女が階段を上る時・・・ロング・グッドバイ 2回
ロング・グッドバイ 2回「女が階段を上がる時」
1回目では、男のダンディズムをあますところなく見せてくれたこのドラマ。
2回目では、女の色香をあますところなく見せてくれる。たちこめる女たちの色香にくらくらしてしまう。
夫の浮気調査を依頼する中年女(石田えり)の、怖いくらいに可笑しく、複雑なこと。
疑い深く皮肉な目線で世の中を見ているくせに、妙に懐かしい匂いのする女の色香。
スキャンダルが好きで、駄菓子が好きで、こっそり男も好きで・・・そんな複雑な女。
亜以子(小雪)はまるで、暗闇にそっと咲く仇花のよう。はかなく、あやしく、白く、輝く。
お金が欲しいと思っていたのに、お金が手に入っても幸せかどうかわからない。
何が望みかと聞かれて、幸せと答えて、たとえ幸せになったとしても、失ってしまった過去のことばかり考える・・・そんな複雑な女。
とにかくこの亜以子の背中は反則技でしょう。増沢の言うとおり、「危険」です。彼女の陰影にとんだ色香に、女の私でものみ込まれてしまいそうな陶然と酔いしれそうな恍惚感を感じます。
亜以子もまた、原田保と同じように夕日すらみることができない人生を送っているのかもしれません。
対照的な二人の看護師。あまりにもエロティックすぎてキャプチャーできなかったのですが、安藤玉恵の色香が半端ない(爆)
純白の看護師の衣装に身を包みながら、その内側のベタベタした滴るような、溶けるような、そしてまとわりつくような色香は圧巻。
亜以子とは、まったく違う感じの色香です。
そして亜以子の色香にも、玉恵(笑・役名がないみたいなので)の煽情的な色香にも対応できる増沢の、そつのなさ(爆)
1回で見せた保への友情の色合いに比べると、増沢が女たちに見せる態度にはどこかワンクッションあります。俯瞰的な目で女たちを見ている。
ハードボイルドの物語の特徴です。
ハードボイルド小説には一時期ものすごいハマって、それこそヘミングウェイ、ハメット、チャンドラー、マクドナルドの系譜をたどってロバート・B・パーカー、大藪春彦、北方謙三、志水辰夫と浴びるように読んでいました。
男が男でいられた時代の物語です。
彼らのWay of Life (生きる信条)が時として時代遅れであるにもかかわらず、それを貫き通そうとする男たちの物語。男たちは自分の世界に「愛」という武器を振りかざして入ってくる女たちを、一歩引いて見ています。
それでいて、古風な騎士道精神のためにそんな女たちのために、やせ我慢をつらぬいたり、一緒に堕ちていったりもする。
それはあくまでWay of Lifeを貫くためなんです。
そんな男の生き方の物語がハードボイルドだと思っています。
だから時としてハードボイルドは女と愛に落ちる物語ではなく、いかに友人のために自分を犠牲にできるか、みたいな物語にもなるんだよなぁ。
「長いお別れ」もそうです。
今はもう、いない志津香(大田莉菜)。彼女の映画「闇夜の包帯娘」はなんと刹那的で、退廃的で、耽美的なんだろうか。生きていた時よりもスクリーンの中の方が、彼女らしい色香を感じる。
そして、高村世志乃(冨永愛)。
「ねえ、誰があなたをそんなに傷つけたの? 疑り深い目をして」
世志乃だけが増沢の傷について問いかけてきた。彼の孤高の魂にそっと手を伸ばそうとしている。
孤独な彼女だから、増沢の孤独にも気づいたのだ。そんな何もかも持ちながら、孤独とそっと寄とそっと寄り添っている女の硬質な色香・・・そんな複雑な女。
色香を振りまく女たちに比べると、第2回の男たちはどこかスラップスティック。
探偵、弁護士、やくざ、もぐりの医者、作家といった肩書を演じているかのようでもある。
いずれにしろ海千山千の曲者だらけ。彼らが彼らの置かれた役割を忠実に演じようよとすればするほど、ドラマが時としてコミカルな様相を呈する。
真実はどこにあるのか。
だから事件についてもぼくについても忘れてくれたまえ。
だが、そのまえに〈ヴィクター〉でギムレットを飲んでほしい。
それからコーヒーをわかしたら、ぼくに一杯ついで、バーボンをいれ、タバコに火をつけてカップのそばにおいてくれたまえ。
それからすべてを忘れてもらうんだ。テリー・レノックスのすべてを。
では、さよなら。
(「長いお別れ」より引用)
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先だっても、ご返信ありがとうございました。
無礼もサラッと流して下さいまして、重ねてお礼申し上げます。
そして、焼き芋。
あのタイミングで、滝藤さんのナレーション、ずるい。
病院へ行け!!と叱られている最中の、古田の、
そんなに喋るんだ~も、かなり笑いました。
ちょこっと外すあのセンス、渡辺あやの真骨頂ですね。
ユカさんは、長いお別れの、春樹さま訳は、読まれましたでしょうか?
春樹さまに、トンとついていけない私は、
やはり、ギムレットには早過ぎたね、の訳のほうが好きです。
あのくだりを、渡辺さんがどう調理するのか今からドキドキします。
MOZU、・・・・・・・。
残念ながら、リタイアしそうです。
むしろ期待値ゼロの
渡部篤郎の刑事ドラマにハマっています。内容云々より、
普通に軽妙でカッコいい渡部くんに、久しぶりに出会えました。
ユカさんの愛ナツのブログを読んで、恥ずかしながら
ドラマを思い出して、PCの前で泣きました。
あっ、焼き芋から、物凄く逸脱しました。
GW明け、お忙しくなるかと思います。
季節の変わり目にも、時間にも忙殺されませんように。 かしこ
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♪FANさん、コメントありがとうございます~♪
>そんなに喋るんだ~も、かなり笑いました。
>ちょこっと外すあのセンス、渡辺あやの真骨頂ですね。
お、まさにご指摘の通りです!
私も爆笑しました。
ハードボイルドな生き方って、ずらして見るとどこかコミカルでもある、っていう描き方がいいですよね。
奥行きが深くなります。
本家アメリカの「ロング・グッドバイ」の映画より、今作品の方が、ものすごく面白いですよね。
「MOZU」ね、どうやら伏線を貼りすぎて、訳が分からなくなっているらしいですね。
「ダブルフェイス」はよかったのに~
ドラマ作りって、難しいです。
そして。
「愛なんていらねえよ、夏」!!!
泣けるよね~。夏がやってくるので、またまたあのドラマを再視聴しようとしている私です。
あのドラマは本当に、すべてが入っている綺羅星のようなドラマです。
FANさんもお好きということで、なんだか嬉しさ倍増。
あのドラマも妙にコミカルでそして切なくって、泣けてきます。
とくに蛍のシーンが。
語りだすときりがない(笑)
寒暖の差が激しいので、お身体ご自愛くださいませね~
こちらから、こんにちわ。
以前、教えて頂いた、大友さんの「Live! Love! Sing!」、今晩、20;00から、ドキュメンタリが、有るそうです。以下、ご参考までに。
http://www.nhk.or.jp/livelovesing/info.html
ドラマで扱う、神戸で生れた歌。ご存知でしょうか?地元では色々な場面で歌われているのですが。
作詞作曲の先生が指揮をなさった、子供たちのちょっと拙い合唱のこちらが、ナイスです。
お時間が有る時、どうぞ。
https://www.youtube.com/watch?v=WwNkd1YnQ3E
開かない時は、「しあわせ運べるように」(ふるさと・東北バージョン)手話付き で、検索なさってみて下さいませ。
ごめんなさい、今晩じゃ無かった、明日でした。いつもすみません。
FANさん、どもども~♪
明日ね!教えてくださってありがとうございます。
うっかりスルーしそうでした!
そして、素敵な歌。知りませんでした。
泣けてくるなぁ。