたいと思うからこそ、ユナの会社に転職したのでしょうしね。
愛に傷つけられたユナが半狂乱になるのとは裏腹に、自分の中に芽生えていた愛を全うしようとするジュンギが恰好いい。

 

 

 

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さまざまな登場人物を否定するわけではなく、その人の強さや弱さをあますところなく描こうとする「上流社会」
ユナ姉も可哀そうな人で、夫からの愛を得られないからこそ、父親の愛を求めようとするのでしょうね。
彼女の腹黒さも弱さも、観ているうちに愛おしくなります。
ユナ姉だけではなく、ユナ父の愛人とジュンギ母のやり取りや、ユナ両親、ジュンギ両親、チャンスの親子関係・兄弟関係、さまざまな関係を通して愛を求めている孤独な人たちの姿が浮き彫りになって。
そこが貧富の差の恋愛という題材を用いながら、ステレオタイプにならずに新鮮に感じる所以かなぁ。

 

 

そして、ギョンジュンオッパ!!!
13話の予告を見てびっくりですよ。そう来たかぁ~。

その時々の、私の心の琴線に触れたモノ・・・ 小説や、映画、音楽、ドラマ、ファッションについてだけの簡単な備忘録。 Everything was beautiful and nothing hurt.

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