太陽の末裔

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太陽の末裔 Descendants of the Sun 全16話 (2016年 韓国KBS)

 

■演出:イ・ウンボク
■脚本:キム・ウンスク、キム・ウォンソク
■キャスト:
ユ・シジン(ソン・ジュンギ)
カン・モヨン(ソン・ヘギョ)
ソ・デヨン(チン・グ)
ユン・ミョンジュ(キム・ジウォン)

【あらすじ】
久しぶりの休みを満喫していた軍人のシジンとデヨンは、窃盗犯ギボムを捕まえ救急室に送り込む。だが、デヨンの携帯電話がギボムに盗まれたことに気づき救急室に向う。しかし、なぜかギボムの担当医モヨンは彼らをヤクザの組長だと勘違いし、冷たくしてしまう。だが、そんなモヨンに一目惚れしてしまったシジンは、自分が軍人であること明かし、彼女に積極的に近づく。やがて、2人は初めて会う約束をするが、シジンに緊急事態が発生し…。


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ユ・シジン大尉は最後まで水際立った夢のようなカッコよさでした。今までもさんざん語ってきたけれども、てへっ!
完璧なプロポーション、訓練の行き届いた肉体、揶揄を含むその笑顔はどんな危機に陥っても変わることがない満身創痍の戦場のワルキューレでした。
私の魂をヴァルハラまで導きそうな勢い(笑)
ただ大尉が完璧であればあるほど、「太陽の末裔」は大尉にとってどんな物語だったのだろうかと考えます。
カン・モヨンのことを「明るい場所にいつも君はいる」と大尉は言います。
その明るい場所こそ大尉が命をかけても守ろうとしているものなのでしょう。
カン・モヨンのいる場所がこの世界でただひとつ大尉が息をつける場所なのかもしれませんが、大尉はすでに自分の命を祖国のために使うと決意をした人です。
その決意は一時もゆるがず、カン・モヨンがどれだけ悲嘆に暮れようとも最後まで変わることはありません。
きっとまた大尉は「デパートに出かける」。
こういう男に恋をしてしまったら、カン・モヨンのようにいずれ来る別離に怯えながらもそばにいるか、あるいは別離の予感に怯えながら暮らすことが嫌になって別れるかどちらかしかないのです。
恋愛至上主義の私からすれば、大尉にメロメロになりながらも大尉の心に寄り添うことはできない遠くて悲しい存在でもあります。
If I wasn’t hard, I wouldn’t be alive. If I couldn’t ever be gentle, I wouldn’t deserve to be alive.
そんな男は時として、愛よりも自分の生き方、自分の命の使い方を優先する男なのですから。
彼らの中では愛よりも自分の使命のほうが比重が重い。
愛では彼らを変えることができないのだから。
「太陽の末裔」では大尉は始まりから完璧すぎて、最後まで変わることはありませんでした。成長することはありませんでした。
その完璧さが私をメロメロにさせ、隙のなさが悲しくさせる。
どうせならそこら辺のモヨンの葛藤をしっかりと描いてほしかったのに。大尉の葛藤を描いてほしかったのに。
大尉もモヨンも恋愛をしていますが、実は恋愛体質ではない。
互いがいなくても、心のどこかにぽっかりと穴が開きはするけれども生きていける強さを感じます。(実際モヨンは1年間そうやって生きていたしね)
自分の使命である仕事を持つ人間は、恋愛に依存せずとも生きていけるのでしょう。

 

 

 

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ラブロマンスと言われながらも、大尉は成長することはないので恋愛の成就による人間的成長のカタルシスはありません。
愛で登場人物たちはどう変わっていくかを見るのがドラマ視聴のだいご味であるのにね。
まるで少年漫画の格闘もののような展開でした。次から次へと襲い来る新たな敵。その闘いは永遠に終わらない。
パッチワークのようなドラマでもありました。一つ一つの事件は壮大で、その中で恋愛の炎は燃え上がりますが事件がないと愛が消えてしまうかのようなドラマ。
永遠に事件を引き起こさないとこのドラマは成り立たないの。
だからこそラストシーンは突然のメタフィクションになるのでしょう。
恋愛よりも命を共にするユ・シジンとソ・デヨンの関係性のほうが心に響いたのですが。

 

 

 

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キム・ジウォン! よかったです。
「相続者たち」の時も彼女が演じたラヘルの陰険、不器用な恋愛模様に心を痛めていました。
誰かラヘルの不器用で、不器用で、でもその奥底にある一途な気持ちをくみ取って欲しかったのを思い出しました。
「ゴシップガール」のブレアみたいなラヘルです。ヒロインのウンサンよりラヘルの方が可愛いのになぁ~(私だけかな? そう思うの・・・)
「太陽の末裔」では一段と輝いて、彼女の肉弾戦の恋愛模様を楽しませてもらいました。

チン・グもやっと当たり役に恵まれて、よかった~

 

 

 

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カン・モヨンは難しい役です。ちょっとだけ俗人で、その俗っぽさが嫌味にならないよう、カワユク演じなければならない。
あのユ・シジンが強烈に一目ぼれするような、そんな小悪魔的なヒロインを演じなければならない。
しっかりしているのに目を離すと何をしでかすかわからないそんなドジっ娘要素も必要。
ソン・ヘギョでなければ演じれなかったのも。
カン・モヨンにはたびたびイライラしつつも、ソン・ヘギョだから許す・・・みたいなシーンが多々ありましたもの。

 

 

 

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「太陽の末裔」のラストシーンはどうしめくくるのだろうかと思っていたらいきなりキャラクターが視聴者に向けて語りかける。
「こんな終わり方もいいでしょう」って。
いやぁー、物凄い衝撃。韓国ドラマを視聴していて、「最高の愛」に続く衝撃ラストシーンです、私的に。
いきなりメタフィクションになったんだもの。

メタフィクションは、それが作り話であることを意図的に読者に気付かせることで、虚構と現実の関係について問題を提示する。多くの場合イロニーを伴い、自己言及的である。メタフィクションは読者にフィクションを読んでいるという事実を意識させる。(wiki)

ドラマを視聴すれば、多少なりとも主人公に同調してしまうと思うのです。
ユ・シジンやカン・モヨンの心を理解してあげたい、そばに寄りそってあげたい・・・と
この人を救えるのは、ヒロインではなく私だったら・・・と、こちらは心を痛める訳です。
もちろん、フィクションだとは分かっていても、誰かをいたわる気持ちが視聴していくうちに自分の中で芽生えてきて、そんな優しい、心を揺さぶられるような感情が、私は好きだったりします。
ところがメタフィクションってそんな視聴者の気持ちに、水をかけるのよね。
「作りごとだよ~」って。

チフンが「ドラマ」と語った瞬間、フィクションの線引きがあいまいになりました。
現実と虚構が一瞬あいまいになった感覚を味わう。
まあ、そんなに難しく考える必要がなく、韓ドラの最後によくある視聴者への謝辞を面白くやったのでしょうけれども、私的にこのドラマ16話視聴していて一番鳥肌がたちました。
今まで視聴してきた世界観が揺らいだの。
蛇足ですが幼少のころに視聴した手塚治虫の「ワンサくん」が人生初のメタフィクション。

第21話まではコミカル路線だったが、第22話以降は生き別れになった母親を訪ね歩くシリアス路線となった。最終回は、探しあてた時にはワンサの母は病気で、看病の甲斐もなくあっけなく死んでしまう。ワンサは一人たくましく生きてゆく決意をして幕が降りる。
しかし実は全話が演劇だったという設定になっている(メタフィクションオチはアニメ史上初)(wiki)

そして今度は噴火という天災が起こりアルファチーム、医療チームは駆けつけていくシーンで終わり。
いみじくもユ・シジンとカン・モヨンの恋愛には平穏が似合わない、彼らは永遠の愛の吊り橋効果の円環にいることが暗示されて終わり。
なんだかなぁ。
結局のところ「太陽の末裔」というドラマを見ていて、登場人物で成長したと言えるのはキム・ギボム君だけだったような気がします。
最後まで期待をたがわすことなくがっかりとした物語展開でした。
大尉がいなければとっくにリタイアしていたことでしょうね。
メタフィクションが似合うドラマとそうでないドラマとあって「太陽の末裔」は後者のドラマ。
幼稚なドラマであるのならば最後まで私たちにロマンティックな夢を見させてくれればよかったのにと思う。

 

 

 

★★★(ユ・シジン大尉は文句なしの★★★★★ですが・・・)

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