嚆矢濫觴・・・琅琊榜22話まで
中国ドラマ「琅琊榜」22話まで視聴。
梁国の将・林殊(りんしゅ)は、父の林燮(りんしょう)が率いる7万の赤焔軍とともに敵国討伐に向かい、壮絶な戦いを繰り広げ勝利を収めたが、死闘により自軍は疲弊していた。そんな中、赤焔軍の前に味方が現れる。だがそれは援軍ではなく、赤焔軍を殲滅するために派遣された軍であった。これにより、林燮率いる赤焔軍は壊滅。皇帝の長男で賢王として評判だった祁王(きおう)は、反逆を企てたとして自害を命じられ、祁王の母親の宸妃(しんひ)も自ら命を断った。父から“生き延びろ”と言われた林殊は谷底へ落ちていくのだったが・・・。
そして12年後――。梁国では皇太子と誉王が激しい後継者争いを繰り広げていた。そんな彼らは「“麒麟の才子”を得た者、天下を得る」という琅琊閣(ろうやかく)からの助言を得る。“麒麟の才子”とは、梅長蘇(ばいちょうそ)と名前を変え、国の一大勢力のひとつ・江左盟の盟主となっていた林殊であった。梁国の宮廷に足を踏み入れた梅長蘇は、亡き一族や友、そして己の雪辱を果たすために、皇位をめぐる権力争いに身を投じていく・・・。
噂にたがわず、息をのんでしまうくらい面白い。
現在スカパーのチャンネル銀河で1日2話ずつ放映されているのですが、最初は1日に2話なんて無理だよと思っていました。
しかし今や1日2話でも物足りないくらい。
権謀ドラマなのですが、うねるようにダイナミックに展開されていく物語にあっという間に引き込まれていく。
中国ドラマと侮るなかれ。
脚本、俳優、演出、カメラワーク、音楽、アクション、どれをとってもドラマという範疇を越えた仕上がりで、良質な映画を見ているような気になってくる。
古今東西の良質な物語の換骨奪胎、融合し、新たな物語が生み出されているのよね。
白い靄がかかった物語のオープニング、流れる水、次第に誰かの顔のカタチになりながら(おそらく主役の梅長蘇か)しかし最後まで輪郭は曖昧のまま、1匹の蝶が表れクレジットは終わる。
まずこのオープニングに鳥肌が立つ。
それは「琅琊榜」と言う物語が極彩色の物語ではなく、あくまで白い世界の静謐な物語だというメッセージを感じるから。
復讐譚をおどろおどろしく描くのではなく、抑えた描写で視聴者に見せていく品の良さ。
輪郭があいまいな梅長蘇は、そのまま存在が曖昧な彼を表しているのか。
生きているのか死んでいるのか、片足あちらの世界に入ってしまっている梅長蘇。
誰もが彼を敬い、希い、しかし誰もが彼の冷酷さにおののく。彼の果断さに畏怖する。
梅長蘇は復讐を果たしたいのか、国を救いたいのか。
1匹の蝶はそのまま「胡蝶之夢」のようでもあり。梅長蘇は蝶になってでも、誰に会いたかったのか。
そんなイメージを膨らませるオープニングが秀逸。
余命あと2年(だったよね?)と冒頭で暗示される梅長蘇は、その命の輝きを費やし、12年もの歳月をかけて綿密に練り上げてきた復讐に身を乗り出す。
誰よりも情義に厚いはずの彼が、誰よりも非道の道を歩いていこうとする。
このドラマ、たびたびに「情義」という言葉が出てきて、キーポイントになってくる。
中国ドラマを見ていると韓国ドラマのように人間関係、人物設定を劇中で事細かく説明しないので最初は戸惑うのだけれども。
頭の中はフル回転で相関図を構築していかないといけないのが、また面白い。
骨太なドラマを彩るヒロインたち。
誰もが一癖も二癖もあるけれども、どこか書き割り的なヒロインたち。
彼女たちもまた、いずれも皆、何かを失ってしまった人たちなのだけれども、失ってしまったモノにいつまでも囚われている可哀そうなヒロインたち。
ただそれだけのヒロインたち。
ヒーローたちのキャラが立ち過ぎているせいか、あくまで彩りを添える存在のように思えてね。
梅長蘇のかつての婚約者霓凰郡主がヒロインなのだろうけれども、どうもね、切なさは伝わってこない。
女の勘で誰よりも早く梅長蘇の正体に気づく。
それすらも梅長蘇の計画のうち、いいように言い含められて彼を支える役回りをふられる。
恋とか愛というよりも、むしろ同志という関係性に見えてくるのは、真のヒロインが別にいるからなのか。
赤焔事案って何だったのでしょうね。
クーデターに見せかけられた陰謀劇なのですが、どうしてこの陰謀劇が成り立ってしまったのか。
まだまだ謎が多い。
「瑯琊榜」とは瑯琊閣というシンクタンク(笑)が発表する番付ですが、このドラマの登場人物たちは皆、その番付に名を連ねている。
皇位継承権、天下十大武術名手、天下十大美人、天下十大公子という具合に序列が明確にある世界。
皇位継承の争いだけではなく、ありとあらゆるところで序列争いが、強烈な上昇志向が渦巻いている世界観でもあります。
12年前の赤焔事案とは、その序列をひっくり返すようなだお事件だったのでしょう。
誰が、何のために?
まだまだ謎に包まれています。この事案に関与したのは誰なのか。
22話では赤焔事案の、おそらく遠因となった出来事が暴かれます。
19-22話までの展開はまさに神劇にふさわしい、起承転結の「承」の終わりを告げる展開でした。
それまでのスピーディーな、悪く言えば視聴者をも置いていくような展開から一転、ねっとりと、じっくりと蕭景睿の誕生日の1日を描いていく。
思わせぶりな伏線はあったけれども、そうなの、そういうことだったの!と視聴している私も驚きの連続。
長公主の愛が、謝玉の妄愛を呼んだ結果なのでしょうねぇ。
そして「瑯琊榜」と言う物語はここから怒涛の「転」のエピソードに突入するのでしょう。
この物語の醍醐味はここから始まるのです。
22話まで物語をけん引してきたヒール役の謝玉。私は好きですね。
報われぬ愛を抱く男。ほら、やっぱりこのドラマは女たちよりも男たちの方がはるかに陰影に富んで美しい。
男の方がロマンチストなのです。
長公主が自分に背いた時の謝玉のまなざしが、好き。
彼女のために築いてきたものが一瞬にして彼の手の中から零れおちる様を、茫然と見るしかなかった彼のまなざしが。
しかし決して屈しない彼のまなざしが。
22話で寧国侯の謝玉のエピソードは終わりましたが、まだまだ彼は屈していない。
しかし、蘇兄の深謀はまだまだ手始めなのでしょうね。
彼は全ての登場人物の後ろ暗い、隠しておきたい真実を白昼の元にさらけ出すのでしょう。
あの人も、この人も、実は蘇兄の手先じゃないのかと疑ってしまっている私です(笑)
あ、真のヒロインについては次回!(爆)
こんばんは♪
yucaさん、お久しぶりです。
私も毎日ワクワクしながら『琅琊榜』観てますよ~
通常、1日2話だと視聴がかなり厳しい中国ドラマなのに…
このドラマは1日5話くらいは軽く行けそうですよね?(笑)
台詞回し(脚本)が素晴らしいのは言うまでもなく…台詞のない場面の『間合い』が絶妙なのです、このドラマ。
日本の昔の時代劇にも通じるような…
そして時々流れる音楽に『水戸黄門』を彷彿させるようなの、ありませんか?
一見『復讐劇』のように思わせながら、実は『世直し』的な話であり『勧善懲悪』ぽい所が小気味良いのか…毎回お涙頂戴させられながらも心をすっきりさせる作用がある見たいな…上手く言えないけど…不思議なドラマです。
ところで真のヒロインって…男性ですか?
『琅琊榜』ってヒロインとヒーローが男女逆転してるドラマなのかなぁ?とか思ってます私。
主人公が心の底から求めているのは、その真のヒロイン(男性)だものね~
主人公自身も姫ですもの(見た目や所作が美し過ぎる‼)
架空の国の架空のお話なのに…
『梁』と言う国が恰も歴史上に存在したかのように視聴者に思わせちゃったドラマの作り手たちに拍手したいですわ~
この先、中国ドラマを見る目が肥え過ぎちゃって困りそうです(笑)
初めてコメントします。偶然こちらにおじゃましました。
私は韓国、台湾、中国のドラマを見ます。時間がないので縁があったもののみですが、日本と違って本数が多いので、人物も話も掘り下げて進むので面白いです。
琅琊榜、面白いですよね!静と動のバランス、霞がかったような一幅の画になりそうな映像、至るところに貼りめぐされた伏線、爆発しそうな感情を抑えた主人公の演技、たまらないです。
韓国ドラマのコメント見てもツボが近いようで、失礼ながら嬉しく思ってます^ ^
テヤンさま、コメントありがとうございます♪
ごぶさたしております。
いよいよ始まりましたよね、「琅琊榜」
1日5話でもいいくらいです。10話でも視聴軽々と出来るかもしれない(爆)
GWは放映が中止されていたので、軽いロスになっております。
あまりにもロスになっていて、とうとう誉王について考察までしている毎日でした、うふふ。
ちょっとばかし口がたつために、自分は頭がいいと勘違いしているおぼっちゃまですよね。
でもぼんぼんなので、基本的に疑う事を知らない男。
蘇先生を信じ切っているし、そばに置いている策士(なのか愛人なのか?・笑)も微妙なメイクだし。
>一見『復讐劇』のように思わせながら、実は『世直し』的な話であり『勧善懲悪』ぽい所が小気味良いのか
うんうん。
あるべき国の姿、理想を語っているからこそ、視聴していてカタルシスがあるのですよね。
>『琅琊榜』ってヒロインとヒーローが男女逆転してるドラマなのかなぁ?とか思ってます私。
はい、男子は皆ヒロインです!(爆)
ますます靖王に目が釘付けになる。
蘇先生も「風中奇縁」では不憫な病人だったのに、「琅琊榜」では生き生きと人生を送られているので私も嬉しい(爆)
>この先、中国ドラマを見る目が肥え過ぎちゃって困りそうです(笑)
いや、確実に目が肥えます。
中国ドラマだけではなく、ドラマを見る目が肥えるよね。
てでさま、コメントありがとうございます♪
>静と動のバランス、霞がかったような一幅の画になりそうな映像、至るところに貼りめぐされた伏線、爆発しそうな感情を抑えた主人公の演技
おっしゃる通り!
ドラマを見る目が肥えてきますよね。
20話あたりのお誕生日の一夜は息をのむ展開。そして次なるクライマックスへの伏線の時期ですよね、30話あたりは。
カメラワークも秀逸、映像も映画のよう。
韓国ドラマのように説明過多でもないので、結構視聴する側も頭を働かせないといけないし。
毎回緊張して視聴しております。
登場人物も個性的。
ドラマの醍醐味を味わっております。
>韓国ドラマのコメント見てもツボが近いようで、失礼ながら嬉しく思ってます^ ^
うふふ。
ありがとうございます。こちらこそ嬉しいです。
人間の努力って、底知れないわ、と、拝見したパラリンピック。
それに引き換え、ブログをする気すら起きない、己を恥じ入りましたが。
(ウフ、100万1回目の逃避ですことよ。残念でしたユカ様)
と、俳優さんの努力も、底知れないわと、感じ入ったのが、
タイトルすら読めない、このドラマ。
おお、これがユカさんが絶賛なさっていた、アレか。
と、ぼんやり見ていて居ります。
主役さん、暫く見ないうちに、渋くなったわ、偉いわ・・。
と、思っていたらば。
違っていました、ごめんよ、主役さん。
すっかりご無沙汰になった、金城武だと思ってたわ。
確かに彼の声より2音ぐらい低いし。
彼には、ここまで背中に何かを背負った哀愁は出せ無かったものね・・。
と、思ったらば、ご本人ご自身が壮絶な復活劇だったとか・・。
心底、偉い方だ。
それにしてもこのドラマ。もう少し、あちらの熟語を平たく翻訳してくれませんかね?
セリフが少ないんだから、字幕スピード落として。
意訳してくれないと、ついて行けない。
と、言いつつ、お顔で認識できる登場人物すら、まだ3人しか居ないけど・・。
(もう、15話に突入・・・) 頑張ろう、わたし。
FANさん、コメントありがとうございます!
おおお、「ろうやぼう」視聴ですか。いつの間にかBL視点で視聴していたことをここでこっそり告白します。
映像、カメラアングル、脚本と中国ドラマのレベルの高さを感じました。
確か、最初の敵との対決30話あたりがしびれたな~
その後の感想書いていないですね・・・書きます。
>お顔で認識できる登場人物すら、まだ3人しか居ないけど・・。
わかる、わかるw~
脳の認識機能がフリーズしているんですよね。
そしてFANさん、ブログ書くの、楽しいよ~
・・・まだあきらめない私。
@ブログ・・・まだあきらめない私。
ほほぉ・・。楽しいなんて。
思ったこと一度もないのよ~、日記。
思い返しても地獄だったわ、夏休みの自由日記。
親の事前点検で、既に地獄の入口(日記を点検するって、どうよ?)
提出したらば、教師から。文章と絵が相まって居ないと、更に添削。
文房具屋さんの、鍵付きの日記を購入する人を尊敬しましたよ、小学校時代。
と、そんなことより。
@BL視点で視聴していた・・
わかりましてよ、このドラマ。
女優さんのご活躍が、物凄く置き去りにされてますよね。誰が誰のお母さんで。
お后様と皇女様の年齢が、ほぼ一緒に見えるので、更に分からない。
取りあえず、主役さんと猿飛びサスケの関係が崩れないことを祈っております。
(冒頭で、父上ぇぇぇ!!と叫んでいる坊やが、主役さんなのかも分かっていない)
FANさん、コメントありがとうございます♪
>女優さんのご活躍が、物凄く置き去りにされてますよね。
ヒロインが置き去りにされますからね。いやむしろ物語の後半、ヒロインがヒーローになって帰ってきますから。
そしてヒーローがヒロイン化しますから。
そういうところも好きですね。
>思い返しても地獄だったわ、夏休みの自由日記。
そうそう。同じく。
ブログも放置するくらいですから(笑)
鍵コメさま、コメントありがとうございます♪
ご心配おかけしております。
9月の更新、すごいよね。4か月も沈黙してきたのに。
放置ブログなのに時々のぞいていただいたみたいで感謝です。
まったりと、ゆっくりとブログやっていきますね。
やっぱり誰かと繋がっていたいから。
ドヘぇっ!!驚愕。
@後半、ヒロインがヒーローになって帰っ・・
・・・ぇぇええ?・・・うっそ~ぉぉん(嘘ヤロ)。
これは、雲行きが怪しくなって来たぞ?まさかのアレをするのだろうか?
(FANさん、何の動揺?)
いえ、このドラマ、主役さんが病弱設定なので。
わたしが最も苦手とする、ジェット噴射の跳躍アクション。
主役が飛び回らない、これが幸いでした。
いや、分かるんですよ、あれはあれで、きっとカッコいいのでしょう。
大国さまのワイヤーアクションの先端技術。
ロードオブTHEリングの弓の放物線より、ありえない跳躍が出来る人間、凄いですよ。
しかしなぁ・・、ブルースリーが、妙に恋しい・・。白兵戦はリアリティが欲しいのよ・・。
(ここで、ジャッキーは恋しくなれない自分が恨めしい)
そうか、ヒロインがヒーロー化するのか。。。
困ったなぁ・・飛ぶんだろうなぁ、崖とか谷とか。飛ばないで欲しいなぁ。
こそこそっと薬や毒草を、袖の下から忍ばせる。
或いは、体で君主を凋落する、これがヒロインの不文律よ。
ああ、主役さんが血を吐きながら空中を飛んだら、どうしましょ・・。
その時は、リタイア部屋で反省しておきます。
どうしましょう?(・・何が?)
ユカさん、どうすれば良いのでしょう(・・だから、何が?)
今現在、15話の途中まで頑張っています・・(まだ、そこ?遅いね・・、FANさん)
郡主様と、うっすら見えて来た、ラブロマンス。
(この人の主役さんへの、兄さん!!という呼称の重要度が、未だ解らない・・)
まぁ、恐らく。ここがラブロマンスの要なんだろう。(あんまり興味が無いのね、FANさん)
しかし。ああ、分からない、ちっとも、心に食い込まないワ。
何がしたいのだろう?主役さん。
伏線と登場人物が多過ぎて、主役さんの算段が全く見えず・・。
気のせいか、究極の自己満足オトコ ≒ ハムレットに見えて来たぞ・・。
今のところ。
蒙兄さん、とやらの処遇で、右往左往しているようなのですが。
朝廷人事の重要人物かなぁ、蒙ニイサン・・。
何より、こんなボンクラ朝廷が統治している世情の動向が、
全く見えないので、興味が薄れているのでしょうか・・。
(現実世界の、築地移転と首都のお金の流れがここ最近の最大の興味なのは否定しません)
ユカさんがのめり込まれていたので、わたしも頑張っているのですが・
なんでしょう?主役さんの妖艶さよりも。
回りくどい手腕と根回しに、段々、飽きてk・・・
いえ!!飽きてませんことよ。
頑張れ、蒙兄さん(ニイサン表記って、多分、軽い扱いの人なんだろうね・・、気の毒な人だ)
しかし、このドラマ、誰に感情移入するのが、ベストなのかしら・・流れが掴めない・・。
FANさん、コメントありがとうございます♪
そうそう楽しみにしてくださいませね。
かっこいいんだから!
FANさん、どもども~♪
>郡主様と、うっすら見えて来た、ラブロマンス。
いやロマンス吹っ飛びますから。途中からBLになりますから!そこまで我慢。
>蒙兄さん、とやらの処遇で、右往左往しているようなのですが。
蒙兄さんは唯一の息抜きキャラです。ひげ面だけれどもカワユスなのです!
まあ確かに一気視聴で夢中で視聴しましたが何しろ5か月前の話なのでね・・・
記憶がおぼろげになってきます。