子どもは暗闇で怪物を見る・・・いいかげんな興信所 10話

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韓国ドラマ「いいかげんな興信所」10話まで視聴。

 

 

いや~ん、面白い!!

 

「49日」視聴後、しばし虚脱状態になっていた私。
こんな時は何を視聴してもドラマにはのめり込めないので、
リタイアしてもいいドラマを視聴しようということで「いいかげんな興信所」をチョイス。
↑ものすごく失礼な私・・・

とはいっても無作為で選んだのではなくって、かなり感動した「ホワイトクリスマス」の作家さんの
他の作品が観たかったから。「ホワイトクリスマス」は丹念に練られたストーリー展開、
形而上学的要素をふんだんに取り入れ、奥行きのある作品でとてもお気に入り。
パク・ヨンソンの作品をぜひ観たかったの。
「恋愛時代」(2006)
「波乱万丈 ~Missキムの10億作り~」(2004)
とこの「いいかげんな興信所」(2007)があって、とりあえずなるべく新しい作品と思ったのよね。
マイナーなこの作品、他のブログでもあまり感想を見ないのでちょっとドキドキ。

彼女の作品づくり、こだわりに非常に興味があって
1・主人公の名前はパク・ムヨル
2・殺人犯の名前はヨハン
とかものすごく彼女なりのルールがあるらしい。

「いいかげんな興信所」は一言でいえば大人の宝探し。
すごい、このネタ1本でここまで見せるなんて!
ドロドロもぐちゃぐちゃなストーリー展開はなくてただただ「黄金探し」のネタ。
何もかもネタを詰め込み過多な韓国ドラマと一線を画す、ドラマ作り。すごい力技。

4話くらいからだんだん面白くなってきて、8話なんか神展開!
コメディなんだけれどもものすごいメロ展開。笑いながら切なくなってきました。
主人公の持っている宝の地図を奪うために、インテリヤクザが色仕掛けをするのだけれども
引っかけるつもりが、主人公の1人占い師ヒギョンの率直さにヤクザは胸を衝かれるのです。
心の奥に秘めていた真実を彼女にだけポロっとこぼす。
それが上のシーンなんだけれども、画面もきれいでねぇ。
「犬とオオカミの時間」たそがれ時なのよ。
ヤクザの表情が、孤独で、宿業を背負った男の悲哀がいいのです。
彼女に惹かれながら、それでも彼女を騙さなくっちゃいけない。
あ~ん、言葉ではうまくこのドラマの妙味を説明できないよーっ。
そして騙されたことで落ち込む占い師を慰める、主人公たちの関係がまた秀逸。

B級ドラマなんだろうけれども、そこはかとなく薫る文学的な匂い。
「インディ・ジョーンズ」「スーパーマン」「太陽がいっぱい」「男たちの挽歌」などなど
古今東西の映画、音楽に対するオマージュがここぞとばかり詰め込まれていて
目が離せない・・・

各話タイトルも思わせぶりで、タイトルを眺めるだけでドキドキ。

第1話 始まりはネコである
第2話 死体はおしゃべり
第3話 誰にでも秘密はある
第4話 彼らは何かを持っている!
第5話 すべてが1つの方向へ
第6話 カメは意外に足が速い?
第7話 ウソの黄金比率は7対3
第8話 オオサンショウウオは無駄な事はしない
第9話 攻撃は軽いジャブから
第10話 子どもは暗闇で怪物を見る
第11話 ワラ1本がラクダを殺す
第12話 記憶は思い出を裏切る
第13話 人生は明瞭ではない
第14話 まぶしい光は暗闇と同じ
第15話 鐘は全ての人のために鳴り響く
第16話 されど人生は続く

ほらほらタイトルを見ただけで面白そう。
そんなマニアなのは私だけ(笑)?

その時々の、私の心の琴線に触れたモノ・・・ 小説や、映画、音楽、ドラマ、ファッションについてだけの簡単な備忘録。 Everything was beautiful and nothing hurt.

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