暗くなるまでこの恋を・・・仮面2話まで
チュ・ジフン、スエ、ヨン・ジョンフン、ユ・イニョン出演の「仮面」が始まりました。
脚本はあの「秘密」のチェ・ホチョル。
だからというわけではないのでしょうが、人物設定はどこか「秘密」の設定の変形のようでもあります。
「仮面を被ったまま生きていく4人の男女の致命的なメロドラマ」がコンセプトだよ。
昨年はラブコメの当たり年だったのですが、今年はミステリーロマンスの当たり年になるのでしょうか。
2話ですが私の大好きな匂いがぷんぷん、いえ、かなりハマりつつあります。
ちょっとね胸が苦しくて、血がふつふつとわき立つようなそんな気がしています。
強迫性障害、記憶障害を持つ御曹司にチェ・ミヌ(チュ・ジフン)
その腹ちがいの姉チェ・ミヨン(ユ・イニョン)
夫のミン・ソクフン(ヨン・ジョンフン)
この3人に政治家の娘でミヌの婚約者ソ・ウナ(スエ)が絡んでくるのだけれども、ウナは1話でいきなり事故にあい脳死状態に。
瓜二つの娘ピョン・ジスク(スエ)がウナとしてミヌの婚約者として入れ替わってくるまでのスピーディーな2話まで。
序盤は物語の導入部分だけれども、サスペンスフルかつスリリングに展開してきたと思う。
さて物語は3話以降、大きく動き出すのだけれども。
「仮面」は自身を隠して仮面をかぶったまま他の人間として生きていく女性と、そんな女性を純愛で守ってくれる男性を通じて本当の人生と愛の価値に気づく話を描いた作品で、競争と暗闘、陰謀と復讐、ミステリーが共存する本格恋愛ドラマだ。
好きな人は好きなテイストが盛りだくさんです。
ヒロインの入れ替わりのドラマは今までにも多く作られてきたと思う。
この「仮面」に関してはなんだかウィリアム・アイリッシュの「暗闇へのワルツ」(大好き!)や「死者との結婚」を思い出して仕方がない。
あるいはカトリーヌ・アルレーの作品の数々。つまり心理的サスペンスなの。サディスティックでダークな味わい。
御曹司として事業を背負っていかないといけないミヌだけれども、幼いころ母親が彼を助けるために溺死してしまったことが大きなトラウマになっている。
精神的に不安定で、自分に自信がない人間。
周囲の人間は全て疑わしく思えて、自分を一番信用できないヒーロー。
彼の記憶さえも誰かに改変された記憶を植え付けられているのかもしれないのです。
視聴者もミヌの回想シーンは信じてはいけないのよね。
信頼できないヒーロー(Unreliable narrator)というのは韓国ドラマではちょっと珍しいかな。
ヒーローが不安定さがこのドラマにさらにミステリアスな雰囲気を醸し出しています。
ミヌは大きな傷を抱えているけれども、さらにどうやら強迫性障害、記憶障害は何者かに薬を日常的に盛られているからかもしれないといった描写が出てきます。
誰が、何のために?
ウナの事故はミヌが彼女を殺そうとしたのか?
冒頭から謎に次ぐ謎。登場人物がすべて怪しく、胡散臭く、渦巻く欲望を善良な仮面の下に隠している。
家族という仮面の下に。
もうこの設定からミステリアスでしょう。
母親は誰から、何から逃げていたのか? 彼女はなぜ死んだのか?
「秘密」というタイトルの上に墜ちてくる滴は、涙なのか雨なのか。
どちらにしても「秘密」は涙の中に、雨の中に隠されているのよね。涙も雨も罪を隠ぺいし、官能を閉じ込める。
以上のようなことを「秘密」視聴児に考察しましたが、「仮面」でもすべての真実は水底に沈んでいるのかもしれない。
まるでサー・ジョン・エヴァレット・ミレー作の「オフェーリア」のように2話までで女たちが水底に沈んでいくシーンがいくつも挿入される。ミヌの母親、ウナ、ジスクと。
夜の闇や漠然とした不安感を水への恐怖を描写させたらこの脚本家すごいセンスを持っているなぁと惚れぼれします。
そして水底へ沈んでいくジスクを助けるのはソクフン。
お金と共に沈んでいくというのも非常に暗喩に満ちているよね。
「ヴァンパイア検事」ではミン・テヨンのストイックな官能にくらくらした私ですが、ヨン・ジョンフンってそんなに好きなタイプではないはず。
そ、それなのにこの「仮面」では1話から彼を見ると私の胸がずきずきとして、血がふつふつとわき立つのです。
私の悪役好きセンサーの目盛がふっきれそうな勢いなの。
金と名誉のためにミヨンと結婚したソクフン。
ミヌを助けるふりをしながらもどうやらミヌの婚約者のウナと恋愛関係(肉体関係?)があったことが匂わされる。
ウナを使って自分の立場を盤石なものにしようとしたのか。
ところが自分の最大の切り札ウナが脳死ということで、あわてて彼は瓜二つのジスクを自分の陰謀に引き入れようとします。
切り札が使い物にならなくなったら迅速に次の手を考え実行していくその決断力。
果断さ、陰湿さ。沈着冷静、頭脳明晰さ。もうね100%私の理想の悪役なんだ(笑)
ウナのことは少しは好きでいたのでしょう、彼なりに。
だからウナに瓜二つのジスクを初めて見た時に動揺したのでしょうね。
「仮面」はジフニとスエが主役なのであくまでヨン・ジョンフンは二番手なのでしょうけれども。
おそらく彼はウナの顔をしていながらウナとは全く違うジスクに惹かれていくのでしょう。
自分の陰謀を成就させるためにジスクを助けるうちに、彼女にどうしようもなく惹かれていく自分を見つけるのです。
どうしようもなく恋に堕ちてしまう。それが破滅への一歩だとしても。
そんな設定を妄想するだけで1週間あっという間だったわ。
そうそう彼の妻ミヨンはウナとソクフンの仲を勘づき始めていました。
結局ウナを殺したのは誰なのか。ミヌなのか、ミヨンなのか、ソクフンなのか。
もうね、このシーンは鳥肌が立ちました。
ジスクを引き入れるために彼は走りだしたのです。自分でも知らないうちに。
体が勝手に動くということは、誰かのために走り出すということは、私の定義では恋に堕ちるということなんです(笑)
恋に墜ちたら、頭より先に体が動くんだよね、好きな人に向かって走る。
「あなたは死ななければならない。あなたが死んでこそ条件が成立する。死ぬことってそんなに悪いことではない」
そう言いながらもソクフンはジスクのために走り出すのです。
今はまだ自分のためにソクフンは走っているけれども、いつかジスクのために走り出す日は来るのか。
あ~致命的なラブロマンス、しっかりと浸っていこうと思います。
3話予告のシーンより。久しぶりに水木が楽しみになりました!
あら、すっかり主役のジフニとスエについては語っていない(笑)
これがジスクとソクフンの物語だったらそのまんまアルレーの「わらの女」なのになぁ。
(「わらの女」を日本でドラマ化した「美しい罠」は昼ドラに燦然と輝く隠れた名作です)
■ こっそりツボちゃった ■
なんだか「スベクヒャン」「無情都市」で私を楽しませてくれたキム・ビョンオクのヘアスタイルがかわゆくて和んでおります。
おっとっと・・。
ヴァンパイア検事・・、今度はこんな感じですか・・。
この人、上手ですよね、
厭味な役から、クールな役。何より、路線に関係なく、3の線を、小出しに出来るのが、憎い。
つい最近まで放送されていた、お金がコンコン(?)という、ヒロインが二役のドラマを、ポチポチ見ていたのですが、情けない役の彼も、上手でしたわ。
韓ドラが羨ましいのは、この年代の男優さんで、ミステリアスなドラマを創れること。今の日本ドラマだと、社会派ドラマに限られるのが、寂しく思えます。
ところで、ユカさん、解説ページまで増量なさっているのに、ドラマ視聴のお時間を捻出なされるって、尊敬します・・。オマケに、アホなコメントにも、毎度お返事いただいているのに・・。
さてさて、処女出版、納品完了のお祝い、何を謹呈しようかな~。ワクワク。
(イヤ、むしろ、大人しく静観していてねFANさん)
・・・あら?やっぱり、そうですか。。。
FANさん、おはようございます♪
>お金がコンコン(?)という、ヒロインが二役のドラマを
私はスルーしてしまいましたが、視聴された方からは結構評判がいいのですよね。
この俳優さんも決して好みではないのに、画面で見ると惹かれてしまうという。
理想の男ではなくむしろ好みのタイプではない男に現実では惹かれてしまうという自分の女心の複雑さを味わわせてもらっています(爆)
>ミステリアスなドラマを創れること。
本当ですよね。まあ別の言葉で言うと昼ドラチックなドラマですよね。
昔はもっとあったと思うのですけれども、最近日本ではは放映されないのはこの手のジャンルは人気ないからなのかなぁ。
小さな世界で怒るドロドロした人間関係というドラマが私は好きです。
ミーハーだけれども根が暗いのでね(笑)
>大人しく静観していてね
FANさ~ん! FANさんの分もお取りおきしておりますので、もしお嫌でなければもらってください。
え?・・・。
ちょっと待って・・。嘘でしょ・・?
メール・・・、え?もしもし、ユカ様・・。
ちょっと、手毬唄な旧宅に遡って来ます、わたし、何をしていたの?
もう、どんなお叱りも覚悟の上・・。
昨年の4月に、送信していたと思い込んでいたナニを、再送信させて下さいませ・・。
わたくし・・、退場も覚悟の上でございます。
申し訳ありません、FC2のフィルターは要注意だったことを、すっかり失念しておりました。
が、ここなったら、更に見苦しい言い訳を。
あ、そんなに警戒されてなかったのかな?わーい、ユカさん、またご返信くださったわ。と、ほいほい、今日までお話ししておりました。(そっと、逃げる準備しておこう)・・座敷牢へ・・。
FANさん、何事!!
え・・・
え・・・
えーっ!ですよ(笑)
なぜに1年前のメールが今(爆)
思いっきり笑ってしまったのですけれども。
FANさん、コメントありがとうございます♪
いやあ、私のサーバーがはねてしまったのかしら?
ごめんなさいね。
本当にイケズな女みたいじゃない私。メールを無視するなんて(笑)
お返事メールしましたけれども、届きました?
はい、粛々と頂戴いたしました。
で、渾身の一句をば、ひとつ。
待ち詫びつ 愚かなFANは、変わらざりけり。
(待っていたことが申し訳ないほど、おバカなFANさんは、何一つ変わって無かったのね・・の意)
もう、これ以上、何も出てきません・・。
と、ひれ伏しつつも、ユカ様??
貴女様が・・@くじけそうな時、くじけそうな時・・
くじけそうな時の・・の、ダブルパンチな頃って・・ございましたっけ?まぁた、そんな、キュートなことを・・。(アンタ、反省はどうした?あ、ごめんなさい)
・・・追いつけないどころか、三叉路の手前で、道に迷っていたことも知らなかった、FANより・・。
FANさん、コメントありがとうございます♪
いや、本当にこのIT全盛期、思わぬ落とし穴がありますね。
>くじけそうな時の・・の、ダブルパンチな頃
あら、毎回くじけそうになります。
思ったことの半分も書けないですからね、感想が。
毎回、感想を言葉に表すという難しさに打ちのめされます。
やっぱり語彙力、発想力、感受性という壁が立ちふさがりますよね。