The enemy of my enemy is my friend・・・THE K2 4話まで

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韓国ドラマ「THE K2」4話まで視聴。

 

今日の敵は明日の友。人間関係が複雑に絡みだす4話まで。
誰もが嘘を語り、真実を隠していく。

 

あー、もうしびれる。狂おしくなるくらいに。愛と裏切りのこの腐敗した世界。
一人で興奮して視聴していたのですが「やたら長いアクションシーン」とか「小難しい」という「THE K2」の感想を見てびっくり。
確かに4話まででヒーローとヒロインの会話はほぼ皆無。
キム・ジェハは毎回血まみれ。スイートな砂糖菓子のようなロマンスの世界観を期待されている方には肩透かしの展開かもしれない。
チ・チャンウク君のアクションの限界に挑んでいるような、そんな物語展開なのだから。
しかしそんな物語が私にとってはしびれるくらい、ぞくぞくするほど、心を揺さぶられるのだから。
だってこの世は嘘ばかり。
本当のことなどどこにもない。
ジェハが流す血の他には。
その血はたまらなく悲しくて、たまらなく痛くて、たまらなく狂おしく、たまらなく甘美。
アクションシーンは冗長ではありません。
言葉で自分の気持ちを語らないジェハが、闘うことで世界に向き合っているのだから。
その格闘のすべてが、ジェハの魂の叫びなのだから。
こんなに悲痛な叫びに満ちているドラマを私は知らない。
こんなに真摯に世界と向き合って、何かを守ろうとしている男を私は知らない。
何度血まみれになろうとも、何度死にそうになろうとも、ジェハは闘い続けるのだろう。
そして3話でジェハが目を覚ますシーンが印象的。
ジェハがジェハという名前をもらいJSSのボディガードとして生まれ変わった瞬間だから。
銃弾と炎と裏切りと野望と失望の世界へと目覚めた瞬間。

 

 

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アクションシーンは瞬きせずに見てほしい。
ジェハが何を探していのか、何を求めているのか。
コミュニケーション不全な男が、己の拳でしか、他人と語りあうことができない不幸を持った男が主人公だから。
闘っている時だけが自分が息をしていると感じる、そんな不幸で悲しい男が主人公だから。
なんて、不幸で、そして、神に見出された人なんだろうか。
全てを失った男が、それでも自分の居場所を求め、闘いという世界に身を投じていくさまが、生きていくことが息苦しく思っている彼の呼吸が、視聴している私にダイレクトに伝わってくる。
本能と欲望のままに、血と涙が渦巻いている崖の底に頭から跳びこもうとする彼は、果てしなく悲しく、気高く、神々しくさえ見えるんだよなぁ。
60年、70年、100年生きたところで、自分が生きているという確たる実感を感じない人間が多い中、そんなに若いのに自分のアイデンティティを求め深淵に跳びこんでいくジェハは、愛おしい。
ジェハの闘いはいつも何かを守ろうとする闘いなのだ。

 
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暗闇にうずくまるアンナに光がさしこむのはいつなのか。
彼女はまるで幽閉されたお姫様のようでもあるし、鳥かごに閉じ込められた小鳥でもある。

 

 

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チェ・ユジンとチャン・セジュン。この二人は表裏一体。この腐敗した世界観を代表する二人でしょう。
愛と信頼を捨て裏切りと汚辱の世界に生きていく二人。
そうまでして彼らが手に入れたいのは大統領という座だけなのか。
違うものを実は追い求めているように見えるのですがね。
その気もない相手の前で、あてこすり、皮肉を込めた辛辣な口調で穏やかに話すユジンはひとり求愛ダンスを踊っているかのようでたまらなく切ない。
一緒に暮らしながら、確かに互いを必要としながら、心が最初からすれ違う夫婦の姿が胸に響く。
どうして人はそばにいる他人の心さえ、ちゃんと掴めないのだろうかと。

 
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ジェハとアンナの日常シーンがモニター越しというのは何とも印象的。チェ・ユジンとチャン・セジュンと比較してもね。
CCTV越しにアンナにもどかしく語りかけるジェハ。実はアンナもCCTV越しの相手の存在に気づいていて。
この孤独な男女が向き合うのはいつのことなのか。
ベタ甘なロマンスではないけれども、この不器用なふたりが本当の姿を見つめ合う時。
生きるという罪悪感に打ちのめされてきた彼らが自分の存在を赦し、相手を愛することで自分を癒していくのだろう。
それはラーメンを作るまでの物語なのかもしれない。
あるいはジェハが本当の名前を取り戻す物語なのかもしれない。

 

 

 

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3話まではガチなアクションシーンで息もつかせぬ展開でしたが4話で緩急をつけてきました。
特にこのシャワールームの大乱闘シーン! 必見!!
モザイクだらけ!(爆)
チャンウク君のファンは絶叫でしょう。食い入るようにヘビロテするに違いない。
序盤のシリアス展開からふっと息を抜いて見れるようなシーンも入れてくる。製作者側のもくろみ通り私たちはすっかりとこのドラマに夢中。

 

 

 

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チェ・ユジンの秘書。彼女からも限りなくイッちゃっている匂いを感じる。
この人は完璧にユジンを愛している。
ユジンのことを崇拝し、彼女のすべてを知っていると思い込み、自分だけがこの広い世界でただ一人の彼女の理解者だと思い込んでいる女。
ユジンを絶対的な存在として崇拝し、盲目的に従う女。
彼女といいJSSのボディーガードの面々といい、癖のある登場人物たち。
しかしエリートと言われるJSSだけれどもジェハひとりにさんざん振り回される設定もいかがかしら(笑)
ジェハの強さを表現したいのでしょうがJSSまでチープな存在に見えてきます。

 

 

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まあ、あんまり言及したくないけれどもラーニャね・・・
うん。
まあ。
I lost my love. I thought I lost everything, but I found someone I want to protect.
失った愛ですか・・・
ジェハとなんだか並んだ姿がしっくりこないと思ったのは、私の妬心でしょうか?(爆)

 

 

その時々の、私の心の琴線に触れたモノ・・・ 小説や、映画、音楽、ドラマ、ファッションについてだけの簡単な備忘録。 Everything was beautiful and nothing hurt.

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  • コメント ( 4 )

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  1. メロメロ沼の同志

    yuca様

    reviewのupが早くて、嬉しいです。(≧▽≦)
     
    >チ・チャンウク君のアクションの限界に挑んでいるような、そんな物語展開なのだから
    上海で『旋風少女2』を撮っている頃から、体は作っていましたし、6月末に帰国されてからはアクションスクールにも通われてたみたいです。
    彼の走るフォームが大好きなんですけれど、アクション時の足捌きも華麗ですよね
    あまりにアクションシーンがきつくて「最後のアクション作品にしたい」と、制作発表会で冗談とも本気ともつかないコメントをされていました。(笑)

    >アクションシーンは冗長ではありません。 言葉で自分の気持ちを語らないジェハが、闘うことで世界に向き合っているのだから。
    元々そういう気質である上、大切な女性を亡くしてからは一層拍車がかかったような感じですかね。
    私はアクション&サスペンス映画が大好きなので、わくわくなんですけれど…….

    >ジェハの闘いはいつも何かを守ろうとする闘いなのだ
    1話2話では、市井で慎ましく生きる心優しき人々を守り、3話では自分を殺そうしていた張本人のユジンを守る
    4話は……元カノの復讐より、小さい男の子を巻き込みたくなかったのかな……

    >生きるという罪悪感に打ちのめされてきた彼らが自分の存在を赦し、相手を愛することで自分を癒していくのだろう
    ジェハは彼女を亡くして、アンナも母親を亡くしていて、それぞれ自分が助けられなかったという強烈な罪悪感を持っていますからね。
    そんな似たような二人が惹かれるのは必然のような気もしますが、さてその道のりは…….

    >あっ!ラーニャね・・・
    ネタばれOKな友人とスチール写真を見た時に、元カノはイラク人かなと噂してたんですけれど、流石にびっくりしました。おまけにラブシーンまであったのねと……照れ照れのプロポーズがかわいかったので、許します(←えらそうに)

    あっ!私もね前髪あげて欲しいんですよ。Teaserのジェハに惚れましたよね?風呂場でのファイトシーンで前髪があがった時、心拍数が更に上がりましたもん。実は私、彼のファンではかなり少数派の前髪あげて欲しい派です。

    私だけの密かな『The K2』の楽しみ方は、
    〇映画のオマージュシーンを見つけること 4話(理容院と回転扉は『The Godfather』、風呂場『Eastern Promises』かな?ヒロイン名前はアンナ)
    〇ほっこりシーン、JSS武道担当教官(奇皇后・高麗村村長)やヘタレな相棒K1とジェハの絡み
    〇いっちゃってるユジン秘書の暴走

    yuca様との合言葉「金・土はパソ前集合」(爆笑)
     

  2. yuca

    同志さま、コメントありがとうございます♪

    本当に「THE K2」視聴始めて、ブログを書きたくて書きたくてたまらない気持ちがよみがえってきました。ありがとうチャンウク君!
    だんだんモチベーションが復活している気がする(笑)

    >「最後のアクション作品にしたい」と
    そうなのね。ちょっと「旋風少女2」と「K2」と続くのでアクション路線に行ってしまうのかと危惧しておりましたが。チャンウク君のしっとり演技も大好きなのでね。
    本当に夢中で観ていて、だからこそ「アクションが退屈」とか「とりあえず見ている」とかの感想を見るとえええーっ!と驚いたのです。
    わくわくだよね。

    視聴する前は大切な人を失くして心が凍てついたヒーローだと思っていたのです。心を開くのは猫ぐらいなヒーローだと。
    しかし思いの他に柔らかな優しい心のヒーローでした。傭兵だから血にまみれているのかと思いきや。人を殺すことができないヒーローです。ジョンフ君みたい。
    ジェハは誰かを守ることで、自分の生きている意味を感じる男なのかなぁ。そんな彼の心の中に暗闇の中でうずくまるアンナがすぽっと入るのでしょうね。
    そこにチェ・ユジンがどう関わるのかしら。続きが気になって仕方がありません。

    >照れ照れのプロポーズがかわいかったので、許します
    えええ、同志様、優しい(笑)
    私は画面のこちら側で怒ってました(爆) あえて映像に映さずにエピソードを語る手法があったのに・・・視聴者の想像に任せてほしかった(笑)

    >私もね前髪あげて欲しいんですよ。
    ですよね!Teaserのジェハに惚れました!!
    あのジェハが見たい。このあと前髪上げないのかなぁ。激しく希望します。

    惚れてしまいます。

    >映画のオマージュシーンを見つけること
    うんうん。また教えてください!

    >JSS武道担当教官(奇皇后・高麗村村長)やヘタレな相棒K1とジェハの絡み
    >いっちゃってるユジン秘書の暴走
    本当にツボがいっしょです!
    そしてもちろんジェハの苦悩と混乱と孤独と、しかし誰かを守りたい、誰かを愛したいという姿を堪能します!

  3. メロメロ沼の同志

    yuca様

    金・土の生活リズムを『The K2』に合わせているイタいJCWファンの私……
    ちょっと拗ねていいですか?
    yuca様はソン・ジュンギさんのファンだと思いますけれど……
    If I wasn’t hard, I wouldn’t be alive. If I couldn’t ever be gentle, I wouldn’t deserve to be alive.
    この言葉は5話のジェハ@JCWに言って欲しかったな…….
    それ位ジェハにしびれましたけれどね。(ファンの欲目かもですが)
    また、reviewをお待ちしています♪  

  4. yuca

    同志さま、コメントありがとうございます♪

    いえいえ。おっしゃる通りです!
    5・6話もよかったですよね。しっびれっぱなし、メロメロになりっぱなしです。
    緩急のつけ方がうまいドラマですよね。しかし16話? もう終わることが心配で心配でたまらない私。
    「ヒーラー」20話、「奇皇后」も長かったし・・・
    16話しかないなんて悲しくて、押しつぶされそう。

    ユ・シジン大尉はね、あまり寂しさがない人のように見えます。出来上がっている人。「太陽の末裔」の欠点は大尉をあまりにも理想に描きすぎて、かえって大尉の孤独、悲哀を感じられなかったこと。
    同じ「優しくなければ生きている資格がない」ジェハですが、彼にはきちんと寂しさが描かれています。
    寂しさがある人間に惹かれるのでね。その寂しさに寄り添ってあげたいと思うのです。

    チ・チャンウク君の純真無垢なロマンティシズム、みずみずしさがいいですよね。