まだ君は知らない、僕の気持ちを・・・雲が描いた月明り8話まで

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韓国ドラマ「雲が描いた月明り」8話まで視聴。

【あらすじ】
女性だが男性として生きているホン・ラオン(キム・ユジョン)。彼女はお金をもらって恋の相談をする女心の専門家として活躍。ホン・ラオンは明るく、図々しい性格の持ち主だ。イ・ヨン(パク・ボゴム)も似たような性格の持ち主だった。イ・ヨンは学問に熱を上げる皇太子のように見えるが、実は遊び好きな世間知らずである。
そんなふたり、イ・ヨンとホン・ラオンは運命的に出会う。チョン・ドクホ(アン・セハ) はホン・ラオンに、普段自身がラブレターを書いていた女性に自身の代わりに会ってほしいとお願いする。仕方なく待ち合わせの場所に行ったホン・ラオンはイ・ヨンに出会った。イ・ヨンは妹のミョンウン姫(チョン・ヘソン) の代わりに出たのだ。その内訳を知らないホン・ラオンはチョン・ドクホが男性に恋をしたと思った。イ・ヨンはホン・ラオンの正体を疑いながら刀で脅かした。
その後、2人は地面のくぼみに一緒に閉じ込められた。イ・ヨンのおかげでホン・ラオンは、くぼみから出られたが彼を助けずに去った。しかし、ホン・ラオンの苦労は続いた。恋愛相談のせいで手配されたホン・ラオン。キム・ユンソン(B1A4のジニョン) のおかげでやっと家に戻れたが、不良たちによって宦官契約書に爪印を押してしまう。
そして連行されるように宮廷に連れて行かれる。ホン・ラオンの性別がバレるのは時間の問題。ホン・ラオンは夜遅くの脱出に試みる。しかしその瞬間、イ・ヨンとばったり出くわした。イ・ヨンはホン・ラオンに向かって「会えて嬉しいな、ワンコロ」と意地悪く笑った。
(http://www.kstyle.com/より引用)


 

男装女子の物語は、どうしてこんなにも私たちの心を鷲掴みにするのだろうか。
「リボンの騎士」からか。「ベルサイユの薔薇」、「花咲かりの君たち」、「東京クレイジーパラダイス」、「BASARA」などなどの少女漫画。
あるいは「コヒプリ」、「美男ですね」、「成均館スキャンダル」、「善徳女王」・・・男装というギミックを使っている物語は枚挙に暇がない。古くはアマテラスの神話から始まったのかしら。
女性という性を隠すことがそのまま、自分という人間の意味への問いかけになるのよね。
ある日突然恋に堕ちて、それも真っ逆さまに堕ちて。
自分がそれまでかぶっていた男装という仮面の隙間から、とめどもなくあふれてくる自分の恋心に戸惑う。
コントロールできない熱い、狂おしい、手に負えない感情。
物語の中での男装とはこの世界で生きていく手段。ありのままの自分で生きていられないこの世界で生きのびるために、彼女たちは男子の仮面をかぶる。
でもやっぱり人間は、自分を殺してただ生きていくことなんかできないのだから。
だから仮面の下に隠れる本当の自分を愛する人に見つけてほしい。常識に縛られることなく、身を隠すためでもなく、自分がありのままの自分で世界と関わっていきたい。
そんな女の子たちのありのままの自分を認めてほしいという狂おしい願いが恋というカタチになって表れるのだろうか。

 

 

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な~んて、コムズカシイことはそっちのけで、このベタでばかばかしくって、とてつもなくスイートな世界観に浸るべし!
「成均館スキャンダル」を彷彿とされる方も多いような「雲が描いた月明り」
確かに男子3人と男装ヒロインという設定、閉鎖された空間(成均館と宮中)で繰り広げられる濃密な人間関係と暗雲立ち込める時代の流れ、男装というギミックから引き出される男女の勘違いによるオカシミ。
似ています。「成ス」だけではなく「太陽を抱く月」ともなんだか似ているなぁと感じていましたが、原作はウェブ小説。
なるほど、ここまでの乙女のロマンチックな願望を力技で物語にするのはウェブ小説ならではかも。
そして男装女子ドラマのだいご味は、ヒーローとヒロインの距離感が序盤から限りなく近い、ということだよねと再発見。
とにかく「雲が描いた月明り」では距離感が近いっ! 身もだえするくらい近いっ! 恥ずかしくなるくらい近いっ!
しかも今回世子さまのお世話係の内官というヒロイン設定で、その近さは折り紙付き。
なんたって5歩以上離れることを許されない関係だもの。劇中その設定はますます過激に、「一歩以上離れるな」って。
書いている私ですら年甲斐もなく赤面してしまう設定です(笑)

 

 

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「雲が描いた月明り」このタイトルはどういう意味なのかしらとググってみると、「雲」は民衆、「月明り」は王だそうです。民衆が理想の王を創っていくのだとういう意味。
あるいは「雲」は私たちで、私たちが思いっきり爆裂する乙女チックなロマンス願望、べたべたなコテコテなたまらなく甘い妄想で、密かな夜の「月明り」の物語を描いていくのかもね。
そのくらい、甘い物語。ほろ苦さは8話まではエッセンス程度でしか描かれていません。おそらくこれからはほろ苦さ、もの悲しさ、切なさが前面に出て、私たちを身もだえさせるのでしょう。
このドラマが面白いのは、男装女子という秘密をいつまでも引っ張らないということです。
イ・ヨンは男に恋している(しかも宦官に)自分にさほど悩まずに、さくっと己の恋心に向き合って恋に堕ちた自分を認めます。
この恋が、自分にとって何よりも大切なもの、かけがえのないものだと認めるし、彼の決意と同時にあっさりとラオンの正体がわかります。
とにかく展開が早い。だいたい、男装女子ってわかるだろう、いい加減に気づいてよという、あまりに鈍いヒーローは視聴していくうちにイライラしていきますものね。
視聴者がイライラしない構成は、男装女子の物語の最新型でしょうね。
序盤はラブコメで視聴者をひっぱり、中盤からはロマコメ、そしてメロウな展開に。もう酔いしれるしかないですよ、「雲が描いた月明り」に。

 

 

 

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女の子に戻った姿に一目ぼれする、目の前で他の人間に連れていかれそうになれば「私の者だ」と言う、池に落ちたら身分も何も考えずにとっさに自分も飛び込みラオンを助ける、ラオンが目の前にいなければいつも探してしまう、手籠めにされそうになれば今置かれている国の状況も考えずに助けに行く、意地悪されていたらさりげなくかばう、何が何でもラオンを助ける。
彼女をいつでも目で追ってしまう。
彼女の願いが叶うことが自分の願いであると言う。
これでもかという乙女ロマンチック状況が爆裂。
仕事をしていてうたた寝するヨンをのぞき込むラオンの姿は、「イタkiss」の琴子を思い出させませんか?
あのシーンも、このシーンも、ひとつひとつはどこかで見たシーンなんです。
どこかの物語で身もだえたシーン。
それが怒涛のごとく波状攻撃で矢継ぎ早に襲ってくるのだから。
たまらない・・・

 

 

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中でも完全にノックアウトされたシーン。
清に連れていかれそうになったラオンをヨン、ユンソン(ジニョン)、ビョンヨン(クァク・ドンヨン)が助けに行くシーン。必見です。
甘い物語は、あまりに甘すぎると毒薬になるんだということを教えてくれる。
甘すぎて、恥ずかしすぎて、私の心がもたない(爆)
どちらかというと8話まではキャラクター説明、人間関係を築いていく展開でしたが、ここからはますます政治が絡んでくるのでしょう。
暗愚なふりをしている聡明な世子さまヨンですが、国のためにテクノクラートと対立していくには自分の参謀や右腕がもっと必要です。
恋にうつつを抜かす姿も愛おしいですが、やはり王である姿も見せてほしいのです。
そのまっすぐなまなざしで、国を見つめてほしい。
ラオンを見つめるように。
そしてラオンにも出生の秘密が。
ここからのメロウな展開はロミジュリになるのか。

 

 

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主役の男子3人はそれぞれ魅力的な造形、キャラクターが描き分けられていますが、私のお気に入りはビョンヨン!
武骨で影があり、ぶっきらぼうだけれども繊細で、何より手芸上手(笑)
ビョンヨンはビョンヨンで秘密があり、彼の持つ秘密がいつしか親友ヨンと対立するかもしれない。そこら辺の彼の苦しみもしっかりと描いてほしいなぁ。友情と忠誠と使命にがんじがらめになって苦しむビョンヨンが見てみたいです。
演じるクァク・ドンヨンは「思春期メドレー」でもいいなと思ったのですが、こんなに格好良く成長しているなんて。
これからも楽しみな俳優さんです。

 

 

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ヒロインを全力で愛する報われない2番手ヒーローのユンソン(ジニョン)
綺麗な子だなぁと思います。
この3人に囲まれてのラオンは幸せだわ。演じるキム・ユジョンはくりくりした瞳で感情を語ります。
一時期むっちりしてこのまま女優さんとしては難しいかもと思いましたが、思春期を過ぎつつありきれいに脱皮してきたわよね。
何よりもキム・ユジョンちゃんの清冽な存在感が、この荒唐無稽なドラマを嫌味なく成り立たせているんだろうなぁ。

 

 

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パク・ボゴムくん! 「応答せよ1988」の時からテク派でしたから。
なんかテクが幸せそうにしているだけで嬉しくなる。それだけでごはんが3杯おかわりできそう(笑)
意地悪そうな、しかし思いっきり愛がダダ漏れなツンデレ世子さまを堪能しなくっちゃね。長生きしてくださいね、世子さま。
ヨンとラオンがなぜ強烈に惹かれ合うのかの考察はまた次回。

 

 

しか~し、冷静に考えると宦官の男装女子って男装女子の進化形の物語だわ。

 

 

その時々の、私の心の琴線に触れたモノ・・・ 小説や、映画、音楽、ドラマ、ファッションについてだけの簡単な備忘録。 Everything was beautiful and nothing hurt.

  • コメント ( 2 )

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  1. rei

    yucaさん、こんにちは♪

    うーーーん、甘い甘い甘い、喉がヒリヒリするわ、「雲月」。
    中学生が妄想で書いた、小説みたい(笑)。
    でも、なんだろうか、見ずにはいられない魅力ですね。
    ここまで徹底して少女漫画だと、むしろ潔いいというのか。
    んわけないだろうよ!と、思いつつ、この超絶可愛い2人に目が釘ずけです。

    「太陽を抱く月」を思わせる、幼馴染だけど立場で変わって行く友情、、、とか。
    チョンイル演じた、永遠の二番手くんのような、ジニョンとか。
    「ソンス」におけるコロのような、ピョンヨン、とじゃ。
    おまけに、メインテーマ曲が、私もの生涯の?ベスト韓ドラの「アイルランド」と瓜二つ!

    私も、テク派だったので、1988の出演者と被ってて、ちょっと嬉しいです。
    テクが、こんなに男らしい声出すのね、、、(涙)とかね。
    とにかく、今後の超胸キュンに期待です!!!

  2. yuca

    reiさま、コメントありがとうございます♪

    胸やけしそうな甘さなのに、どうしても欲しくなる「雲月」

    >中学生が妄想で書いた、小説みたい(笑)。
    そうそう、ウェブ小説なので妄想がてんこ盛り状態。
    中途半端な妄想は面白くないのですが、ここまで突き抜けていくと甘さが爽快になる(爆)
    本当に超絶かわゆい。
    しかし周囲の内官の動揺はお察しします~ なんたって世子さまと宦官なんだもの!突き抜け方がすごいよね。

    やっぱり「成ス」「太陽抱月」を彷彿とするよね。
    こういう妄想超絶オトメチックファンタジーが自分のストライクゾーンであることを再認識しましたよ!

    とにかく絶不調だった私に、ドラマの面白さをふたたび教えてくれました。

    >テクが、こんなに男らしい声出すのね、、、(涙)とかね。
    うんうん、テクや大きくなったね・・・みたいな感じで見ています(爆)

    楽しみなドラマが増えました!一緒に胸キュンしましょうね!!