一致団結・・・帝王の娘スベクヒャン 26話まで

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国ドラマ「帝王の娘スベクヒャン」26話まで視聴。

 

 

 

いやあ、本当にどうしてこのドラマが打ち切りになってしまったのかが分からないくらい、毎話クオリティが高くって面白いのですけれどもね。
私はそんなに韓国ドラマの時代劇って視聴していないのですが、どうしてもその性質上、シリアスな展開に陥るじゃないですか。
政変だの、継承者問題だの、国家存亡の危機といった血で血を洗う抗争が、ダイナミックに展開していくイメージです。
武寧王の治世は百済の中興期(だよね、たぶん・・・)であるためか、このドラマからもどことなくのんびりとしたユーモアを感じます。
私が今まで視聴してきた時代劇のパターンは、主役が超シリアスで、脇役がコミカルな生き抜き部分を担当するパターンが多かったのですが。
「スベクヒャン」ではヒーローとヒロインが自らコミカルな部分も担当して、なんだか等身大の人物で好感が持てるのよね。

 
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鶏肉好き(笑)の事あるごとに離れ離れになってしまった妹ソルヒを忍んでは、人目をはばからずに号泣するヒロインのソルラン。
すがすがしいほど、女っ気がなくって潔いです。
機転がきき、時と場合によっては狂女だって演じたり、盗賊に立ち向かったりする度胸。
彼女の中では、妹LOVEが全ての基準になっているのよね。
美しく、はかなげな(ソルラン視点です)ソルヒを守るために、自分は生きているんだろう言う確固たる信念の持ち主です。

 

 

 

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さわやかな笑顔と裏腹に、ものすご~~~く潔癖症の百済太子ミョンノン。
宮廷にいるときは頭脳明晰、理路整然、それでいて果てしなく王思いのこの太子。
一歩、外に出れば、どうしてあんなにわがままな潔癖野郎に見えてしまうのでしょうか(笑)
潔癖症が山野を駆け巡ると大変です。
地面の上には直接座れない、小さい虫が顔の周りを飛び回ると嫌で嫌でたまらない、水筒の口は必ず拭かなければ口をつけられない、換えの枕カバーがいる、ものすごい偏食家、などなど面倒くさい欠点が山のようにある(笑)
こんなに面倒くさい人物だとは宮中の姿からは想像できずに、かなりのギャップにびっくりします。
でもそのギャップが愛おしいのよね。

 

 

 

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時代劇では、絶対的な悪役を登場させて話を展開していくパターンが多いのですが。
一口に悪役と言っても、ただ主人公と対立している立場にいるから視聴者からは悪役と見なされているだけのことも多いです。
彼らは彼らなりの主義主張、信念で行動しているのに。
「スベクヒャン」のソルヒとチンム公はどうなのでしょうかね。

ソルヒの場合は、境界性パーソナリティ障害のような気がします。
女の子の多くは幼いころに「私は本当はお姫様なのよ。いつか迎えに来るんだわ」みたいな空想を、ごっこ遊びの中で抱いたりしますが、まさにソルヒがそうでした。
たび重なる試練、想像を絶する悲劇を目の当たりにして、彼女はただこの境遇から苦れるために、姉との入れ替わりを画策します。
だってソルヒの方が美しいから。
こんなに美しい私が、クチョンの娘であるはずがないから。
だからソルランと入れ替わって当たり前。
思い込みの激しい、非常に自己正当化していくその傾向は、この物語の今後の波乱を予想させ、すえおそろしい。
彼女のモンスターとしての変貌を見ていくことになるのでしょう。

一方、チンム公はまだ分かりやすい。
父に対するように慕いたい、しかし父を殺されたという複雑な恩讐を武寧王に抱いているからこそ、複雑な人物にならざるを得ない。
もともとは非常に明るい率直な青年なのにね。
ときどき彼が見せるユーモラスな部分に、視聴していて救われます。
しかしチンム公の孤独と、ソルヒの狂気が出逢ったときに、物語の歯車は動きだすのだろうなぁ。

それぞれの登場人物たちが、各々に寄り集まって対抗する集団を作り上げていく26話まで。
ここから物語は、大きく動き出す予感に満ちている。

 

 

その時々の、私の心の琴線に触れたモノ・・・ 小説や、映画、音楽、ドラマ、ファッションについてだけの簡単な備忘録。 Everything was beautiful and nothing hurt.

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  • コメント ( 4 )

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  1. むう

    yucaさん こんばんは
    お引越しのご挨拶 ありがとうございます。
    「ミセン」を 終えて BS版「スベクヒャン」を見ています。1話が たぶん40分足らずに編集され なおかつ 全72話だというので 相当な勢いで カットしまくられているようです。

    クチョン、切なかったです~
    しかし・・・・チェファは やはり ムリョン王のことが 忘れられなかったんですね・・・・涙
    しかし クチョン&チェファの娘ソルヒは どうして あんなに貪欲なんでしょ!
    やっと ソルランも百済にきました。が 密偵の修行を始め ボコボコにされてるところです。
    じっと その様子をじっと見てるミョンノン皇子が怖い!!
    毎日 1話ずつ コツコツ 見ていきます~。

    これからも よろしくお願いします

  2. yuca

    むうさん、コメントありがとうございます♪

    きゃああ、わざわざお越しくださってありがとうございます!

    >相当な勢いで カットしまくられているようです。
    えええ、「スベクヒャン」そんなことされているのですか!! びっくり。
    相変わらずテレビ局ってやつは・・・

    >娘ソルヒは どうして あんなに貪欲なんでしょ!
    ソウが演じるから、なおさら怖いですよね~
    私は彼女の眉芸にすっかりくぎ付けでしたもの。
    まだまだ貪欲になってきます。
    クチョンとチェファの娘なのにね、どこがあの二人に似ているんだろうか?と思うのですが。

    >その様子をじっと見てるミョンノン皇子が怖い!!
    まだまだ山あり谷ありですからね。

    「スベクヒャン」は地味だけれども、非常に楽しく視聴できたドラマです。何より根気のない私が最後まで固唾をのんで視聴できましたから。
    むうさんの感想も楽しみです。

    これからもよろしくお願いします!

  3. FANです。

    ユカさん、お加減はいかがですか?引っ越し疲れは、案外長引きますよ。
    なのに、今日も手を付けられなかった荷物を、気になさってるだろうなと想像します。
    が、支障が無かったなら、それは、明後日くらいに取り掛かっても良かったんだ、と、思って下さいませ。 以上、モノグサの極意でした。

    で、ですね。

    わぁお、眉芸さま、いよいよ本領発揮なさり始めました。 刺繍の回とやらで、
    ご婦人を平手打ちするSAW嬢。きゃあ!!ゾクゾク。 ようやく、ここまで来ました。

    SAW嬢は何かを企み始めると、途端キラキラしますね。
    真のタイトルロールのお姉さまは、強化合宿の真っ最中ですが、妹愛が、切ない・・。 
    皇太子の温情が目に入らないって、お姉ちゃん、大丈夫か?と言いたくなります。

    仮想世界と現実を行ったり来たりする、眉芸さま。が、あの、全うすぎる姉を邪険に思う葛藤は、胸に突き刺さります。

    このドラマ、出自の歪みが少しずつ、更に歪んで行くのが面白いですね。
    何処を修正すれば、すんなり行くのか?と、入り込ませてくれます。
    (ま、眉芸さまが居る限り、すんなり行くことは、永遠に無いでしょうが・・)

    あ、円卓会議での、オジサマ勢ぞろいの駆け引きも、ゾクゾクします。
    オジサマ族が、いかにも悪人ズラしていないのが、魅力的です。
    このドラマが30分枠って、勿体ないというか、あちらの基準は謎です・・・。

    そういう、こちらの大河ドラマも30分に縮小したら?と言いたい内容なので、
    余所様を疑問に思ってる場合じゃありません、はい。

  4. yuca

    FANさん、どもども~♪

    >眉芸さま、いよいよ本領発揮なさり始めました。
    そうそう、面白くなってきたでしょう!
    本当に悪役がここまで似合う女優さん、嬉々と演じる女優さんって日本ではいないですよね?
    韓国ドラマは想像を絶する悪女が出てくるのが面白いですね。

    >このドラマが30分枠って、勿体ないというか、あちらの基準は謎です・・・。
    しかも視聴率が低くて打ち切りなんだよ。
    信じられません。
    派手さはないけれども、噛めば噛むほど面白い、スルメのような味わい深いドラマなんですよね。

    終盤になればなるほど、歪んでくる様が圧巻です。