初恋だった・・・鬼<トッケビ> 4話まで


韓国ドラマ「鬼<トッケビ>」4話まで視聴。

 

 

【あらすじ】
高麗最強の武士だったキム・シン(コン・ユ)は、幼い王の嫉妬から逆賊に仕立て上げられ命を落とす。不滅の人生を生きなければならない呪いをかけられ約900年を生きたある日、事故で瀕死の女性を助ける。18年後、その女性の娘ウンタク(キム・ゴウン)は高校3年生になり、親戚の家で暮らしていた。19歳の誕生日を一人で迎えたウンタクがろうそくの火を消すと、突如キム・シンが現れる。
キム・シンは自分を呼び寄せることができ、さらに自分のことを鬼だと見破ったウンタクが、自分の呪いを解いてくれる「鬼の新婦」なのではないかと期待するのだが…。

 

「太陽の末裔」の脚本家キム・ウンスクと演出家イ・ウンボクの作品。加えてコン・ユとイ・ドンウク、それぞれが主役級の2人の俳優を登用したなんとも贅沢な作品。
見るっきゃないでしょうということで視聴開始。
実は私、コン・ユのドラマは初めてだったりします。韓ドラ視聴は遅れてきた世代なので、コン・ユの代表作「コーヒープリンス1号店」未視聴なのです。
コン・ユは最近ではドラマよりむしろ映画出演に力を入れていたみたいで、私のドラマ視聴歴と全くすれ違っておりました。
しかし先日観た映画「釜山行き」の、仕事ができるが故にいつしか仕事に振り回され家庭は崩壊し、どうしてそうなったのか彼自身もわからないまま途方にくれるアナリスト(だったかな?)が娘を守るために不条理(ゾンビたち)と闘う姿がよかったのです。
ちょっと人生に倦んだような、それでいて何を自分が求めているのかわからないまま、自分の手の中から奪われそうになる大切な人を守ろうとする姿がね。
そして、「鬼」でもコン・ユのどこか遠くを見つめるようなそんなまなざしが抒情的で何ともいい。

 

 

 


信じていた王に裏切られ、全てを失い、何のために生きているのかも1000年の時が過ぎるうちに分からなくなり、ただ自分の死だけを願う孤高の鬼。
彼の胸に突き刺さる剣は、呪いの象徴でもあるし、彼の時が止まっている暗喩でもあるし、それはすなわち彼の感情を止めている栓でもあるのかしら。
「トッケビ」として恐れられているキム・シンだけれども、その振る舞いは鬼というよりも神に近いかも。
滅びゆく者たちの運命を見守り続け、時には気まぐれで人間の運命の天秤に触れたりする。それによって人が幸福になろうが不幸になろうが、それも時の流れだと静謐に見守る存在。
一人だけ時間が違う世界に住んでいる孤独は計り知れない。
誰とも何にも共有できない孤独。
静謐な時間にただひとりたたずむ鬼の、静かな諦観のまなざしに、惹かれます。
1000年の時の移り変わりを見守ったその瞳は、全てを映してきたようで、しかし何にも映していないの。
鬼として存在することに倦み、自分の死を願うようになるのは必然か。
キム・シンは自分に刺さる呪いを、剣を引き抜いてくれるただ一人の存在「鬼の花嫁」を探し続ける。

 

 


このドラマ、映像もきれいでね。抒情的。
冬の寒々しい韓国や、紅葉で彩られるケベックが抑えた色調で描かれて、どこかもの悲しい雰囲気を醸し出す。
A BOY MEETS A GIRLのお話なのですが、このお話の先に待っているのは「死」しかないのだから。
「鬼の花嫁」とは鬼の呪いを解く存在。彼の凍った心を愛で溶かす存在。彼の止まった時間を動き出させる存在。
でも止まった時が動き出すということは、鬼が消滅するということなのだから。
ウンタクとキム・シンの掛け合いは、さすがキム・ウンスク。ポンポン弾んで、洒落ていて、微笑ましく思ってしまう。
ウンタクの屈託のなさに天真爛漫さにキム・シンはどれだけ救われて、そしてどんどん追い詰められていくさまは、見ていて嬉しい。
キム・シンの心が揺れ動くさまは嬉しい。
生きているってことだからね。
だからこそ、この二人の行く先に「死」が立ち込めていることをことあるごとに視聴者は思い出し、続きが気になって仕方がなくなるのかもしれない。
末永く一緒に暮らしました・・・なんておとぎ話ではないことが、このドラマの最初から提示されているから。

 

 


飄々とした死神を演じるイ・ドンウクもよくてね。
朝のマクチャンドラマをこよなく愛し、意外に死神の世界もサラリーマン組織で報告書に苦心し、上下関係に苦労し、コツコツお金を貯めて住居を購入する。
ものすごく重心が低い死神。
だからこそ彼が仕事をするとき(死をいざなう時)とのギャップが、深くていい。
鬼との掛け合いも抱腹絶倒。決して親友ではないはずなのに、いつしか成り行きで、なれ合いのバディになっているのが笑える。
どうやら死神も過去に何かあったみたいで、彼は自分の過去を思い出すことができない。
「49日」でチョン・イルが演じたスケジューラーもそんな存在だったよね。
死神の過去に何があったのか。もうひとつのA BOY MEETS A GIRLなのだろうけれども、相手を演じるユ・インナちゃんがどうしちゃったのというくらい顔に険がある。
「イニョン王妃の男」や「シガ」のころはカワユカッタのに。
整形モダニズムを目指しているのかしら。声は相変わらずカワユイです。
とにかくですね、「鬼<トッケビ>」にはいたるところに死が満ち溢れている。
この満ち溢れている死に、脚本家キム・ウンスクがどう落とし所をつくるのか、期待しています。
死神が鬼を助けた・・・なんてご都合主義はやめてほしいな。
ファンタジーだからと言ってこの世の理までも捻じ曲げようとしないことを願います。かといってアンハッピーも望んではいないのですが。

 

 

“The Physics of Love”
by Kim In-yook
The size of a mass is not proportional to its volume
That little girl as small as a violet
That little girl that flutters like a flower petal
Pulls me with a mass greater than the Earth
In a moment, I
Like Newton’s apple
Mercilessly rolled and fell on her
With a thud, with a thud thud
My heart
From the sky to the ground
Continued to swing dizzyingly like a pendulum
It was first love
質量の大きさと嵩は比例しない
小さなスミレのようなあの少女が
花びらのようにひらひら動くあの少女が
地球よりも大きな質量で僕を引き寄せる
その瞬間、僕は
ニュートンの林檎のように
容赦なくあの子へと引き寄せられた
ドスンと音を立てて
ドスンと音を立てて
心臓が天から地まで
気の遠くなるような鼓動を続けた
初恋だった

 

 

4話ラスト、キム・シンが突然自分の気持ちに気づきます。自分に向かって歩いてくるウンタクを見ているうちに。恋に堕ちるシーンは絶品。
そう、誰しも、ある日突然気づくのです。
自分が恋に堕ちていることに。

唐突に気づくの。

 

 

 

そして世界は激変する。

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コメント

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  • コメント (2)

    • rei
    • 2017年 1月 03日

    yucaさん、あけましておめでとうございます今年もどうぞよろしくお願いいたします!
    今年も、のんびり、走らず、焦らずいきたいと思っております。
    yucaさん、どうぞぼちぼち更新してくださいね〜〜ゆっくり、待ってます、、と
    言おうと思ったら、なになに!?!「トッケビ」ではないですか(嬉)。

    昨日、8話まで視聴しました。
    このドラマ、私の中では、どうにもつかみどころがない、というのか、
    面白いし、急に胸を突かれて涙がでる場面もあるのに、何となく居心地が悪いです。
    これって、なんでだろうか、、、。
    切なく叙情的な部分と、深いような、観念的なようなセリフと、コメデイ部分が何となくバラバラで、、、。
    と、思ってたら8話に来てようやく、ああなるほど、こういうことか、と、やっと落ち着きました(笑)。
    これからの展開が楽しみです!

    yucaさんのレビュー、楽しみにしております。
    無理なさらずに!!!

  1. reiさん、あけましておめでとうございます。

    「トッケビ」いいよね~!すっかり夢中になっております。

    >何となく居心地が悪いです。
    8話になりにがあるのですか!!気になる~
    この物語、居心地が悪いのはどこに向かうのかわからないから?
    着地点が見えずに、不安になるとか?
    私これから7話なのですが、先が読めませんね。

    久しぶりにキム・ウンスク節を楽しんでいます。観念的な感じが好きなのです(笑)

    私も新年早々、先が楽しみなドラマに出会えました。

    ことしもまったり更新ですがよろしくお願いします。

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