雪中松柏・・・琅琊榜33話まで

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中国ドラマ「琅琊榜」33話まで視聴。

 

「琅琊榜」の世界はいつも冬。
新春はあっても夏や秋はない。凍てつく冬の情景は梅長蘇の心情の表れか。
梁国の暗部を覆い隠すのは、いつも降りしきる雪なのか。
雪は神聖であり、全てが清められる。
憎しみも恨みも愛も哀しみも。
その中で変わらないものは何かを問いかける。
自分自身が生きていくために犠牲にしなければならないもの、何よりもその命を犠牲にしても、それでも失っていけないものは何かを問いかけてくる。

 

梅長蘇の吐く息はいつも白く、そしてその病状はますますと進行しているようだ。
(あ、冬に対抗する夏の象徴はもしかして夏江? 夏冬が夏江と袂を分かつのは“冬”が名前に入っていることで暗喩されていたのか?)
ちょっと蘇先生が病に倒れている間に、誉王と夏江の策略が靖王を包囲しちゃって。
視聴したのはたった3話なのに、じとーっと手に汗をかいてしまう。
蘇先生の策略は、彼の命を削ることで成り立っているような、そんな気がしてきて。
そしていつもどこかに、いなくなってしまった林殊を探してしまう、面影を追い求めている靖王がけなげすぎて。
33話、蘇先生と靖王は対立します。
靖王を皇帝にするために、罪なき人を利用しない、踏み台にしないという自分との約束を蘇先生がないがしろにしたと靖王が憤る。
皇帝になるためなら何をしても構わないのというのならば、誉王と自分は何ら変わらない人間になってしまう。
手段を選ばない人間になってしまうと、亡き兄、亡き親友にあわせる顔がないと。

 

 

 

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誉王。私は嫌いじゃないのですよね~
誉王の不幸は口が達者なことでしょうね。頭は彼が思っているほど良くはない。
実は彼も結構、複雑な生い立ちで母は下賤の身分らしい。その母がなくなり、皇后に育ててもらったという。
だから皇后との関係も、育ての親ではあるけれどもどこかぎくしゃくしているし、彼を盛りたてる血縁は皆無。
きっと皇后の顔色を見ながら、どうしたら喜んでもらえるのかそれだけを考えていた子どもだったのでしょうね。
幼少期からその場で求められることを察知し、大人が喜ぶことを言ってあげる能力だけは磨かれてきたのでしょうね。
その能力ゆえに皇帝の前でもたびたび不興を買いながらも、ここぞと言う時にとっさに皇帝が喜びそうなことをいうことができる。
災害で民を救済するのに一刻も争うので、私財を投げ打ちますとかね。
後継者争いに残っているのは、その能力ゆえ。皇太子がお話にならないくらいひどかったので(笑)、際立って才覚があるように見えていただけで。
しかし、あっちの謀士、こっちの謀士とふらふら。よ~く見ているとあの人の助言を聞いて、この人の助言を聞いてとどうにも腰が落ち着かない。

 
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そもそも、いくら賢いと言っても愛人を謀士にしているなんて、もう完全に公私混同も甚だしくない?
しかもどうやら秦般弱は滑族の悲願のために誉王を利用しているっぽいし。
秦般弱との関係性を見てもだめだなぁ~誉王と思っちゃうのです。
あんなに淫靡さをダダ漏れでいるこのコンビは、後継者争いを企てているというよりは悪い女に騙されちゃっている自分はイケテいると勘違いしているボンボンといった雰囲気しかないもの。
蘇先生と靖王の間に漂う緊張感とは極限。

 

 

 

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靖王があれだけ蘇先生に対して怒ったのは、裏切られた感が強かったから。
皇帝になるためだけの戦略を求めているだけではなく共に闘う同志としての心のよりどころを求めていたからこそ、蘇先生が自分の気持ちを裏切ったのだと憤ったのだろう。
あの時の靖王は実は母が陥れられようとしたとか、衛崢が捕えられたということよりも、ただただ蘇先生が自分との約束をないがしろにしたことに深い絶望と孤独感を味わっているように見えた。
信じていたのに裏切られたという絶望感。
それだけ靖王が蘇先生に傾倒している証拠でもあるのに。

「男には揺るがぬ信念があるのだ。どれだけ不利になろうと手をこまねくわけにはいかない」
そう言って罠だと知っていても衛崢を助けに向かう靖王。それは衛崢が林殊の部下だから。ただそれだけの理由で、例え後継者争いから外れようとも、冷遇されようとも突き進もうとする靖王。
彼の一本気、愚直な、それでいて泣きたくなるくらいな情義に蘇先生も心が揺さぶられる。
「蕭景琰!」と彼の名前を蘇先生が呼んだ時に、鳥肌がたちましたよ。
この瞬間、この場面、この状況で友の名を呼ぶのかと。
万感の思いを込めて呼ぶのかと。
苛立ちと、無力感と、自分の言葉を聞いてほしいという焦燥感、そしてなによりも友への言葉に尽くせないくらいの感謝の意を込めた「蕭景琰!」
なんだかそれだけで、私、泣けてきてね。
うん。
泣けてきてね。
いつかこのふたりが並んで立つシーンを見てみたいなと。
皇帝と謀士ではなく、友として並んでこの国を見ているそんなシーンを夢見てしまう。

 

 

 

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英語のタイトルは「Nirvana in Fire」
ニルヴァーナって言えばロックバンド思い出しちゃうので、なかなかピンとこなかったりするタイトルですが(笑)
もちろん、梅長蘇のことでしょうね。
「琅琊榜」では火鉢が意味ありげに描写されます。
病弱の梅長蘇のそばには必ず火鉢がある。何しろ季節はいつも冬ですからね。
炭が熾(いこ)っている。表面はすすけているのに、その内面は滾るように赤い。
まるで梅長蘇のよう、死の淵から戻り病弱で命を削って生きているのに、そのまなざしは、その信念は滾るように熱い。
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燃え尽きないでと願ってしまう。
あまりにも強い悲願は梅長蘇をも焼きつくしそうでね、己の裡に滾る炎で。

 

 

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何気に全ての鍵を握っていそうな太監(だったよね?)
静妃といいバイプレイヤーたちの方が、梅長蘇の正体にいち早く気づいているのよね。

 

 

 

雪中松柏(せっちゅうのしょうはく)
志や節操を堅く守ることのたとえ。
松や柏が雪中にも緑を保つことから。

応答せよ1988

毒島ゆり子のせきらら日記

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コメント

    • 守百香廃人
    • 2016年 5月 16日

    こんばんは。
    先週、今週と目が離せない怒涛の展開
    you tube で54話まで視聴しましたが内容はまったく分かっていないので銀河の日本語字幕で確認しながら改めて見直しています。
    今週の放送が終わってのyucaさんの誉王の考察をぜひ読ませて頂きたいです!! なぜか私も誉王に惹かれるのですね。とても俗物的ではあるけどどこか悲しくて。
    この33話の雪の降る中 靖王と小殊のやり取り 画面に魅入ってしまって 13年なぜここまで変わらず一途に思い続けられるのだろう とっくに無くしてしまったものを持ち続けている靖王にやはり一番惹かれます。この余りに頑固で不器用で ぬれた子犬のような瞳で小殊を偲ぶ彼は守ってあげたい 子供か弟のような存在ですね。武人の彼を守るなんて変ですけど。
    今は放送が終わるのが怖いですね。生活の一部 ちょっと大げさですが。
    Nirvana in Fire 今のところは小殊の 氷の中で静かに青白く燃える焔のイメージなのかなぁ 靖王は赤く燃える焔のイメージ その対比?????
    あまり書くとネタバレになりそうなのでこの辺で。

  1. 守百香廃人さま

    ごぶさたしております。

    本当に怒涛の展開で。終わったあと呆然としていたし、ブログの更新が止まったのはロスになっていたからでしょうね。
    これからBSで放映されるので多くの方がこのドラマに夢中になるのでしょうね。

    いずれ、このドラマの感想は書きたいですけれども。
    今年視聴したドラマの中ではダントツです。

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