ここで歌うの、それが、おらに出来ることなの・・・あまちゃん151回

a0192209_20473719「あまちゃん」151回。

 
■ 天野春子最強伝説 ■

「そりゃおめえ、春子は北三陸の初代積木くずすだもの」
ちょっと、やめてよ弥生さん。
「コーヒー牛乳買ってこいって言われて、カフェオレ買ってきた男子がぶっ飛ばされたんですよ」
「あ、それおらだ。甘さが足りねえって言って殴られて、前歯が飛んだの」
菅原君も安部ちゃんも、思い出さなくていいから。
「優しい一面もあったべえ。苛められてる小学生、助けたり」
そうそう。
「かばん潰して中さ鉄板入れて、武器にしてましたもんねえ」
吉田~。あんた学年全然違うじゃん。
「懐かしいなあ。天野春子、最強伝説」
「県内最大規模の暴走族グループ、解散に追い込んだの、春子さんだって聞きましたよ」
「袖が浜に、渡り鳥が来なぐなったのも、春子さんのせいだって聞きますもんねえ」
「優しい一面もあるって!子犬拾ってきて可愛がったり・・・」
そうそうそう。
「駅長さん? やけに肩をもつじゃない」
「まあ、春子は俺に惚れてたからな」
・・・大吉さん?
「ああ見えて、積極的な女でね、猛烈にアタックされました」

もう笑った笑った。「天野春子最強伝説」
「あまちゃん」終盤になっても、まだまだ明かされていない春子のスケバン伝説があるのね。
大吉さんだけが弁護していたけれども、「春子が俺に惚れていた」と言いだしては、大吉さんが春子を弁護した全部が嘘だと思っちゃいますよね~
春子の最強伝説を聞くたびに、東京で太巻氏に妙に弱気だった彼女とのギャップを感じます。
あの頃、太巻氏にこのくらい、がつがつと追いこんだら今頃はアイドルか。
・・・いや、春子の悲劇は自分が目指していたアイドルと、自分の本質スケバンのかい離が大きすぎたからかもしれない。
本質のスケバンを殺してまでもアイドルになれなかったんじゃないかな。
そう考えると、今の社長業は適職です。
「はあ~」と言い続けているけれどもね。

 

 
a0192209_20575853 「私たち、おばあちゃんになってもずっと潮騒のメモリーズです!」
ユイちゃんの東京決別宣言でもある。
「東京も、北三陸も、私に言わせれば日本なんで」とは忠兵衛さんのセリフでもありますよね。
会いに行けるアイドルとしては、理想形ですよね。自分に会いたければ、皆来ればいい、なんて。
ただ、やっぱりユイちゃんは、トンネルの向こうも見なくちゃいけない、とも思うのです。

 

 
a0192209_214643「ここでやっていきます。アキちゃんと、水口さんと一緒に潮騒のメモリーズで」
潮騒のメモリーズはミズタクを必要としている。自分が必要とされている場所があると、改めて自覚するミズタク。

 

 
a0192209_2161220「北三陸で琥珀を掘って楽しいか」と太巻氏に聞かれるミズタク。
楽しいとか、楽しくないとかじゃなくて、自分が自分らしくいられる場所なんでしょうね。

 

 
a0192209_218099「これ見てると、真ん中のアリがユイちゃんで、そのまわりを固める樹液が田舎の、地元意識なんじゃないかって。アキちゃんみたいに日の目を見る事はなかったけど、地元意識に守られて、ユイちゃんの魅力は、永遠に、色褪せないっていう・・・」
ミズタクのユイちゃん論ですが、私も「ごめん、全然わかんない」です。
むしろ、ユイちゃんが地元意識にがんじがらめになって、北三陸から出られない・・・という恐ろしさを連想しちゃうよ。
ユイちゃんが北三陸から出られないのは、ある意味ホラーの様相を呈していますもの。
アリというのはユイちゃんというより、アイドルたちへの思い出なんでしょうね。
スケバン春子の思い出を核として、皆の懐かしく思いだす気持ちが樹液となって周りを固め、輝きを増す琥珀となる。
夏ばっぱの初恋を核として、♪ いつでも夢を ♪ が樹液となって周りを固め、輝きを増す琥珀となる。
あるいは、ミズタクのアキちゃんへの言葉にしなかった思いは、その熱は、誰にも知られずにひっそりと積っていくだけなのかも。琥珀のように。
そして彼のアキちゃんへの思いは、琥珀の中に閉じ込められた虫のように、時間をかけて閉じ込められて、ひっそりと静かに輝くのかもしれない。

 

 
a0192209_21181366「これはプロには到底マネできない。雑なのに愛がある。プロでもない、素人でもない。アマチュアのなせる業。まさに、アマカフェだ」
太巻氏はいつも、物事の真髄を冷静にみつめているなぁ、と思います。
自分に大事なものをよく知っている、まさにクリエーターの目を持っています。
彼にとって、鈴鹿ひろ美がどれだけ大切なのか、春子を影武者にしてさえも、誰を傷つけたとしても。
「あまちゃん」のドラマって、実は男たちが羽ばたいていく女たちを支えるドラマでもあると思うのです。
このドラマでは、女性のなんて、強くてしたたかで、軽やかに描かれていることか。
「あまちゃん」の女性たちは、常に何かを求めて、そして飛び立っていってしまう存在なのかもしれない。
男は常に残され、彼女たちを追いかけていく存在なのかもしれない。
「あまちゃん」には太巻氏の鈴鹿さんへの愛、正宗さん、大吉さんの春子への愛、忠兵衛さんの夏ばっぱへの愛、ストーブさん、センパイ、ミズタクのアキちゃんへの愛が根底に流れているよね。
クドカンが照れ屋さんだから、愛を正面からドラマでは扱わないけれども、根底に流れる愛をいつも感じます。

 

 
a0192209_21265638太巻氏がプロデューサーとして海女カフェを評している間に、「お金を出すのか出さないのか」で一喜一憂する奴ら(爆)
都会の人は「戦術とか戦略」「コンセプト」なんてコムズカシイ理屈を使わないと前に進めなかったりするけれども、意外に地元の人はそこら辺をすっ飛ばして、直感で素晴らしいものを作り上げたりする。
でもそのことに気付かない。

 

 
a0192209_21295222「まずいですよね」
とミズタクが言う「まずい」と太巻氏が言う「まずい」は微妙に意味合いが違う。
鈴鹿ひろ美の移ろいやすい音程のことを考えて「まずい」と思うミズタクと、海女カフェを取り巻いている「愛」「希望」を鈴鹿が損なうことがあってはまずいと思う太巻氏。
飛べない鳥たちが北三陸に集うのとは違って、冷静に現状を把握し「自分ができること」をやろうとする太巻氏は何気にかっけ~です。

 

 
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a0192209_21333520「ここで、歌うの。それが、おらに出来ることなの」
「僕も、僕にできる事やるよ」
「あまちゃん」というドラマを通して登場人物たちは「自分にできること」「自分にしかやれないこと」を見出していく。つまり「自分」を見出していく。

 

 
a0192209_21353256あああ、あと何回春子の「はあ」が聞けるのかなぁ(涙)

その時々の、私の心の琴線に触れたモノ・・・ 小説や、映画、音楽、ドラマ、ファッションについてだけの簡単な備忘録。 Everything was beautiful and nothing hurt.

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  • コメント ( 3 )

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  1. はづきす

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    yucaさん、こんばんは!
    いよいよあまちゃん最終週が開幕してしまいましたね(泣)

    この回、ユイちゃんの口から「水口さんと一緒に」という言葉が聞かれるなんて♪♪とても嬉しかったです。水口、思いがけず頼りにされてますね!
    この回を見て、もうミズアキエンドでなくてもいいかもと思えてきました。
    3人が、アキと水口が、恋愛以上の絆で繋がってるように思えて満足してしまった(*^-^*)

    でもユイちゃんは本当に北三陸へ行かなくても満足してるのかな…ひそかに私の中で、今後の見所になってます。

  2. moonlight-yuca

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    ♪はづきすさん、コメントありがとう~♪

    もう、本当に終わっちゃいますよね。
    >もうミズアキエンドでなくてもいいかもと思えてきました
    そうなの~っ!?
    っていうか、果たしてアキちゃんは先輩と付き合ってるのでしょうか?(笑)
    ち~っともそんな気配がないですよね。

    クドカンのことだから、大逆転あるかも・・・と思っているのですが。
    春子と正宗、大吉と安部ちゃん、鈴鹿と太巻ってなんとなく伏線はありましたが、アキちゃん関連のラブラインはち~っとも読めません。

    >ユイちゃんは本当に北三陸へ行かなくても満足してるのかな
    うんうん。
    トンネルの向こうには走っていってもらいたいですよね。

  3. moonlight-yuca

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    ♪鍵コメさま、コメントありがとうございます♪

    いやああ、あと残り3回なのに展開が読めない。
    というより、展開はなんとなく予測できますが、どう捻ってくるかがわからない。
    クドカン、すごいや!

    ひねってくるので、どこでどうなるか、誰と誰がくっつかも今一つ読めません。
    とにかく最終週のクオリティが半端ないですよね。