ただ愛する仲
ただ愛する仲 Just Between Lovers 全16話 (2018年 韓国jtbc)
■演出:キム・ジンウォン
■脚本:ユ・ボラ
■キャスト:
ジュノ(イ・ガンドゥ)
ウォン・ジナ(ハ・ムンス)
イ・ギウ(ソ・ジュウォン)
カン・ハンナ(チョン・ユジン)
サッカー選手を夢見てきたガンドゥ(ジュノ)は、突然の事故で父を失い、怪我した足によって夢も消えてしまった。頼りになるコネも、学力も、特別な技能もないガンドゥは自然に路地裏で生活することになり、ただ耐える人生を生きて行く。しかし自分とは違い、痛みを隠したまま日常を懸命に生きるムンス(ウォン・ジナ)に出会い、ガンドゥは少しずつ変わっていく。
噛みしめるように、噛みしめるように1話、1話大切に視聴してきました。
このドラマは語ってしまったら、何か大切なものが私の中からこぼれ落ちてしまいそうで、ブログにも感想を書かずに噛みしめるように見ていました。
書かずにいたらあっという間に年末で、そろそろ視聴した感想を書かないとね、忘れてしまいます・・・
さて。
「ただ愛する仲」のことを思い返すと、2018年の冬から春にかけてのあの何とも言えない空気感を思い出す。
寂しさと新しいことへの期待感が入り混じったような、そんな空気。
視聴していた当時の空気感を思い返すことができるドラマは、私にとってなかなか稀有なドラマとも言えます。
不器用なドラマだとも思う。決して派手ではなく痛みに耐える人が、痛みとどう向き合っていくか、やり過ごしていくか、前を見つめて生きていくか。
そういうものが丁寧に16話かけて描かれる。
「ヒーリングドラマ」なんて煽り文句を見かけたりするけれども、登場人物たちは決して癒されない。
自分の心に深い傷を負いながら、決して癒されることのない傷を抱えながら、その傷さえも自分という存在を成り立たせているものの一部だと受け入れていく。
大切な人をある日突然失ってしまった、自分だけが生き残ってしまった、人間関係が壊れてしまったという傷は、ずっとガンドゥやウンスや、ジュウォンの中にあり続けるのだろう。
それでも、生きていく。前を見つめて。
そのまなざしが、やはり秀逸なドラマだった。美しいドラマだった。
「ただ愛する仲」ではジュノという俳優にすっかり魅了されたし、いい俳優さんだなぁと思います。
ドラマ終盤に向けて、ガンドゥの病気フラグがたちこのまま亡くなってしまうのかも・・・という展開になったのですが。
突然好転。いささかこの展開にはびっくりしました。
まるで夢のように。
物語の今までの流れを止めるかのような、ご都合主義。
その展開に対して、なんとなく腑に落ちないものを感じておりましたが。
視聴からずいぶん経って思い返すと。
悲しいエンディングを脚本家も想定していたのではないのか。
ところが話が進むほどますますガンドゥとムンスが心より愛していることが感じられて。
あまり心が痛くて「こんなに二人が愛するのに、幸せにさせなくちゃいけない」気になったのじゃないのだろうか。
キャラクターが生きていて、だからこそ物語の展開が彼らの願いによって変わってしまったのじゃないかとぼんやり考える。
ただ愛することだけが、どんなに難しくて、どんなに尊いものなのかを教えてくれた珠玉のドラマ。
★★★★★
yucaさん!
今年の終わりに、大好きな「ただ愛する仲」のレビュー、ありがとうございました。
この、地味だけれども、丁寧なドラマが本当に好きでした。
カンドウとムンス、カンドウとナ・ムニのおばあさん、カンドウと友達、、etc、そういういろいろな関係を
通して、カンドウが生きる力を与えられる物語。また、カンドウがみんなに力を与える物語でしたね。
ラストの死亡フラグとありえないハッピーエンド(笑)も苦笑ものでしたが、
もし、これがカンドウの死で終わる物語なら、もう、悲しすぎて見られなかったかもしれません。
確かに、カンドウとムンスの愛する力の強さが、結末を変えたのかも知れませんね。
今年はジュノに始まり、ギョンスで終わった2018年でした。
2人とも、笑うとあんなに可愛いのに、その笑顔も封印して、その無表情で雄弁に語る、
素晴らしい役者ですね。
カンドウとウオンドウギに完全に持っていかれました!!
次回作が、映画もドラマも、こんなに楽しみな役者が現れて、今年は実りが多かったです。
これだから、韓ドラはやめられないんですねえ(笑)。
どうか、いいお年を迎えてくださいね!!!
reiさま、コメントありがとうございます!
「愛する仲」、しみじみと心に染み入るいい作品でした。
そうそう、ありえないハッピーエンドには若干力が抜けたけれども。
サッドエンディングだったら立ち直れなかったと思います。
>今年はジュノに始まり、ギョンスで終わった2018年でした。
2人とも、笑うとあんなに可愛いのに、その笑顔も封印して、その無表情で雄弁に語る、
素晴らしい役者ですね。
そうなの!
笑わない(笑えない)男が、どうやら好きみたいです。
彼らの活躍を見守っていきましょうね!
今年も新しい魅力的な俳優さんに出会えますように★