一人の男を愛する二人の女・・・恋愛じゃなくて結婚 15話

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韓国ドラマ「恋愛じゃなくて結婚」15話視聴。

 

 

泣いちゃったよ~
このドラマ、語り口はライトな肌触りだけれども、深いなぁ。
結婚となれば、当事者同士だけではなく家族同士の問題となる。
それぞれの家族もそれぞれの心の傷を抱えていて、でも人生って抱えている悩みがすぐ解決したり、傷があっという間に治るものではないのよね。
痛みを抱えながら、その痛みに耐え、よりそって生きて、そしてゆっくりと癒していくしかない。
15話におけるギテとギテ母とのやりとりには、じんわりと涙が出ちゃいます。
言葉なんかいらないんだよね、ただ「オモニ」と呼びかけるだけで互いの気持ちが伝わるのは、よりそって生きていたからこそ。

 

 
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15話 一人の男を愛する二人の女
ギテは母にジャンミとは結婚ではなく恋愛の関係だから口を出すなと宣言する。しかしジャンミはギテ祖母の病気でギテ宅に駆け付け、ギテ母に自分をギテの横に並んで立っていることができる人間だと求めてほしいと気持ちを打ち明けた。
ギテ母は大切なお客と共に、ジャンミのお店を訪問することにする・・・

 

 

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冒頭のハイライト部分では、最近落ち着いてきたジャンミが1話の猟奇的な彼女に逆戻りかっ!という衝撃的なシーンから始まった15話(笑)
「人はそう簡単には変わらない」とジャンミは言っていましたが、今になって1話を観なおすと、ジャンミもギテもずいぶん成長したなぁ、と思います。
「恋愛じゃなくて結婚」というドラマを大好きな理由はいろいろあるけれども、まず絶対的な悪役がいないところ。
韓国ドラマでは、恋愛の障害に「母親」という存在がクローズアップされることが多いです。
しかもわが子を思うあまりに、他人の子をけなして貶めてといったモンスター・マザーのような存在。
息子が母親の意にそぐわない女性と付き合おうものならば、半狂乱になったり、絶食をしたり、はたまた病気になったりする存在。
息子のことを思っていると言いながら、実は息子を通して自己実現をしようとしている親の姿です。
いい学校を出て、いい就職をして、いい家のお嫁さんを迎えて、そんな息子を持っていることが、自分の幸せのカタチだと思っている母親像が強烈なほどに多い。

 

 

 

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完璧主義者のギテ母だけれども、それは彼女の愛を乞う姿の裏返しだという、このドラマの展開に鳥肌が立ちます。
愛してほしいからその人のために完璧を尽くそうとする。
しかし彼女が完璧であればある程、周囲の人は疲れて離れて行ってしまうという、愛の空回り。
コントロールフリークの母親像を描きながら、その母自身もどうしようもなく愛に飢えていたんだという設定。
そんなギテ母を描きながら、でも実はジャンミも根っこが同じなんだよね、とギテが気づくところがすごい。

 

 

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ギテがなぜ、あんなに強烈にジャンミに惹かれていったのか、理由が明らかになったのよね。
自分の理想のタイプに一番遠くて結婚なんかありえない思っていた相手ジャンミが、実は誰よりも母に似ていたから選んだんだという事実。
ギテが幼少のころ独りで暮らしていたと思っていた記憶は間違いで、母親と二人でこのマンションに暮らしていたという。
独りで暮らしているのかと錯覚するくらい、ギテ母とギテは母子一体化していた幸福感、満足感。
そして、ギテはそのことを忘れて、ずっとそんな幸福感を再び味わうためにThe Missing Pieceをさがしていたのだけれども、ジャンミがそばにいることによって自分の欠けているものに気づき、そしてジャンミという存在の重要性に、愛に気づくんだよなぁ。
誰かと共に生きていくという幸福感に気づく。
ここら辺の展開に思わず涙がこみ上げてきた私です。
子供のときの母親との一体感という幸福は、成長するにつれて、自我が芽生えてくるにつれ、喪われていきます。
人間は果てしなく孤独であるけれども、子供のときに持っていた完璧な世界はもう手に入れることはできないけれども、でも誰かと寄り添って、共に歩んでいくことができたならば、孤独な人間が互いに見詰めあって生きることができるのならば。
それを幸せと呼ぶのかもしれません。
泣けるよね~
ジャンミも他人のために一生懸命に走る、そんな姿が、実はギテ母と根本は同じなんだという展開。
だからジャンミに惹かれるのは、実は母親のことが大好きだから、同じような女性に惹かれていたんだというギテの心理。
うまいなぁ~
ジャンミを愛することで、母親を否定するのではなくやっぱり愛していたんだ、という子供の愛の深さをも感じさせるこの話の展開。
韓国ドラマでモンスター・マザーに対して、こういう風な展開をしていく恋愛ドラマを私は他に知りません。
ほとんどの韓ドラが母親との断絶か(「シークレット・ガーデン」のように)、あるいは母親の根負けかのどちらかのパターンでしたもの。
「誰かと一緒にいるということは、その人の過去と、その人の周りの人と、すべて受け入れることなのよ」
普遍的だけれども、ものすごく深いテーマがこのドラマには秘められています。
相手の存在を認め、受け入れ、尊重する。
それが恋愛じゃなくて結婚だということなのでしょうね。
恋愛は当事者間だけですけれども、結婚はやりその人を丸ごと受け入れるということなんですもの。
当たり前の結論ではありますが、それを16話かけてコメディを散りばめながら、ゆっくりと主人公たちに、そしてドラマを観ている私たちの胸にしみこませていくこのドラマ。
毎回書いていますが、脱帽です!
「恋愛じゃなくて結婚」サイコーだわ♪

 

 
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で、早速ギテはジャンミ母にプロポーズを(笑)
「将を射んと欲すれば先ず馬を 射よ」でしょうかね。
あと残り1話です。

 

 

その時々の、私の心の琴線に触れたモノ・・・ 小説や、映画、音楽、ドラマ、ファッションについてだけの簡単な備忘録。 Everything was beautiful and nothing hurt.

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  • コメント ( 2 )

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  1. waya

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    深い考察、感慨深く読みました!
    「恋愛じゃなくて結婚」サイコーだわと私も叫びますwww
    今回はギテ母がかなりジャンミの事を気に入っている事を表面に出してくれて嬉しかったわ。
    そして、海辺での回でのキスシーンでギテの膝小僧が好き~って思ったんですけど、今回も母と電話してるシリアスなシーンでも私はギテの膝小僧に目が釘付けに(笑)
    ベッドでジャンミが、何もしなくてもある日突然耳元で鐘が鳴って後光がさすの?って言ってたけど、最後でギテがフンドンに鐘の音が聞こえて後光が見えたって言ったシーンが私の今回のお気に入り。ジャンミとギテ母のおかげで、ギテは周りの人と全てを受け入れる事を受け入れたから鐘の音が聞こえたのかなって。そして、ギテにはもう確信が生まれてますよね。
    しかし、ジャンミ母に愛嬌振りまくギテに爆笑。

  2. moonlight-yuca

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    ♪wayaさん、コメントありがとうございます♪

    終わっちゃいましたね、さびしい~
    もう、本当にサイコーですよね!

    >ギテは周りの人と全てを受け入れる事を受け入れたから鐘の音が聞こえたのかなって
    1話から観なおしているのですけれども、結構細かな伏線があったりして、ライトなラブコメと見せかけて深いんですよね。

    >ギテの膝小僧が好き~
    ヨン・ウジン、いいドラマに出演できてよかった!
    彼のチャーミングな魅力がばんばん出ていましたよね。
    お洋服もギテじゃないと着こなせないような感じ(笑)

    >ギテにはもう確信が生まれてますよね
    「俺は・・・結婚の確信なんてそんなものは一生持てないと思う。それでもお前と結婚がしたい。永遠の愛なんてなくても、それでも・・・一生お前を愛してみる」
    ってセリフに超感動。
    恋愛ドラマでは「永遠に愛している」なんてウソ臭いセリフがありますが、ウソ臭くない恋愛をこのドラマでは見せてくれますよね。

    終わり方もものすごく満足しました!