黄金の帝国
黄金の帝国 Empire of Gold 全24話 (2013年 韓国SBS)
■演出:チョ・ナムグク
■脚本:パク・ギョンス
■キャスト:
コ・ス(チャン・テジュ)
イ・ヨウォン(チェ・ソユン)
ソン・ヒョンジュ(チェ・ミンジェ)
リュ・スンス(チョ・ピルドゥ)
オム・ヒョソプ(チェ・ウォンジェ)
チャン・シニョン(ユン・ソリ)
【あらすじ】
90年代。司法試験を目指す大学生チャン・テジュは、新都市開発に反対して最後まで建物に篭城していた父を火災事故で失う。その頃、巨大企業ソンジングループでは、重病に倒れた会長チェ・ドンソンに代わるべく、次女チェ・ソユンと会長の甥にあたるチェ・ミンジェの間で後継者争いが始まっていた…。テジュは手術代が工面できずに逝った父への悔恨の情から、その命を奪ったソンジングループに復讐することを決意。金と野望が渦巻く黄金の帝国に向かって走り出す。だがそこは、〈愛〉さえも嘘で塗り固められ、一歩間違えば破滅が待っている熾烈な戦場だった・・・
ドラマ視聴が絶不調な時に、私にしてはかなりのハイスピードで視聴できたということが、どれだけこのドラマに夢中になっていたかの証拠みたいなものです。
裏切りに次ぐ裏切りで、ずっと心はひりひりしっぱなし、しびれっぱなしで視聴にはかなりの体力と気力を要しますが、とにかく面白かった。
韓国放送時の低視聴率からもわかるように、万人受けする面白さではなく、かなりマニアックな面白さだと思います。
好きな人は好き、嫌いな人は嫌い。
私は好きです、「黄金の帝国」
テジュとソユンの関係からずっと目が離せなかったのが理由の一つだと思います。
愛でもない、恋でもない、ただ相手の泣き顔が見たい、相手が泣いて自分にすがるのをみたい。
ソンジン・グループという巨大財閥の覇権を争っているにもかかわらず、実はお金でもプライドでもなく、彼らが欲していたのは互いの泣き顔だったということが、しびれるくらいに面白い。
そんな執着は、私には果てしなく愛に近い感情に思えて。
ものすごく歪んだ執着ですけれどもね。
コ・スの甘いソフトな物腰から発せられる血も涙のもない非情な権力闘争は、鬼気迫るものを感じます。
前へ進めなければ息が出来ないかのような、そんな息苦しさを感じさせて。
チャン・テジュという柔らかな魂を持った青年が、世の中に裏切られ、踏みにじられ、傷つき、そして変貌していくさまが大好きでした。
堕ちていくさまとでも言うのか。
同じことはソユンにもあてはまる。
家族の愛を信じていた女性が、柔らかな心を固く固く防御し、周囲の人さえも信じずに、ソンジン・グループの空っぽな王座を守るために変貌していくさま。
家族というカタチにとらわれ過ぎて、カタチにこだわり過ぎて、中身は・・・家族の情愛というものがソユンの手の中からこぼれおちてしまっている。
それに気づかない氷の女王。
ぞくぞくします。
ミンジェとテジュとソユンは三角関係。
実はミンジェはテジュに焦がれていたのだと思います。強く強く。
家族に縛られた自分には持ちえない自由な発想と大胆さ、非情さ、その荒々しい魂の輝きに焦がれていたのでしょうね。
オール・オア・ナッシングのテジュは、ともすれば守りに入ってしまうミンジェと比べて、生命力にあふれ、魅惑的だった。
だからこそテジュを自分の手元に置いておきたかったし、テジュのすべてを奪ってやりたいと願った。
ミンジェもテジュもソユンも屈折しています。
そういうやり方でしか、他人とかかわることができない3人。
公式サイトを見ていたら「黄金の帝国」のルールとして次のように書かれていました。
1・てのひらは返すためにある。
2・他人の努力を盗め。
3・反則もゲームの一部。
4・情にゆれたら負け。
5・愛の仕返しは寝返りで。
なんともはや、です。
世の中や他人との関わりかたを、いたわり、いつくしみ、敬愛といった感情ではなく、約束、契約、裏切り、出しぬきでしか関わり合うすべを知らない3人なんです。
だからこそ彼らの周囲の人たちは、彼らから離れていく。
彼らの目指す「黄金の帝国」はハリボテで、空虚だから。
残された3人は、誰かが倒れるまで永遠に裏切りのワルツを踊り続けるしかないのです。
3人はまた父親の呪縛から逃れることができなかった子供たち。
父親のようになりたいと願いながら、心のどこかでは父親に反発し、下へ下へと堕ちていくしかない。
真面目に働きながらも報われなかった父、兄弟で創った帝国の対価を受け取れなかった父、すべてを手に入れたはずなのに妻に(愛に)裏切られた父。
テジュが最後に電話をした相手が、ソリでも母でもなく、ソユンだったということに胸が狂おしくなる。
相変わらず彼らは、甘い言葉一つ交わさなかったけれども、テジュがあとの始末をソユンに頼んだのはそれだけ彼がソユンを信じていたということではないのか。
信じるなんて書くと、きっとテジュは違うと嘲笑するでしょうけれども。
何度も書きますが、このドラマは恋愛ドラマではありませんし、そういう描写もほとんどありません。
言葉にも映像にも描かれない、テジュとソユンの何とも言い難い権力闘争が、私には愛する能力がない不器用で孤独な二人の心の叫びに思えて仕方がありません。
「愛している」「そばにいて」「守って」なんて言葉で言うのは簡単だけれども、そんな心の逃げ場を作らずに互いを破滅させようと画策する二人にたまらなく惹かれました。
ソユンの唯一の良心がソンジェだったように、テジュの唯一の良心はソリ。
序盤ソリはテジュを裏切りの帝国へ導く先導役であったのに、いつの間にか愛を無条件で捧げる女になっていましたね。
テジュのことをずっと愛していたソリなのに、テジュは最初から最後まで彼女のことを「先輩」と呼んでいました。
ソユンのことは「ウリコンジュニム」なんて揶揄しているのにね。
テジュが「ウリ」をつけて誰かのことを呼んだのは、ソユンを呼ぶ時だけだったような気がします。
ソリはずっと「ウリテジュ」と言っていたのに。
韓国語の「ウリ」の使い方で、愛のすれ違いを感じたわぁ。
ラストシーン、テジュは自殺したのか。
そうとれる最後でした。
しかしラストシーンで一瞬、カメラのアングルが右にぶれ海原を横切る一艘のボートを映し出します。
テジュが消え去った先を横切って行くボート。
もしかするとテジュは生きているのかもしれないなぁと思います。
この去り方すらも彼の計算かもしれない。
ソリを捨て、友を捨て、家族を捨て、命を海に投げ出して、文字どおり自分のすべてをかけてテジュは最後の勝負に出たのかもしれません。
だってオール・オア・ナッシングの男だもんね。
地獄を這いずって、天国を目指して、ソユンの泣き顔を見るために彼は戦い続けるのかもしれないなぁ。
パク・ギョンスの脚本の圧倒的な疾走感とどんでん返しの連続で本当に固唾をのんで見守ったドラマ。
新作の「パンチ」もぜひ観なくっちゃね、と思いました。
★★★★★
考察+感想


ウリ。・・・ああ、この響きで、ドラマを心に喰い込ませられるだなんて、ほらね?
やはり、ユカ様、ステキです。偏差値どころか、未知の領域、IQの200超えですよ。
韓ドラを根本から学ぶ気が、全く無い私ですら。
主役達の呼称が、変わり始めると、♪来るのか?コイツと、♪そうなのか?♪と、期待(何を?)させられます。(が、未だに、オッパとやらが、日本語で言うところの何なのか?わかってませんが・・)
ただ、殆どの吹き替えでは、●●さん、から敬称が取れる程度の処理なので、面白くないですね。
韓国語の微妙な敬称の変化。あれは、響きで噛みしめてこその、醍醐味です。字幕、頑張れ!!
と、ユカさんの繊細な視聴に感動しつつ。相変わらず、ええ加減な私。
このクソ忙しいドラマを、時々視聴。
ルックスで魅せない主役3人。常に探り合い。そして、ヤラレタ!!と言いたいところをグッと堪える、演技!!その辺を、拾って視聴しております。
なので、今もって、誰がどうして?何がしたいのか?全く分かってません。
が、何処となく面白い理由は、経済ドラマとしては、少年マガジンっぽいから、お気楽で爽快です。
ま、無慮配信されたら、ガッつり見~よぉっと。
そのころ、もっかいユカさんの考察に、潜り込~もぉっと。 (ユカさんが、忘れた頃に再訪問。ごめんなさい)
FANさん、コメントありがとうございます♪
そうそう、吹き替えや字幕では「ウリ」や「オッパ」という微妙なニュアンスが失われてしまいますよね。
もったいない。
その繊細さが実は韓国ドラマ視聴の醍醐味なのにね。
>ヤラレタ!!と言いたいところをグッと堪える、演技!!
このプライドを踏みにじられた時の表情が大好きです。
まあ、しかしコンプライアンスなんて概念がこれっぽっちもない韓国財閥ですよね。
大塚家具も真っ青です(笑)
株の争奪戦のからくりを面白く見ているのですが、断言します。
このドラマの登場人物は誰一人、会社のこと社員のことお客様のことを考えて経営はしていませんね(爆)
ある意味あっぱれ。
おそるべしドラマです。
もう、いや。・・何故?それだけは言わないでおこうと、思ってたのに・・。
問; 囁き声のマイダス社長 ≧ 大塚家具の長女 ≧ ∬ 。
@このドラマを経て、上記の∬を述べよ。※ 但し、
①半日感情(半分は、感情を持っていかれた)
②半日ドラマ(日がな一日、視聴するのは辛い、せいぜい、半日が限度のドラマ)
以上の文言に、言及せず、答えよ。
答;言及せずとも、ナッツ姫。 (手直しも不明にて、言及せず)
回答の手ほどき; 何処となくキレイな美人でも、やはり芸能人には叶いません、国を違えても、それは同じ。と、考えてみましょう。
あ、これは、間違いなく、毒舌です、はい。そして、個人的見解です。はい。
匿名さま、コメントありがとうございます♪
やっぱり~
触れてはいけなかったかしら?(爆)
あまりにもこのドラマ視聴時にタイムリーなんだもの。
プロキシ―・ファイトが。
実は「黄金の帝国」を視聴しながら、わが社に置き換え反省してました(爆)
同族経営の功罪をですね。
そういう意味で非常に、ためになったドラマです(笑)
鍵コメさま、コメントありがとうございます♪
お、「パンチ」ご覧になられたのね。
「黄金の帝国」が非常に面白かったので、私も「パンチ」視聴する予定です。
私はこのドラマが初の脚本家さんだったのですが、スリル、スピード、サスペンスがある作家さんなのね。
展開が早すぎて、夢中で視聴していました。
しかしこのドラマ好き嫌い別れるでしょうね。
「ウリ」の使い方なんてロマンチック(爆)なのにね。細部に実はロマンスが隠れているという分かりにくいドラマだけれども、そこがいいですよね。
ロマンスを探すには頭を使わないといけないことも、不人気の原因か?
やっぱり世間の視聴率なんてものを鵜呑みに信じちゃいけないと思いました。
コ・ス堕ちしなかったけれども、甘ったるい役よりも野心で押しつぶされそうな、そんなコ・スは良かったですよね。
yucaさん こんばんは~♪
「黄金の帝国」観ました!
私はこのドラマ好きでした!
面白かったです。
テジュとソユンの関係 この2人の会話
甘い甘いラブスト-リーよりも
私の萌スイッチを激しく強く押しました♪
yucaさんのお蔭で面白いドラマに出会えました。
ありがとうございました(^^)
日本の秋ドラマ何か観てますか?
私はかなり多くのドラマをチェックしていてすごく忙しいですが、
日本の恋愛ドラマ
作り手が視聴者の萌どころを勘違いしてるように感じて 悲しさを覚えます
ジヨンさん、コメントありがとうございます♪
>私はこのドラマ好きでした!
ものすごく、うれしい!
ジヨンさんと本当に好きなもの似ていますよね。
>私の萌スイッチを激しく強く押しました♪
そうそう。決して甘い展開は皆無なので、人にはオススメ出来ないのですが。
でもじっと目を凝らすとテジュとソユンの関係の底に流れる愛でもない恋でもないそんな甘ったるい言葉では、言い表せない情感がたまらなく魅力的です。
私も萌え萌えですよ。
もしかして今年視聴したドラマで1,2を争うくらい好きなカップルかもしれません。
いや、本当にこの感動を共有できてうれしい。
>作り手が視聴者の萌どころを勘違いしてるように感じて
うん。なんだか最近日本ドラマの「これが萌えでしょう」みたいな感じに辟易しています。
「大丈夫、愛だ」にコメントさせていただいたyumaです。
実はこのドラマ、2度挫折しているのですが、yukaさんともうおひとり、絶賛されている韓ドラブロガーさんがいらして、ぜひみなければと思って満を持して^^
季節も良かったのかな。夏でないと見れない、冬でないと見れない、というのがどうも私にはあって…
秋口から見始めたのがよかったのか、しっかりコ・スとイ・ヨウォンの美しい闘い、堪能しました。
以下、長くなりますがお許しください。
私の言葉になりますので、yukaさんとは表現が変わってしまいますが、反論ではないと受け取っていただければと思います。
テジュとソユン(そしてミンジェも含めて)のお互いへの執着が見ている側をこんなにも追いつめるほどの緊張感があったのは、まずコ・ス君とイ・ヨウォンというどちらかというと清潔感あふれるタイプの俳優二人のすがすがしいまでの悪役ぶりだったのかなと思います。
ソン・ヒョンジェssiの善悪両面を演じる上手さについては語る必要もなく…
美しすぎる二人が、お互いの「力」と「頭脳」(本当はもっと適切な二語があると思うのですが思いつかないパボ…)に執着しているのは、男と女のお互い足りない部分を埋めあいたい本能のようなものすら感じました。
決してソユンに「頭脳」がないと言っているではありません。ただ彼女はソンジン至上主義者であって、自分自身ではないから、すべて失っても自分のこの頭があればまた生き返ることが出来ると思っているだろうテジュに本能的に惹かれているのではないかと感じました。
このドラマ考えるより、感じながら(あら変な表現)視た方がいいのかも^_^;
だから、私もテジュは生き残っていると思います。舟、私も気になりましたし。
ソリという良心も捨ててしまいましたから、ソユンの元へいつか戻るでしょう。
こうやって文章にするととてもセクシーな(ヤラしいという意味ではないです)ストーリーに思えてきました(*^_^*)
やはりキャスティングが最高でした。
実は先に「パンチ」を見ていて、久しぶりのレウォン君堪能したのですが、キム・アジュンがイ・ヨウォンだったら良かったのになんて思っていました。まぁ元カノらしいから叶わないキャスティングだったのだろうけれど。
韓ドラは脇役陣が素晴らしいので、主役がダメでもそちらで楽しめることもあるのですが、このドラマは完全にツートップの魅力で出来上がったドラマだと思いました。
大変失礼をしてしまいました。
私yucaさんをyukaさんと綴ってしまいました。
本当に申し訳ありません。
yumaさん、コメントありがとうございます♪
>絶賛されている韓ドラブロガーさん
お、私もこの方の感想を読んで視聴を始めたような記憶があります。
しかしほとんどの方はかなり「黄金の帝国」に関しては、評価が低いですよね。
>秋口から見始めたのがよかったのか
うん、わかります。私も秋から冬にかけてはメロウなドラマを見たくなりますもの。この時期にはあまりロマコメは観ないの。
同じですね~!!
>美しすぎる二人が、お互いの「力」と「頭脳」(本当はもっと適切な二語があると思うのですが思いつかないパボ…)に執着しているのは、男と女のお互い足りない部分を埋めあいたい本能のようなものすら感じました。
うわぁ!凄いですね、本当にご指摘の通りで深くうなずいています。
この二人は欠けていて、その欠落を補うのに「力」を使っているという。
愛よりも大切なものは「力」を使うということなのかもしれませんね。
だからこそ、恋愛ドラマを求めている方にはこのドラマは不評なのです。
この二人の関係性は愛というわかりやすいものではないのですもの。
この緊張感あふれる関係性がしびれるくらい私にとっては魅力的で、同時にものすごく切ない、そんなドラマですよね。
>とてもセクシーな(ヤラしいという意味ではないです)ストーリーに思えてきました(*^_^*)
うん。セクシーだと思います。
愛だの恋だのにカテゴライズされない関係性が、面白いのよね。
>キム・アジュンがイ・ヨウォンだったら良かったのになんて思っていました。
「パンチ」ね、好評ですよね。私もキム・アジュンがちょっと苦手で4話でテイタイチュウ。
それを乗り越えなくちゃと思っていますが。
イ・ヨウォンが演じた役ってかなり好きなのよね。「善徳女王」「49日」「黄金の帝国」にしろ、愛に囚われない凛としたものを感じています。
「黄金の帝国」はキャストが皆さま素晴らしかったと思います。
が、一般受けはやっぱりあまりしないよね。
yumaさん、どもども~♪
大丈夫、読みは同じ「ゆか」ですし、あまり綴りにこだわっていませんので!
ご心配なさらずに。
私もしょっちゅう、俳優さんの名前を間違えていますし(爆)