Crossing the line・・・応答せよ1988 10話まで

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韓国ドラマ「応答せよ1988」10話まで視聴。

 

少年は男になり
少女は女になる
しかし男になった少年と
まだ女になっていない少女
成長の速度が違う時に
問題が起こる・・・
「応答せよ1997」より引用

 

 

やはり「応答せよ」シリーズは鉄板の面白さ。
1988年はソウルオリンピックが開催された年。
練炭ストーブ、水を汲んできてツボに入れていたり、ブロッコリーパーマ、学生運動、そして流れる音楽はフォークソング。
ご近所さんとの密接な人間関係も、80年代というよりも60~70年代初期の日本の情景を見ているみたい。
強烈な郷愁をそそる。そのノスタルジーのほろ苦さ。
私たちはこの情景からなんて遠くに来てしまったのだろうかと。
生活は遥かに便利になっているけれども、人間関係は逆に希薄になってきてしまっていて。
1988年代に韓国ソウルで繰り広げられる情景があまりにも濃密。
半地下で暮らしている家族、宝くじで金持ちになった家族、父子家庭、母子家庭、両親共働きの家庭。
狭い路地で肩寄せ合って育ってきた5人の子供たちが主役だけれども、これまでの「応答せよ」シリーズと違い「1988」ではむしろ大人たちも主役になっていることが特色か。
親だって実はいつも泰然としているわけではなく、日々に喜びや切なさや、悔しさ、哀しさを感じつつ生きているのだということを教えてくれる。
当たり前のことなんだけれどもね、子どもの時は親があんまり大人に見えて、悩みなんかないと思っていた。
でも親の年齢になるとわかるのよね。あの時、お父さん、お母さんも大変だったんだって。
大人だから強いなんてことはなくて、大人だってもろくって寂しいんだって。
「1988」はそういうことも教えてくれる。いいドラマだわぁ。

 

そしてやっぱり「応答せよ」シリーズで教えてくれるのは、成長の速度が違うことによるすれ違いと、線を越えていくこと。
幼馴染という線を越えて、自分の中にあるこの熱い思いを伝えられるのは誰なのでしょうね。

 

 

 

 

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【あらすじ】
トクソンが18だった1988年、建国以来最の行事であるソウル オリンピックが開催、大学入試の1989年にベルリンの壁が崩れた。大学に入学した1990年、MBCラジオ’ペ・チョルスの「音楽キャンプ」が始まった。
誰にでも自分が生きてきた時代は特別なので、その時代をはっきりと心に刻んでいる。
1988年、ソウル道峰(トボン)区双門洞(サンムンドン)にひとつの屋根の下に暮らす5つの家族。ご近所皆で食事を分けて生きた隣人たちを思いだす。 懐かしい思い出は今日を生きていく力になる。
「応答せよ1988」
私たちが過ごしたに関する話であり、その時期青春を送った、そして今の青春に送る人々への激励だ。
現在を生きて、耐えて、過ごしている皆に送るラブソング、春のように短かった、青春のように一瞬に過ぎ去ったそ1988年への旅行に出発しよう。

 

 

「応答せよ」シリーズは別名「初恋は実らないものではあるけれども、実ることもある」と私は名付けていましたが、「1988」では実らない!
この序盤の出だしがいいよね~!
ヒロインのソン・トクソン(ヘリ)は友人にそそのかされ、幼馴染のひとりソヌ(コ・ギョンピョ)が自分に気があると思い彼に恋心を抱くようになる。この展開がいいのよね。
自分から恋をしたわけではなく、相手が自分を好きでいてくれるのならば私も彼が好きかも・・・という展開。
恋に恋している段階なのです。
その人が自分に必要だから、その人がいなければ息ができないからという恋ではない。
しかしソヌは実は・・・という反転もいい。
そうそう初恋なんて実らないのですよ(笑)

 

 

しかしトクソンの気づかないうちに幼馴染のキム・ジョンファン(リュ・ジュンヨル)、テク(パク・ボゴム)は彼女のことを大切に思っているのだけれどもね。
愛されていることに気づかないヒロイン、恋を知らないヒロイン。
「1988」でもやっぱり成長のスピードが違うために恋のすれ違いが起こってくるのです。

 

 

 

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かつ「1988」が秀逸なのはヒロインがどちらの男の子を好きになるのかが全く読めない展開。
「1997」も「1994」もヒロインが結婚する相手がうすらぼんやり見えて、だから二番手スキーの私は毎回彼らが選ばれないことで苦しんだのですが(爆)
「1988」ではジョンファン、テクとどちらがトクソンの夫になるのか全然読めない!
幼馴染のトクソンが気になり、見守っているのに彼女の前に出ると素直になれないジョンファン。憎まれ口をたたいちゃう。
好きなのにいじめてしまうそんな小学生の男のようなメンタルを持つヒーロー。
好きだから大事にしてあげたいのに、上手く言葉にできない。なんともカワユイやつです。
トクソンを見ているから彼女がソヌにほのかに恋心を抱いていることも誰よりも早く気づきやきもきしちゃう。
ソヌのことも友人として大切だし、トクソンも大切。友情と恋心の板挟みになっている心優しき男の子。

 

 

 

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一方、囲碁の天才少年テク。なんだか彼を見ていると「3月のライオン」の桐山零クンを思い出して泣けて泣けて仕方がない私。
選ばれし天才なのですが、その才能を持つがゆえに普通の人の幸福を一切放棄してしまっているような、そんなストイックな生き方に泣けてくる。
どこか家庭の幸せを諦めているような、囲碁を通しての世界とのコミュニケーションは、彼自身の心をも切り裂くようで、ますます闇に墜ちていくようで、そんな痛々しい少年なんです。
そういえば「ミセン」のチャン・グレ(シワン)も思い出しちゃう。
ジョンファンもいい子なのだけれども、テクの不器用さを見ていると彼の恋の相手はトクソンしかいないような気がします。
トクソンとの恋が成就しなければ、彼は一生囲碁の世界で生きていきそうな、そんなオール・オア・ナッシングな雰囲気が漂ってきて切ない。
ジョンファンはね、トクソンとの恋が成就しなくても、ほろ苦い初恋の思い出をかみしめて他の女の子を見つけそうですが、テクは一生結婚しなさそう。
だから見ている私としては、テクを応援したくなるの。

 

 

そんな感じで夢中で見ている「1988」
あっという間に10話の折り返し地点に。感想を書く時間も惜しいほど夢中で視聴している証拠です。
さて、トクソンとジョンファン、テクの三角関係の最初の線を越えるのは誰でしょうね。

 

 

 

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うん、ソヌの恋模様も直球でいいよね。
こういう恋もステキ。彼はその率直さで、線を越えることができましたもの。

 

 

その時々の、私の心の琴線に触れたモノ・・・ 小説や、映画、音楽、ドラマ、ファッションについてだけの簡単な備忘録。 Everything was beautiful and nothing hurt.

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  • コメント ( 2 )

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  1. はる

    yucaさん、こんばんは

    このドラマの奥深さを
    サクッと、取りこぼしなく
    考察されてます

    テクの観察は泣けてくるほどです。
    孤高の人テク
    チャン・グレの眼差しを
    思い出しましたが
    テクの目は、絶望の淵を生きてるよう
    ジョンファンも良いんだけど
    テクの張り詰めた顔と
    トクソンを見た時の笑顔のギャップに
    堕ちました

    yucaさん、これからの考察も
    楽しみにしてます

  2. yuca

    はるさん~!!

    ありがとう。ありがとう。
    本当にね、はるさんが勧めてくださらなかったらこのドラマ視聴はもう少し後だったと思いますよ。

    本当にいいドラマでね、毎話しくしく泣いています。
    礼状を書く暇もなく夢中で視聴していますもの・・・

    >トクソンを見た時の笑顔のギャップに
    そうそう。なんだかね私でよければずっと横にいるのにと思っています。
    しかしテクは天然純粋少年のような顔をしてなかなか策士です。
    ここぞというときに、ずばっと素直に率直に迅速にドクソンに訴えかけますもの。

    もう折り返しです・・・
    いいドラマは視聴していてもあっという間なんですよね。