glass ceiling・・・THE K2 11話まで
韓国ドラマ「THE K2」11話まで視聴。
外の世界に出てきたアンナ。ジェハの献身と保護の元、幸せなひと時を噛みしめる。ふたりの心が次第に通い合っていく。
その一方でアンナを利用しようとする勢力が大きくなってくる。ユジンを陥れようとするJB家の内紛。血みどろの争いに巻き込まれていくジェハ。復讐のためにユジンと組むか、ユジンに復讐を始めるアンナを操るソンウォンと組むか。ジェハの危険な綱渡りが始まる。(9話)
お互いに向ける気持ちが愛だと気づくジェハとアンナ。権力闘争に巻き込まれ中、二人の愛が始まる。ユジンへの復讐を始めたアンナとソンウォン。ジェハを自分のそばに置きたいユジンに嫉妬と怒りを向けるキム秘書はジェハの殺害を命じる。一方ユジンに牽制をかけつつ反撃を開始するパク・グァンス。四面楚歌に追い込まれたユジンはある決断を下す。(10話)
ユジンとJSSのパク・グァンス狩りが始まる。作戦中の事故に扮してジェハ殺害を命じるキム秘書。様々な罠をかいくぐりジェハはパク・グァンスと対面する。命乞いをするパク・グァンスはジェハにある提案を持ちかける。一方、本格的に復讐を始めたアンナ。マスコミへの露出を高めることでユジンへ圧力をかけていく。とうとうアンナの母親の死の原因が明るみに・・・(11話)
(;>_<)
まったりしていたらいつの間にか11月中旬、しかも「THE K2」放映が終了してるし!
あわててドラマを追いかけております。
「THE K2」もちろんジェハとアンナのロマンスも魅力の一つでしょうけれども、なんだかこの二人の惹かれ方というのは非常にわかりやすくて、だからこそどこか少し物足りなさを感じる。
トランシーバーで通い合う恋心というのは「太陽の末裔」の二番煎じ感が否めない。
「シグナル」「太陽の末裔」など最近クローズアップされているトランシーバー。
スマホとは違って、電波が受信できるほどの近い距離感があり、面と向かって言えない言葉、伝えられない自分の気持ちを、相手が聞こうとしなくても音声として届けることができるトランシーバー。
スマホは相手が出ないと、言葉は発せられないからね。
ラインやカカオのようなメッセージ(文書)ではなく、音として自分の気持ちを表現するというのは恋を燃え上がらせるのにいいツールかもしれない。
何よりも互いの距離感がいいのだろうなぁ。
いざとなれば駆け寄って抱きしめられる距離感。
決して一方通行ではない思いのやり取りがトランシーバーがドラマで重用される理由か。
心を通わすジェハとアンナは微笑ましい。
互いの中にぽっかりと開いた暗い絶望を自分の中にある悲しみと重ねて惹かれ合う二人。
ジェハはやっぱり傭兵というより心優しき騎士なのよね。自分の心を預ける女性を見つけると、とたんに弱くなる。
守る人がいるということは弱くなるということだし、だからこそ強くなるということでもあるのだけれども。
ボディーガードとしてはソンウォンに振り回されすぎていない?
闘っているジェハは美しい。アンナといるよりヒリヒリして、狂おしくって美しいと思うのは私のアンナに対するやきもちかしら?(笑)
9~11話にかけてジェハとアンナの恋模様も進展しますが、何よりも私が心を打たれたのはユジン。
ジェハが狼、アンナが白雪姫ならばユジンは魔女だけれども、その魔女の孤独が何よりも身に染みて、ドラマの中でその孤独の比重が重くなっていて胸が痛い。
ジェハとアンナのロマンスを描きながら、でも実は脚本家が描きたいのはユジンのこの閉塞感なのかもしれない。そのくらいユジンの描写が丁寧で深く、影の主役として彼女の存在感が回を増すごとに大きくなってくる。
11話のユジンのダイアローグは圧巻!
「私が大統領になれなければお前には何の価値もない」
「わかったわ、アンナに手を出さないわ。・・・つまりあなたは大統領になりたくないのね?」
「ずいぶん子供じみた言い草だな。それで脅迫しているつもりか?」
「弟と取引すればJBのすべては無理でも子会社のひとつくらいはくれるでしょうから、私ひとりが生きていくには困らないわ」
「笑わせてくれるな、君は絶対にそんな事はできない。君はその程度では満足できないと自分でもよく分かっているだろう」
「そうかしら。・・・それもそうね、だったらもっと大きなサイズで行こうかしら? パク・グァンスと取引してみようかしら、あなたと契約したように。私にとっては大して変わりはないわ、あなたもパク・グァンスも同じ種類の人間だから。
あなたの首と交換に大統領になってその権力で私にJBをちょうだいと言ったらパク・グァンスは断るかしら?」
「・・・・・・」
「冗談だと思っているのね。私が誰なのか忘れたの?・・・本当に忘れたのね。
あなたこそ私がいなければなんの価値もない人間よ、だから調子に乗らないで。アンナは自分で死ぬような真似をしたら、死ぬだけよ。それが嫌ならいつでも言って、大統領候補を辞退すると」
「・・・・・・」
「何かしら?その可哀想な顔は。可哀想なのは私じゃない?
そのバカみたいな政治的野心のために若い私を誘惑したのはあなたでしょう。まともに愛を受けたことのない私はまんまと騙されて・・・
恥ずかしい告白をしましょうか?
あなたが私に触れるときはいつもドキドキしたわ。つい最近まで。あなたも知っていたでしょう? 時々やっていたじゃない、私を弄ぶために。
だけれども今はあなたに何の感情も湧かないわ。ほら、一度触ってみる? そういうのは上手でしょう、プロなんだから。
アハハハハ、認めるわ!
あなたは格好良かったわよね、若くて賢くて正義感があって。私も信じていたわ有権者のように。
けれどもそうではなかった。
あなたはその時も老いて狡猾で汚かったのよ、今みたいに。
だからあなたは自分をあれほど愛していたオム・ヘンリを裏切って殺したのよ。
私の嫉妬や怒りを利用して。卑しい男!」
ユジンもアンナも実は親に愛されずに育ってきた娘。初めて愛に殉じる力を持つ女性。
しかしユジンはいつしかその愛が歪にねじ曲がり、大統領になるための手段として利用された瞬間から魔女になってしまった。その哀しさ、絶望感にどうしようもなく共鳴してしまうのは私もまた年老いた証拠なのかも。
ジェハとアンナの無邪気な愛よりも、純真な愛の成れの果ての醜く朽ちていく愛の残骸に胸が痛んでしまうのは。
アンナもユジンのように変貌していく片鱗が見え隠れする。いみじくも「同じタイプだ」とユジンも言及していた。
ユジンは自分の力で世界と関わっていけるほどの能力を持ちながら、愛という移ろいやすいものにすべてをかけてしまい、魔女になってしまう。
魔女はかつての少女の成れの果てなのだから。
ユジンが囚われていた愛から解放されたのはジェハへのみずみずしい思いに気づいたから。
ジェハが自分のそばにいてくれるだけでなんだか嬉しい、彼の無事が何よりも嬉しい。傷ついてほしくない。
そんな見返りを求めない思い。
打算も欲も関係ない、ただ純粋な思い。
報われないんだけれどもね。
ユジンにもガラスの天井を打ち破ってほしいな、そんなことを強く思う「THE K2」
これからおそらく怒涛の展開が待ち構える終盤戦。
I know we have still not shattered that highest and hardest glass ceiling, but someday someone will — and hopefully sooner than we might think right now.
すごく久しぶりにコメントさせて頂きます K2全話を字幕なしのなんちゃって翻訳で見ていたので ユジンの細かいセリフまで理解出来てなかったんです 途中から怖かっただけのユジンが セリフが無くても可哀想で仕方なくなったのは 演技力表現の賜物ですね 韓国の記事でもラブラインの描写が浅いとか 記者が全くドラマ見ていないだろうと思う批評が多くて なんでこのドラマのもっと深い所も考えないのかなぁと批評を批評してました(笑)
アンナを利用する人も守りたい人も沢山いるから ユジンの事もジェハが人がとして 救いたいと思っているはずだと おばさんは思いたい!
最終話までみた 感想が楽しみです
ジョンフもヒーローでしたけど 素手で守るヒーローのジェハが魅力的過ぎて チャンウク氏に惚れ直しです ドラマが終わったので喪失感がハンパないです
長々スミマセン 失礼しました
ぱこさま、コメントありがとうございます!
おおお!「THE K2」最後までご覧になられましたか?
おっしゃる通りドラマが進むにつれてユジンの悲哀がクローズアップされてきましたよね。
>ラブラインの描写が浅い
うん、確かに。しかしきっとラブラインを描きたいドラマじゃないんですよね。
ラブラインを目的に視聴すると肩透かしをくらう。だって脚本家が描きたいのはそこじゃないから。
>ユジンの事もジェハが人がとして 救いたい
あああ、本当にそうですよね!
14話ラスト、ユジンとの対峙シーンでジェハのまなざしが濡れていたことに心を痛めております。
チャンウク君が演じたかったのはこのまなざしではなかったのでしょうか?
思いのほか、「THE K2」いろいろと考えさせてくれるドラマですよね~
私はあと2話残っています。ゆっくりと味わいます。