Lucid Dream・・・失踪ノワールM 6話まで

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韓国ドラマ「失踪ノワールM」6話まで視聴。

 

 

歳末大蔵出し(?)視聴第3弾。
このドラマも1-2話のカン・ハヌル君出演を堪能した後は、ほったらかしにしておりました。

 

“ミステリー失踪犯罪捜査劇”を標榜する「失踪ノワールM」は、10歳で米ハーバード大学に入学し、数学、物理学、哲学など各博士号を取得して15歳でNASAの研究員になったが、突然FBI捜査官の道を選択したキル・スヒョン(キム・ガンウ)と、経歴20年のベテラン刑事オ・デヨン(パク・ヒスン)が共に未解決の失踪事件を解いていく捜査劇だ。緻密な頭脳争いに、事件を解決していくキル・スヒョンと徹底的に動物的な感覚と直感で事件を解決するオ・デヨン、そしてハッカー出身の警察庁サイバー安全局・警長のチン・ソジュン(チョ・ボア)が協力して、凶悪犯罪に関わりを持つ1%の失踪事件を解決していく。

 

ほったらかしにしていた理由がですね、1-2話があまりにも登場人物が多く、かつあまりにも推理がスピーディーだったために、ザル頭の私では到底このスピード感についていけなかったのです。
なんたって、天才捜査官の頭脳スピードについていけるわけありませんもの。
野生的な勘もないし。
物語の出だしは、まるでアメドラ「ハンニバル」のような猟奇的殺人事件から始まります。

 

 

 

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単純な頭脳合戦かと思われたその事件が二転三転、思いがけない方向に事件は展開していく。
視聴者が推理出来るような暇がないドラマです。
とにかくドラマのグルーブ感に乗り遅れたら、「失踪ノワールM」の面白さは理解できないのよね。f130700069548745948(0)
「失踪ノワールM」のM。
失踪事件を追いかけ解決していくうちに、最後に出会う者(モノ)は誰(ナニ)なのでしょうか。
2話のラストで一瞬私の心に引っかかったある光景が、4話のラストになって確信に変わる。
犯罪者たちが抱える闇が、キル・スヒョンの中に眠る闇と呼応していく。
キル・スヒョンはどんな闇に飲み込まれようとしているのか。

お前が殺した人の数
お前が失った人の数
お前が探している人の数

キル・スヒョンにとってこの問いかけが何を意味するのか。

 

 

 

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「失踪ノワールM」の主人公のひとりキル・スヒョンは、信頼できない語り手(unreliable narrator)だということがだんだんとわかってくる。
彼の行動の端々から、その歪みや向こう側にある事実の痕跡が見えてくるのだ。
彼はミステリーにおける探偵ではなく、むしろ犯罪を完遂させる手助けをする共犯者の様相を呈してくる。犯罪者たちの最後の願いを叶えるのだから。
なぜなら彼の内にも犯罪者たちと同じような闇が潜んでいるから。
そしてそれはスヒョンが韓国に来てからの事ではなく、アメリカ時代から続いている闇だとしたら。
スヒョンがアメリカで飲み込まれてしまった闇はどんな闇なのか。
先ほどの問いかけの答えは「631」。
スヒョンが逢いたい人が、このドラマの着地点の最後に出会う者(モノ)は誰(ナニ)につながっていくのか。

 

 

 

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パク・ヒスンが恰好よくてね~(号泣) 「いいかげんな興信所」というマニアックすぎるドラマを私は激愛、溺愛しておりまして、そのドラマでパク・ヒスンに激堕ちしましたもの。
そんな彼が演じるオ・デヨンが恰好悪いはずがありません!
飄々、泰然、愛嬌があり、行動力抜群、茶目っけもあるオ・デヨン刑事。奥様は出産間近なのか。
野生的な勘(笑)でキル・スヒョンの天才的推理力を補完していく存在。
そしてその直観力の鋭さからキル・スヒョンの闇に一番最初に気づいていく。
願わくば彼がキル・スヒョンの闇に飲み込まれないように、と願っています。
このドラマを見ていると「沙粧妙子 – 最後の事件 -SASHOW THE LAST CASE」を思い出しちゃうのよね。
闇は伝染するのか、悪意は伝染するのか。

 

 

 

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CCTV、GPSが張り巡らされた韓国の現状では犯罪ミステリーの解決の糸口も変化してきているのね。
国中に張り巡らされたジョージ・オーウェルばりのビッグ・バラザーシステム、もといピーピング・トムのシステムから私たちは逃れることができるのかというテーマもあるような。
すべての行動が監視されて記録に残っている現状と、その監視から逃れていく特殊失踪。
このドラマでは犯罪者たちは「失踪」という手段で警察の注目を浴び、過去に埋もれてしまっている事件を掘り起こし真実を白昼にさらけ出したいと願う哀しい人たちばかりなのだ。

1-2話「刑務所からのパズル」
3-4話「錆」
5話 「殺人の再構成」
6話 「予告された殺人」
ネタバレになるので詳しく書けませんが、犯罪者たちが白日にさらけだしたかった真実は、重く、深く、私の心に残る。

 

「ゾンビ映画が好きだとは知らなかったな」
「エンディングが哀しいんです」
「怖いんじゃなく、哀しい?」
「最後のシーンは涙なしには見れないんです」
「そんなにか?」

 

エンディングが「哀しい」とオ・デヨンに言ったキル・スヒョン。
それはそのまま「失踪ノワールM」のエンディングが毎話、哀しくほろ苦く終わることと通じる。

 

 

OSTのLucid Dreamも、妙に耳に残るメロディでおどろおどろしく、この陰鬱な世界観を表していると思います。
「明晰夢」とはキル・スヒョン、オ・デヨンが悪夢にさまよいこんでいる事の暗示か。
ヘビロテ中。

その時々の、私の心の琴線に触れたモノ・・・ 小説や、映画、音楽、ドラマ、ファッションについてだけの簡単な備忘録。 Everything was beautiful and nothing hurt.

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