死の賛美

死の賛美 He Hymn of Death 全3話 (2018年 韓国SBS)

■脚本:チョ・スジン
■演出:パク・スジン
■キャスト:
イ・ジョンソク(キム・ウジン)
シン・ヘソン(ユン・シムドク)

日本統治時代。東京で出会った天才劇作家キム・ウジンと美声のソプラノ歌手ユン・シムドク。道ならぬ恋に落ちた妻帯者と新女性の美しくも悲しい物語。

 

 

Netflixで視聴。

 

映画「カメリア」で不意にアイアン・プッシーが歌う「死の讃美」に涙した私。美しい物語に美しい歌。
「死の賛美」は私の中にそうインプットされていましたが。
イ・ジョンソクがこの作品に出演すると聞いてから、ずっと期待していましたが。
1話から、その期待は裏切られ。
私はこの作品に何を期待していたのかしらね。
物語の終わりは心中であるということは最初からわかっていたことではあります。

 

 

好きになるもの、好きでいつづけることも、死んでしまうこともあまりにも簡単なことにかすかに苛立ちを覚えます。
激変の時代にはその時代に抗う人たちか(「ミスター・サンシャイン」のような)、時代から目をそらし自分の内にこもり死を見つめる生き方しかないのか。
「死の賛美」は時代から目をそらし、美しい自分たちだけの世界に酔いしれ勝手に死んでいく男と女の話でした。
あるいは。
新しい朝鮮に感化されながらも、古い朝鮮の理の中でしか生きる術を知らない男と女の物語。

 

 

 


ドラマは2人のあまりにも、クローズドな世界のお話。
美しいけれども退屈なイ・ジョンソクのプロモーションビデオを観ただけ。
心中って嫌いなのよね、自分勝手で、自己本位的で、自分だけを愛しているようなそんな気がするから。
時代に歯向かえよ。
手に持っているものをすべて捨てて相手に殉じる・・・とは聞こえはいいけれども、私は失わないようにあがき続ける人たちが好きなのです。
時代に打ちのめされながら、自分の卑小さに絶望しながら、それでも闘い続けようとするドラマが好きなのだと思います。

 

 

このドラマに関しては辛口。

 

 

★★

その時々の、私の心の琴線に触れたモノ・・・ 小説や、映画、音楽、ドラマ、ファッションについてだけの簡単な備忘録。 Everything was beautiful and nothing hurt.

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。