I Can’t Make You Love Me・・・ヨンパリ8話まで

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韓国ドラマ「ヨンパリ」8話まで視聴。

 

 

4話まで視聴したのが、8月中旬なのでいつ以来?ってな感じの「ヨンパリ」ですが思ったよりなかなか面白かったなぁという8話まで。
巷の感想では4話までは面白く、5~9話までが苦痛でそれを乗り越えたら惰性(爆)で最終話まで乗り切れるらしいのですが。

4話までで何よりも素敵なのはキム・テヒ演じるハン・ヨジンが眠れる森の美女であるということ。
眠っているキム・テヒはやっぱり美しくって、それはそれはため息が出るくらい神秘的かつミステリアス。
ずっと眠っていた方が物語は面白いのではないかしら?

なんて意地悪いことを書いていたのですが、ヨジンが目覚めてからの5~8話はある意味面白かったです。
ハンシン財閥の後継者であるヨジンをどの陣営が手に入れるかという抗争で明けくれた展開でした。
結局ヨジンの生死は問わず手に入れら方が勝ちという争いで、挙句の果てに実はヨジンは死んだ方がいいのではないかという結論に落ち付いてしまった8話まで。
眠り姫よりも残酷ですよね、死んだ方がいいという。
ヨジンはこのドラマの登場人物たちにとって、生きている人間というよりは象徴としてのお人形なのです。
眠り姫だったヨジンは目が覚めてからもお人形なのですよね。
キム・テヒは感情の動きのない眠り姫や、お人形の役がウマいなぁ~と変なところで関心。
演技云々ではなく、ただキム・テヒの崩れそうな美しさを堪能すればいいのですから。

 

 

 

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愛だの恋だのがわからないお人形だから、ヨジンはいいのです。
亡くなった恋人ヨンフンに対して泣いてみせたりしても、心が空っぽなところがいいのです。
ヨジンにとってすべてが、自分の美しさや、賢さ、大胆さなどすべてがハンシン財閥で獣たちと戦う武器なのだから。使えるものは自分の中の恋心さえ計算して使っている、その空っぽさがいいのです。
ヨンフンを想い泣きながらも、すぐ後にテヒョンとキスをする。
そんなしたたかさが、結構私は気に入っています。

 

 

 

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ちょっとだけ偽悪家ぶっているテヒョン(チュウォン)なんか、赤子の手をひねるように簡単に彼女の思い通りになっている。
ヨジンの美しさはテヒョンの中にある、誰かを守りたい・・・妹を守りたいという強い想いの変形ですが、をものすごく刺激するのですよね。
テヒョンにとっては強烈な一目ぼれで、彼の中にあるエンプティーネストシンドロームを強烈に刺激するのでしょうね。ヨジンの存在は。
あるいは共依存の関係か。
眠り姫のヨジンはその美しさゆえに看護師の歪んだ愛の対象になり、そしてその不憫さからテヒョンは彼女から目を離すことができなくなる。
たちの悪い女に恋しちゃったテヒョンが、いい男だからこそ不憫でね(苦笑)
この世界には愛してはいけない相手、愛しようがない相手というのは、いるのです。
思いっきり恋愛ドラマなはずの「ヨンパリ」にむしろ愛の不可解さを見ている私。

 

 

 

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同じことがこのドラマの悪役であるハン・ドジュン(チョ・ヒョンジェ)
自分を愛してくれない妻を愛してしまったことが彼の悲劇だと劇中で述べられていますが、テヒョンより不毛だよね。
相手はすぐ横にいるのに、自分を愛することはないという。
彼の中の欠落は妻が横にいるからこそ、さらにその空虚さが大きくなってしまうのよね。
妹の命さえ奪おうとするほどに。

 

「ヨンパリ」とは愛に無関心な女たちに愛を乞う男たちのドラマに見えてきちゃうから、あら不思議。
そう思うとね、あれだけ苦手だったキム・テヒのつんとした演技が苦手ではなくなるのよね。
愛を知らない魔女がいつ愛を知るのか。知ることができるのか。
愛を知らないからこそ、愛に落ちた瞬間にヨジンが何を選ぶのか。
そんなことを想ってしまうのです。
童話では眠り姫にキスをすることで彼女は目覚めるのですが、「ヨンパリ」ではどうなのでしょうね。

その時々の、私の心の琴線に触れたモノ・・・ 小説や、映画、音楽、ドラマ、ファッションについてだけの簡単な備忘録。 Everything was beautiful and nothing hurt.

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  • コメント ( 2 )

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  1. ゆま

    yucaさんは、8話でリタイアされたのでしょうか?
    私は今11話まで来てyucaさんの「ヨンパリについて」読ませて頂いて、洞察の素晴らしさにうなってしまって思わずキーボードを叩いてしまいました(*^_^*)
    多分見終わったら感想も変わってそうで、この時点で^_^;

    >眠り姫だったヨジンは目が覚めてからもお人形なのですよね

    父以外、ヨジンは周囲の人にとってモノでしかないのがキム・テヒらしさ(敢えて書きません)と相まって、私も悪くないと思います。

    正直彼女が目覚めてから興ざめ、というレビューは読んでいましたし、私自身も危惧していた部分で、感情を露わにす場面では多少思うところはありますが…

    >愛を乞う男たちのドラマに見えてきちゃうから、あら不思議

    ドジュンが今後どんな風に堕ちていくのか、さらに狂気にまみれていく姿をどんな風にチョ・ヒョンジェ君が演じるのが楽しみで…
    あの清純なアンドレアを、温かいミョンノン世子を演じたチョ・ヒョンジェの悪役ぶりがこれまた美しくて。

    正直主人公二人の恋愛なんてどうでもよくて、やっぱり私は欠けた部分の大きい人が気になって仕方ないといういつもの状態です。

    ここから一気に地獄に向かっていく前の花畑のような2話かと思える8,9話を乗り越えたので、惰性で?最終話まで見続けるつもりです。

    >童話では眠り姫にキスをすることで彼女は目覚めるのですが、「ヨンパリ」ではどうなのでしょうね

    眠り姫でありジュリエットでもあったヨジンは、実はおとぎ話の美しい継母なのじゃないだろうかとか思えてきたりもして、そんな風に考えると実は奥深いドラマなのかもしれません^m^

  2. yuca

    ゆまさま、コメントありがとうございます♪

    遅レスすぎて、穴があったら入りたいくらいに深く反省しております。

    「ヨンパリ」・・・挫折したようなしてないような。中途半端な私のスタンス。
    機会があれば続きは気になるし、かといってものすごく気になると言うわけでもない。
    最近、こんな中途半端に視聴してほったらかしにしているドラマが多くてまたもや反省。

    >眠り姫でありジュリエットでもあったヨジンは、実はおとぎ話の美しい継母なのじゃないだろうかとか思えてきたりもして、そんな風に考えると実は奥深いドラマなのかもしれません^m^
    なるほどです!
    ゆまさまの切り口は斬新だわぁ。
    俄然視聴したくなってきました。