一人じゃないから、私が君を守るから・・・グッバイ ミスターブラック8話まで

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韓国ドラマ「グッバイミスターブラック」(韓国未放送分を含む再編集版)8話まで視聴。

【あらすじ】ソヌ建設の会長の息子で海軍将校のジウォン(イ・ジヌク)は、幼くして父親と別れたソンジェ(キム・ガンウ)と家族のように育つ。軍隊でも苦楽を共にした2人はかけがえのない親友同士だったが、ジウォンがマリ(ユ・イニョン)にプロポーズすると、彼女に密かに想いを寄せていたソンジェは軍隊を離れ、ジウォンの父の会社に入社することを決意する。しかし、ソンジェは成果を求めるあまり不正を働いてしまい、それが原因でジウォンの父は何者かに殺されてしまう。
一方のジウォンは派遣先のタイで殺人の濡れ衣を着せられ追われる身に。 窮地に陥ったジウォンは市場で生きる孤児のカヤ(ムン・チェウォン)に助けられる。逃亡を図るため、カヤと偽装結婚したジウォンは、復讐を胸に韓国に戻り、ジウォンを追ってカヤもスワンという名で渡韓する。そんな中、ジウォンはソヌ建設の社長の座にソンジェが就くことを知る。


 

「グッバイミスターブラック」放映時は「太陽の末裔」とかぶっていたのかな?
同じ軍隊モノで始まったこの2作。荒唐無稽かつ超人的な活躍を涼しげに軽やかに披露したユ・シジンの方に軍配はあがったみたいですが。
さて「ブラック」は私は嫌いではありません。「太陽の末裔」は中断しているのに、「ブラック」は8話まで視聴しているのがその証拠。
ユ・シジンはどんな困難の中でも夢の中の王子様のように振る舞っていましたが、ジウォンは真っ白な式服がよく似合う海軍将校からあっという間にダークサイドに落とされていきます。

 

 

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「モンテ・クリスト伯」の展開。デュマのこの物語は古今東西から愛され、様々なドラマや映画、舞台にその骨子は変換され続け、変奏され続けているよな。「琅琊榜」もそうでしたよね。
しかし私はこのドラマではジウォンよりソンジェに心を打たれています。
家柄も財産もなく、己の才覚でのし上がろうとすれば周りからつぶされそうになる。絶望の中でもただひとりの女が彼を見てくれるだけで、そんなささやかな幸せが欲しかっただけなのに。
ただひとりの女をこの腕に抱きたいがために、親友に銃を向ける。
押しつぶされそうなくらいの野心と狂おしいくらいの恋心に、我を失ってしまうソンジェのことが気になって仕方がありません。
のし上がろうともがくソンジェに比べてジウォンは生まれた時からすべてを持っており、そしてマリの愛まで得るのですから。
ソンジェの鬱屈した気持ちが痛いほど私に伝わってくる。ソンジェの取った手段は非道ですが、彼にとってはその手段しかなかったのだろうから。
とにかく演じるキム・ガンウが格好よすぎて、頭がクラクラ。
私はなんでも持っている王子様よりも、すべてを手に入れたくてもだえ苦しんでいる悪役二番手君フェチです(キッパリ!)

 

 

 

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タイのスラム街に住むカヤ。彼女に「スワン」と名前を付けるジウォン。
恋愛物語では「名前」という言霊は非常に大切だといつも思っている。
名前はその人の本質であり、名前を与える、名前を呼ぶ、名前を知るということは、その人の魂を奪うということだから。
愛をインプリンティングするということだから。
最近視聴している「オ・ヘヨン」だって、「雲が描いた月明り」だって、名前を呼ぶということが恋愛が始まるという重要なポイントとして視聴者に提示されている。
だから。
名前のなかったカヤ(ごみ)に「スワン」という名前をつけるジウォンに対して、スワンが恋心を抱くのは必然。
だってその瞬間にスワンの魂はジウォンに奪われたのだから。
知らずに名前をつけてやるジウォンは、ある意味残酷な人間だ。
ジウォンは銀のスプーンを咥えて生まれた人間だからか、意外に人の愛情や憎しみに疎いところがある。
不憫に思いスワンに名前をつけたジウォンは、その時は彼女の人生に責任を持つ意思はまだない。ソウルに帰ってきても「スワンには会わない」と言い放つ。
(そう言いながらも、すぐさま会ってしまう物語の展開に苦笑。影でスワンを支えるジウォンをもう少し見ていたかったのに。胸キュン必然のシチュエーションなのにね)

 

 

 

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「ブラック」と「スワン」
名前をつけ合った瞬間に魂が結ばれたふたり。
だからジウォンの帰りを待っていたマリにとっては「ブラック・スワン」の物語の展開でもあるわけです。
愛を奪われるお姫様。
演じるユ・イニョンは「雪の女王」の時も、「奇皇后」の時も、「仮面」の時もいつも一番欲しいものが手に入らない、そんな悲劇的な設定の役ばかりだなぁ。

 

 

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スワンの義兄になりタイから連れて帰る、謎の御曹司を演じるキム・テウもいい。
ほのかなスワンへの恋心を胸に秘め、優しく見守る。しかし一瞬恋心があふれそうになり、それを押し込めようとする逡巡がいい。
スワンの上司でありソヌグループの重役の息子でもあるウジンを演じるソン・ジェリムもいい。
「イケメンラーメン店」や「太陽抱月」(雲!!)で演じるクールさと違う魅力を見せてくれます。

 

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さて「グッバイミスターブラック」ですが、なんだか話の流れが悪いなぁと思ったのです。テンポが悪い。
調べると私が見ているCS放映版は「韓国未放送分を含む再編集版」なんですって!
要は水増しして、話数を増やし1日でも長くCS契約をしてもらう魂胆か、はたまたこの後に続くレンタル巻数を増やし収益をあげるってことでしょ。
韓国ドラマの版権を持つ会社は相変わらず物語に対してリスペクトがないのねと愕然。
音楽の差し替えは一万歩譲っても(いや、譲りたくはないですけれども・・・)、編集、カット、未放映部分を挿入で話を増やすのは物語の流れを悪くするのになぁ。
ドラマにとってテンポは命です。ただでさえ荒唐無稽な「グッバイミスターブラック」、話の流れが端折られたり、そもそもの原因が説明不足だったりする展開の中、未放映部分はおそらく主役たちのシーンなのでしょうが、妙にそのシーンだけ冗長だったりして。
なんだかなぁと思いつつ。
オリジナルを探して視聴する気力はないので、そのままCS版を視聴しています。もしかするとリタイアするかもしれないけれども・・・(弱気な私)

 

 

その時々の、私の心の琴線に触れたモノ・・・ 小説や、映画、音楽、ドラマ、ファッションについてだけの簡単な備忘録。 Everything was beautiful and nothing hurt.

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