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今スイッチ切ってるだけだからね、すぐ入るからね、スイッチ・・・あまちゃん142~143回

a0192209_18131122■ 「あまちゃん」142回 ■
本当につきあっているのか周囲から疑問を持たれている二人。
本当につきあっているのか?
ペアルックもしないし、一杯のドリンクを2本のストローで飲まないし(笑)
種市くんにとってアキは北三陸の象徴だったのかな、とも思います。東京砂漠で自分の夢を見失いそうになった時にアキに再会する。
再会したアキは北三陸の海のようにきらきらして、懐かしくって愛おしかった。
「南部ダイバー」という共通項もあるし、愛おしい気持ちが恋愛感情に発展するのは早かったのかな。
彼がアキを好きになったのは、「吊り橋効果」もあるのかもしれないと思っています。
不安でたまらなくなった時に、同郷の女の子と二人で東京を生き延びてきたという。

 
a0192209_1824173皆が日常を送っているから「しあわせだ」と泣くアキ。
震災を扱っているドラマなので、非常にそこらへんの感想も書きにくいなぁ、と9月に入ってからずっと思っています。どう書いても誤解を生みそうだから。
「つらい」「悲しい」「がんばって」「主人公たちのがんばりに感動した」
なんて書くのは簡単だけれども、私が震災編に入って感じていることはちょっと違うの。
しかし、あえて誤解を恐れずに書くと。
クドカンは「それでもやっぱり笑いたい、笑って元気になりたいんだよ、っていうことは、言わなきゃいけないんじゃないかと思って」という意図をもって「あまちゃん」を執筆したという。
そんなクドカンの描く「あまちゃん」を視聴しながら感じたことは、「日常」が描きたかったんだろうな。
「あの日」のクライシスが描きたいのではない、「あの日」すらも笑ってやり過ごそうとする、いや、人間はあまりに絶望が深いと笑ってしまう時があるのだけれども、そうやって乗り越えていこうとする「日常」が描きたかったのかなぁ。
どんな状況でも、乗り越えて、そして「日常」にしてしまおうとする人間の強さを、夏ばっぱ曰くそれは人間の傲慢さかもしれないけれども、描きたかったのかもしれない。
たとえ、どんな絶望的な状況ですら、不幸のどん底だって、ふとした「笑い」の瞬間がやってきて、それが「しあわせ」なのかもしれない。

 
■ 身もだえポイント(142回) ■
a0192209_18372120まるでつきあっているような二人(爆)

 
a0192209_1837524624週はいっそん大特集だよね♪
いっそん推しとしても、ウレシイ~♪

 
a0192209_1932244ヒビキ一郎も地味にかっけ~♪

 

 
■ 「あまちゃん」143回 ■
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「東京でも、こっちでも、天野のまわりには、いっつも大勢人がいる。みんな楽しそうに笑ってる。そこが、ユイとは違う」
「ユイちゃんと?」
「うん。ユイは、こっちがユイの笑顔を見たくなるけど、天野は、こっちが先に笑っちまう。だから、2人が揃うと、最強っつうか、無限っつうか・・・。お互いがお互いのアイドルっつうか・・・何かいい例えがある気がすんだけど、出てこねえ」
「ビールに枝豆みでえな?」
「いや、あの、もっといい感じの・・・」
「月と、太陽でねえの?」

「あまちゃん」のアイドル論である。太陽と月のアイドル論。

ミズグチに戻ると、彼は挫折したミュージシャンなんですよね。自分から主張しないけど、音楽で失敗してたぶんすごく傷ついている。春子と同じだね。その犯人でもある太巻も、鈴鹿ひろ美も、実は過去の罪に密かに苦しんでいる。その4人は、アキをアイドルにすることで救われる。まさに春子が言ったとおり「アキは変わらないけど、みんな変わった。それってすごいことだよ」ですよ。これは人々の思いを受け止める空っぽな存在としてのアイドル論にもなってるんですね
(町山智浩 ドラマ史から見た「あまちゃん」より引用)

やっぱり、アキは「空き」なんですね。
誰にでも心を開くアキちゃん。
誰にでも「かっけ~」ところを見つけて、その人の「かっけ~」部分を真似するアキちゃん。
アイドルを目指すユイちゃん、南部潜りをする種市センパイ、「潮騒のメモリー」を歌う春子、自由に海に潜る夏ばっぱを始めとする海女クラブの女傑たち。あるいは「まめぶ」=北三陸魂を東京に売り込もうとするあんべちゃん。
「かっけ~」と感嘆した人の「かっけ~」部分を吸収していくアキちゃん。自分の中に「空き」があるからこそ、人の「かっけ~」部分を受け入れることが出来るのかも。
アキちゃんの明るくきらきらと輝くまなざしの奥底に、はてしない虚空が潜んでいるような気がします。
「空き」があるから常に満足せず、もっともっと何かを求めて、突き進んでいくような。
「空き」があるからこそ、人の「かっけー」を素直に受け入れ、自分のものにするし、人の悲しみに染まって、同じ気持ちで寄りそって、そして悲しんでくれるのかもしれない。
アキちゃんは存在に「空き」がある=ファンを受けいれるキャパシティをもったアイドルであるし、ユイちゃんは存在が切なくなるような=ファンが愛を注ぎたくなるようなアイドルなんでしょう。

 

 
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「私の事、甘く見ないでよ」
「え?」
「アイドルは諦めたけど、女としてはむしろこれからだと思ってるから。アキちゃんの彼氏だから、今スイッチ切ってるだけだからね。すぐ入るからね、スイッチ」

かっけ~よ、ユイちゃん。しかしこうやって宣戦布告をするのは、もう2度とアキちゃんと男子のことで仲たがいしたくないからでしょう。
ユイちゃんもアキを失いたくないと思っているのです。

 

 
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a0192209_19261778パニックになって海に飛び込むアキと、「あ~ま~ぞ~ん!」と言って飛びこむいっそん。
いっそん、好きだわぁ~ ちゃんとアキちゃんのことを心配して飛びこんでくれるところが好き。彼氏の種市くんは呆然と見ているだけでしたけれども。
しかし、フォーゼの種市くんが「アマゾン!」と言って飛びこむ方が面白さ100倍なのに。イケメン枠だから縛りがあるのかしら?(笑)
海に飛び込むことは「再生」をこのドラマでは意味していると思うのですが、今回は何からの「再生」なのだろうか。
物語も終盤、ドラマの行きつく先もおぼろげに見えてきて、「アキの周囲が変わるお話」が「あまちゃん」であるならば、あと残っているのはユイの「再生」であるだろう。
最後にユイのやるべきことを見出して、終わるのが「あまちゃん」かなとも思います。

 

 
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失礼だったら謝ります。でも、あんまり、地元の為、東北の為って言われるど、違うっていうが・・・
おら、ただ潜りでえだけです。潜りでえがら、おらの好きだった海を取り戻してえ。おらの好きな人たちが集う海女カフェを、復活させでえ。おらの好きな、可愛い電車を走らせでえ。それだけです。
おら一人がやる分には構いません。でも、おら一人が頑張ってる、みたいなのは違うんです。ユイちゃんが頑張ってねえみたいに見えるのは、違うんです。ホントは、2人でやりでえ。でも、ユイちゃんは闘ってるんです。おらよりも、おらなんか想像できねえほど、ハードな体験をして、それを乗り越えようとしてるんです。
だから、今は無理強いしたくねえんです。

結局アキちゃんは、東京でユイちゃんを待っていた頃から全然変わっていない。
「わかったようなこと語んな!ユイちゃんは来る!絶対来る!
そんな簡単に諦めねえし、弱くないし、中途半端なことはしねえ!」(80回)
で叫んだようにずっとユイちゃんが来るのを待っているんです。
やっぱり、アキちゃんとユイちゃんを見ていると、なぜか「走れメロス」を思い出してしまいます。
アキちゃんはユイちゃんが必ず来ると信じて、揺らがない。
「すぐ行くから待っててね」とユイちゃんに言われた時からずっと待っているのです。

この「約束」は果たされるのか。
この「約束」にこめたユイちゃんの思いを考えると、また泣けてくる。
果たせなかった夢、果たせなかった約束がこの世界には無数にあることを知っているから。
運命は時として非常に皮肉なんだということを知っているから。
強くアイドルになりたいと希うユイちゃんは北三陸に、そしてユイちゃんと共に歩いていきたいと願ったアキちゃんは東京へ。
この二人の別離は、身を引き裂かれるようでもあります。

と72回では書いたけれど、「あまちゃん」が終盤に入り、今思うのは、やっぱり約束は果たされるから約束なんだろうな、ということ。
アキちゃんはずっとこの約束を守っているのね、待っているのね。
なんだか、泣けるなぁ~

 

 
■ 身もだえポイント(143回) ■
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a0192209_19424733「こんな田舎で遠慮してたら、あっという間にこうなっちゃうよ。なりたいの?」
爆笑~ リアルにその恐怖が伝わってきました(笑)

 

 
a0192209_19434980なんだか、このカットが好きで。ユイと吉田君がカワユイ~

 
a0192209_19443122「よく見ると、ムショ帰りの、小林薫つうか、小林稔侍っつうか、小林感も半端ない」
“小林感”って~!!(爆)

その時々の、私の心の琴線に触れたモノ・・・ 小説や、映画、音楽、ドラマ、ファッションについてだけの簡単な備忘録。 Everything was beautiful and nothing hurt.

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  • コメント ( 2 )

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  1. パレアナ姉

    SECRET: 0
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    yuca師匠~・゜・(ノД`)・゜・
    なんて愛深い考察なんでしょう。感動しておりまする。

    最近は「あまちゃん」から来るものが多すぎて、私のボキャブラリーでは表現しきれなくて、でも、あまちゃんワールドは展開されてて、全く感想がおいつかない状態であります。
    yucaさんが書かれていたとおり、震災を扱っているから、言葉を選ぶのに慎重になるし、もう、ユイちゃん見てたら胸が詰まって書けないんです。

    そんな中でyucaさんの熱く優しい思いを見ては癒されております。
    ミズタクもね!
    そうか~アキは「空き」なのか。

    軽いテンポで笑わせてくれる分、響くものが大きいです。
    あと少しで終わってしまいますね。
    きっと大きな穴がぽっかり空くんでしょうね~そこから、またいろんな思いがあふれてくるのかなぁ…寂しくもあり、「あまちゃん」後の世界が楽しみでもあります。

    あああ、何を言いたいんだか(^^ゞ
    とにかく、いつもありがとうございます。

  2. moonlight-yuca

    SECRET: 0
    PASS:
    ♪姉さん、褒めすぎです(照;;)♪

    >震災を扱っているから、言葉を選ぶのに慎重になるし
    私たちの書きなぐりの感想ですらそうなのだから、クドカンはかなり神経を使ったでしょうね。
    「震災」さえも「日常」と書くと、ものすごく乱暴になるので書いていいのか非常に迷っていました。
    でも、「日常」を取り戻そうとする人間の強い心をクドカンは描きたかったんだろうな。
    いやあ、なんて書いていいのか今でも迷っています。難しいです。
    今でも「震災」で苦しんでらっしゃる方が多くいらっしゃるから。

    >「あまちゃん」後の世界が楽しみでもあります
    本当にぽっかり穴が空きそうで怖い。
    たった15分なのにここまで色々感じさせてくれるドラマってなかなかないですよね。

    特に今週は毎回神回で、感想を書くのがおっつきません(笑)