落花流水・・・帝王の娘スベクヒャン 46話まで

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韓国ドラマ「帝王の娘スベクヒャン」46話まで視聴。

 

 

私の中の乙女センサーが振りきれそうな勢いです。
そのくらい私にとって面白いドラマ。
現在46話、物語の折り返し地点に近づいてきて、おそらく起承転結のまだまだ「承」の部分ですが、なぜにこうも視聴していると心が苦しくなるのでしょうか。
現在放映分まであっという間に追いつき、そしてもしかするとこの後は怒涛の1話ごとに感想を書くパターンかもしれない(笑)
時代劇だけれども、国や民のことは描いておらずに、あくまでも親子の愛、兄弟姉妹の愛、肉親の愛、そして許されない愛という愛のカタチを丹念に描いている。
運命のいたずらの中で必死に喘ぐ、登場人物たちを、愛を欲しているのに失っていくだけの彼らを見ていると、思わず涙がこぼれそうになる。
まだまだ物語はこれからなのにね。

常に選択の連続だからかな。
愛する人を選ぶか、国を選ぶか。
因縁への復讐を選ぶのか、未来を選ぶのか。
無垢を選ぶか、屍の上に立つことを選ぶか。
その選択は毎回、ぎりぎりの上でなされ、何かを選ぶことで主人公たちはひそかに心からドクドクと血を流しているかのようで。

ヒロインのソルランの叙事詩的な成長に目を奪われ、心を囚われ夢中になる。
一瞬一瞬、私たちにみせる顔が万華鏡のように変化していくソルランを見ていると心が逸る。
危機に陥るたびに彼女は強靭に、そして美しくなってくる。

 

 

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百済の諜報組織ピムンの最終試験として高句麗のスパイを殺すことを命じられるソルラン。
この時の表情が印象的でね。
自分の手を汚すヒロイン。綺麗事の世界だけでは生きていくことが許されないヒロイン。
着飾ったその姿で、敵を殺し血を浴びるソルラン。それは安穏としたソルランの少女時代の終わりでもあったのだ。
血を浴びた姿は、彼女の修羅の未来を暗示しているようで。
トリムが彼女にピムンとして生きるのならと次のように語る。
「お前の心を欺かないといけない。お前が大事に思うものが何なのか、恐れるものが何なのか、誰にも悟られてはならない」
ソルランはそのほのかに芽生えた恋心を、押し殺さないと生きていけないのだ。

 

 

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ミョンノン太子が、まるで愛をささやくかのようにソルランに殺害を命じるの。
なんて残酷で、冷酷で、そして優しい太子なんでしょうか。
彼はソルランに死地に赴くことさえ、たやすく命じるの。
自分が見つけ、育ててきた、自分のものだからソルランは。
高潔な王子だと思っていましたが、違いますね。
彼もまた、百済のためなら、王を喜ばすためなら、誰かを切り捨てることですら恐れない。手を汚すことを恐れない。
そんなミョンノンが、人に執着しない彼が、初めてソルランに執着する。
彼女のために王に反論し、そして助けるために走っていく。それがどういう意味なのか彼はまだ気づいていない。

 

 
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チンム公もまた、ソルヒを壊したいのか守りたいのか。
武寧王に苦痛を与えるためにスベクヒャンを壊すと、自分がソルヒにかかわる理由づけをするチンム公ですが、私には彼自身が自身を納得させるために言い訳をしているように見えます。
「血縁」ではないソルヒが王の家族になろうとしている姿は、まるで自分を映しているかのようで、不安で不憫で疎ましくって、そして助けてやりたいと思うのでしょうか。
彼もまた、自分の気持ちが何なのか気づいていない。

 

 

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そしてソルヒ。
彼女のダークサイドへの転換は背筋が凍るほどで、ぞくぞくする。
姉からスベクヒャンという立場を奪ったくせに、姉はスベクヒャンという立場に近づいてくる。
運命に闘いを挑むかのように彼女はソルランを陥れる。「ソルランは高句麗のスパイ」だと周囲に囁くのだ。
善悪という範疇を踏みにじる、魔女のような存在。
たとえ地獄に落ちようと、運命に抗う女。

とにかく主人公たちが恋に堕ちていくことは想像できますが、ここで立場が入れ換わった故に生じる禁忌的な恋愛模様になるのでしょうね。
相手へと傾いていく恋心と、それが許されない関係。
もうこの後の展開を考えただけで、乙女センサーが振りきれそうです。

 

 

で、高句麗にいる「耳も聞こえない、口もきけない」って、もしかしてあの人ですか!

 

 

その時々の、私の心の琴線に触れたモノ・・・ 小説や、映画、音楽、ドラマ、ファッションについてだけの簡単な備忘録。 Everything was beautiful and nothing hurt.

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  • コメント ( 2 )

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  1. 匿名

    まだ途中ですが、あの天真爛漫なソルランが生きるために人殺しをしなければならないと思うと心が苦しくなります。

  2. yuca

    匿名さま

    コメントありがとうございます。

    スベクヒャン、面白いですよね。
    天真爛漫なソルランが愛のために、王子を守るために手を汚す。
    そこらへんの変化もぞくぞくするくらいオモシロカッタような気がします。