失踪ノワールM

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失踪ノワールM Missing Noir M 全10話 (2015年 韓国OCN)

 

■監督:イ・スニョン
■脚本:イ・ユジン
■キャスト:
キム・ガンウ(キル・スヒョン)
パク・ヒスン(オ・デヨン)
チョ・ボア(チン・セジュン)

【あらすじ】
“ミステリー失踪犯罪捜査劇”を標榜する「失踪ノワールM」は、10歳で米ハーバード大学に入学し、数学、物理学、哲学など各博士号を取得して15歳でNASAの研究員になったが、突然FBI捜査官の道を選択したキル・スヒョン(キム・ガンウ)と、経歴20年のベテラン刑事オ・デヨン(パク・ヒスン)が共に未解決の失踪事件を解いていく捜査劇だ。緻密な頭脳争いに、事件を解決していくキル・スヒョンと徹底的に動物的な感覚と直感で事件を解決するオ・デヨン、そしてハッカー出身の警察庁サイバー安全局・警長のチン・ソジュン(チョ・ボア)が協力して、凶悪犯罪に関わりを持つ1%の失踪事件を解決していく。

 


 

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Wer mit Ungeheuern kämpft, mag zusehn, dass er nicht dabei zum Ungeheuer wird. Und wenn du lange in einen Abgrund blickst, blickt der Abgrund auch in dich hinein.

 

ニーチェの「怪物と闘う者は、その過程で自らが怪物と化さぬよう心せよ。おまえが長く深淵を覗くならば、深淵もまた等しくおまえを見返すのだ」
ミステリーとは事件を解決する物語ではなく、犯罪者の闇に触れ悪意が伝染していくか、探偵(刑事)が怪物になるか否か。
そういう物語であるべきだと思っている。

 

 

「失踪ノワールM」では毎話犯罪者を捕まえたがはたして正義は成り立っているのかという疑問を、私たちに問いかけてきた。
終盤になるにつれて正義とは何かと主人公たちの信念を揺さぶらせる。
正義という概念は非常に恐ろしいもので、正義さえ主張すれば何をしてもいいというのが昨今のテロ事情でしょう。
人の数ほど正義はあるのですから。では自分が信じる正義とは、他人にとっては正義なのか、それとも・・・
このドラマでは犯罪者の闇というよりも犯罪者が主張する「正義」が伝染していく展開が非常に興味深かった。
「正義に基づいて行動する」・・・このセリフがドラマの中で、たびたび出てくるのですが、「正義」という概念ほど恐ろしいものはない。
ある国にとってはそれは正義となり、ある国にとってはテロとなる。
どこまで行っても平行線な「正義」が、「失踪ノワールM」の世界では横溢してる。
正義と言う深淵をのぞき、そしてそのために果てしない復讐の連鎖に陥った哀しい人たちの物語でもあった。

 

 

 

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キル・スヒョンが持っている正義という闇に、オ・デヨンが囚われていく物語でもあった。
「失踪ノワールM」のMとは、Missing(失踪)、Mystery(疑問)、Murder(殺人)、Message(メッセージ)、そしてMeet(出会い)。
正義という闇に出会う物語でもあったのよね。
グルーミーな雰囲気に彩られたこの物語、最終的に巨悪に挑んでいくという構成でないのも気に入っている。
もしかして自分の中に潜む深淵こそが最大のMysteryなのかもしれない。
アンフェタミンを乱用する信頼できない語り手(unreliable narrator)キル・スヒョンの物語は、まだ始まったばかり。

 

そして全篇を通してMissing Motherを探す物語なのかもしれない。
ミステリードラマはあまりに露骨に感想を書くとネタバレになるので、ここらへんで自粛。

 

 

 

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7話  HOME
8-9話 清らかな心
10話  Injustice

 

視聴者の価値観をも揺るがすような、そんな秀逸なドラマだったと思う。

 

 

★★★★

富士ファミリー

言葉はいつも早すぎるか遅すぎる・・・お昼12時のシンデレラ16話まで

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コメント

    • rei
    • 2016年 2月 24日

    yucaさん、こんにちは!!

    失踪ノワール、見終わりましたーーー
    いや、もう、嵌った嵌った♪
    この二人の男たちのかっこいいことといったら。
    パク・ヒスンは言うに及ばず、キム・ガンウって、こんなに素敵だったっけ!?!?
    私もミステリーって、途中でわからなくなったりであまり得意分野ではないのですが、
    これは、もう、そんなのいいや、この二人が見られるなら、と一気見しました。(笑)。
    ちょっと、セブンのような後味の悪さもあり、次に続いて欲しいような終わり方でもあり

    ちょっと、ネタバレっぽいですが、よくわからなくって、、、ちょっと質問。
    最後、あの解剖医が見ようとしていた遺体は、彼女だったのですか?
    すいません、不適切なネタバレ質問なら、
    削除してくださいねーーー

  1. reiさん、コメントありがとうございます♪

    祝★「失踪ノワール」完走です!
    地味に渋く面白いドラマですよね。
    >キム・ガンウって、こんなに素敵だったっけ!?!?
    うふふふ、地味に渋くカッコいいのですよ、彼。

    このドラマは続編も想定して作られているのだろうから、最後は結構放りっぱなしですよね。
    謎は謎のままなのでしょうね。
    ノワールと言うだけあって、こういう後味の悪さって結構好きなのです。

    • rei
    • 2016年 2月 28日

    yucaさん、返信ありがとうございます!!

    そっかーーー、続編ね、そこでいろいろ明かされるといいな。
    でも、このまま明かされなくてもいいんだけど、続編は是非作っていただきたい!
    あの二人に又会いたいです!!

    今日から、1988に着手いたします。
    yucaさんのレビューは見終わるまでお預けです♪
    楽しみ楽しみ!!!

  2. reiさん、コメントありがとうございます♪

    「1988」どうですか~?わくわく。
    私はこのドラマは久しぶりに一気視聴しましたものね。感動の嵐でした。
    まだ最終話の感想を書いていないのですが、こういうドラマに出逢えるから韓国ドラマってやめられないのよねと思います。

    「ノワールM」のような肌触りのドラマも日本ドラマではなかなかありませんものね。

    • ゆま
    • 2016年 5月 29日

    お久しぶりです

    ハヌル君のサイコパスな演技と反転から始まってワクワクしながら見始めました。yucaさんお気に入りのハヌル君、わたしの中では劣等感と優越感のはざまの葛藤を演じさせたら抜群!と私も気になる若手俳優さんです。
    5話でのただただ妹が生きているのかを知りたい兄、7話での族に探してももらえない子供たちがやっと手にした家族…大切なものを簡単にうばわれてしまったその姿が本当に悲しくて、被害者が加害者になってしまうことを感情では許してしまうこともありました。

    でもyucaさんが書かれている通り
    >自分が信じる正義とは、他人にとっては正義なのか
    終盤までは、失踪した誰かには家族を失った人たちがいるんだということを痛いほど見せつけておきながら、最終話で家族を守るために「法は正義」になるのかという絶えず問われ続けてきた問いに答えを求められているようで、
    叶うなら、デヨンには妻子の姿を、スヒョンには薬を手放せる安らぎをくれる誰かを、ソジュンには家族を…そんな願いはノワールではかなうはずもなく、最後まで裏切られないドラマでした。

    「男の物語」のキム・ガンウが好きで、映画はほとんど見ないので、あの役を越える役の彼を見たかったのがこのドラマの視聴理由。一言では語れない、そんな人物像を見事にみせてくれて大満足です。
    パク・ヒスンは「私の恋愛のすべて」で初めて見たときはもったいない役だったのですが、「興信所」気になります!いかにも映画俳優というたたずまいの俳優さんですね。ステレオタイプばかりでないケーブルものなら、また彼の魅力を生かせる役で出てくれるでしょうか…

  3. ゆまさま

    ごぶさたすぎております。

    ハヌル君、「月の恋人」が始まりましたね!
    どうして4皇子の役なのだろうかと思いながら、楽しみにしております。

    >「興信所」気になります!
    これはね、マニアックなドラマです(笑)
    私は好きなのだけれどもね。

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