ホグの愛

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ホグの愛 Ho-gu’s Love 全16話 (2015年 韓国tvN)

■演出:ピョ・ミンス
■脚本:ユン・ナンジュン
■キャスト:
カン・ホグ(チェ・ウシク)
ト・ドヒ(ユイ)
ピョン・ガンチョル(イム・スロン)
カン・ホギョン (イ・スギョン)

【あらすじ】
恋愛経験ゼロの純情男子カン・ホグ(チェ・ウシク)。初恋の相手は「韓国の人魚姫」と言われる韓国代表美少女水泳選手ト・ドヒ(ユイ(AFTERSCHOOL))。高校時代の同級生だが、当時からスターであったドヒが、成績も下から数えた方が早い影の薄い自分のことなど覚えているだろうか…。
そんなある日、家に届いた同窓会の案内状!念願の再会を果たしたホグのことをなんとドヒは覚えていた。ホグを惑わす彼女の言動の数々。これがうわさの「サム(付き合う前の微妙な関係)」かと舞い上がるホグだったが、ドヒは「クリスマスに会おう」と言い残し突然音信普通になってしまうのであった。それでもホグは彼女を待ち続けるが、クリスマス直前に出会った彼女のお腹には、なんと赤ちゃんが!さらにホグは出産に立ち会うことになり…。
音信不通の数ヶ月にいったい何が?そして子供の父親は誰なのか?波乱万丈な危ない恋愛に一歩足を踏み入れてしまったホグの運命は?


 

私が熱愛してやまない「イケメンラーメン店」の脚本家の新作ということで、「ホグの愛」も楽しみにしておりました。
「イケメン」で楽しませてくれた言葉遊びや、時間の巻き戻し、登場人物の行動の裏にはこんな真実がとか、アニメーションなどの手法を駆使してドラマを彩っていきます。実験的な仕掛けをする脚本家だなぁ。
それがすべて功をそうしたかというとそうでもなく、空回りして冗長になったシーンも多々あるかと。
「波乱万丈な危ない恋愛」とキャッチには書かれていますが、純愛のドラマでもあります。登場人物4人の純愛の物語。

 

 

 

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ホグを見ていると、ドストエフスキーの「白痴」のムイシュキン公爵を思い出します。
「白痴」をうんとライトに、キュートにポップにした物語が「ホグの愛」なのかと。
ホグの愛とムイシュキンの愛は同じ形。FOOLという、相手のためにすべてを投げ打つ愛の形。

「私は何にも知りません、ナスターシャ・フィリポヴナ。私は何も世間を知りません。あなたがおっしゃる通りです。しかし私は・・・私はあなたを愛することによって、私があなたに対してではなく、あなたが私に名誉を与えてくださるのだと考えています。私は取るにたらない男です。しかしあなたは様々な苦悩のあとに、その地獄の中から清らかな人として出てこられたのです。それなのに何をあなたは恥ずかしがって、ロゴージンと行こうとしているのです?ナスターシャ・フィリポヴナ・・・あなたを愛しています。あなたのためならば死んでも構いません、ナスターシャ・フィリポヴナ。私は誰にもあなたの陰口はきかせません、ナスターシャ・フィリポヴナ」

「白痴」より引用

公爵の愛の告白とホグの物語中の思いは、同じ形。
ドヒのために、世界と関わり馬鹿を貫き、そして周囲を変えていく。
ドヒを覆っている影を追い払うために、馬鹿を貫き、世界とひっそりと戦うホグの愛の形。
「この現代において無条件に善良な人間は滑稽たらざるをえない」というドストエフスキーの公爵造形の言葉があるが、ホグもまさに滑稽なキャラクター。しかし滑稽の奥にあるゆるがない力が私たちを感動させるのだろうなぁ。

 

 

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A BOY MEETS A GIRLの物語です。前作「イケメンラーメン店」が聴者を大爆笑させながら、実は何気に「心を熱くして、生きているか?」と問いかけてくる物語だったけれども。
「一口でも食べれば、心が満ち足りて、一口スープを飲めば、体中が熱くなる…ラーメンがある」、ラーメンとは、すなわち、「恋愛」であり、「人生」であり。
そんな骨太なテーマをコメディに包んで展開した絶品ドラマだったけれども、「ホグの愛」が生きることを、親子をテーマにしながらもどこかくらい影に覆われている。
「イケメンラーメン店」では人生を謳歌していたけれども、私たちを襲い来る不条理な暴力から目をそらすわけにはいかない変化が「ホグの愛」にはある。その影が何なのかはあえて書きませんが。

 

 

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主役2人よりも、ガンチョルとホギョンの愛の行方にはおなかが痛くなるくらい笑わさせていただきました。このカップルを視聴するのが楽しみで、「ホグの愛」はリタイアすることもなく視聴完了できたのだわ。
ガンチョル!!
愛すべき男です。ある意味、ホグよりう~んと馬鹿。だって自分が誰に恋をしているのかがわからないのだもの。
彼の恋愛模様はもう少し見ていたなぁ。

 

 

★★★

その時々の、私の心の琴線に触れたモノ・・・ 小説や、映画、音楽、ドラマ、ファッションについてだけの簡単な備忘録。 Everything was beautiful and nothing hurt.

  • コメント ( 2 )

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  1. 匿名

    更新楽しみに待ってました。
    ドラマ視聴よりもyucaさんのドラマ考察ファンです。
    ブログを読まなければ、知らなかった&見なかったであろう作品を知り、いつも感謝してます。
    負担のない程度にまた紹介してくださいね。何年先の更新であっても待ち続けますよ。
    韓国はケーブル局・脚本家・ウェブ作品等、自由に実験的なことに取り組んでいてすごいな

    >ドストエフスキーの「白痴」
    ロシア文学ですか・・・。見るのが楽しみw

  2. yuca

    とくめいさま、コメントありがとうございます♪

    >ドラマ視聴よりもyucaさんのドラマ考察ファンです。
    えええ=33 こんなトンデモ考察を楽しみにしてくださってありがとうございます。
    紹介というよりは、心を動かしたドラマのことしか書けません。
    惰性で視聴したドラマの感想のテンションは低い(笑)
    でも、楽しんでいただけたら嬉しいです!

    >ロシア文学ですか・・・。見るのが楽しみw
    う~んとライトでキュートでポップですから、大丈夫です。
    献身的な愛のカタチが相手に通じるのは、視聴していて心があったかくなります。