僕はこの瞳で嘘をつく ・・・ピノキオ5話まで

a0192209_19360316
韓国ドラマ「ピノキオ」1話~5話まで視聴。

「君の声が聞こえる」の制作スタッフとイ・ジョンソクが再結集した「ピノキオ」

 


 

誤った報道のせいで家族を失ったと思い込んでいる男チェ・ダルポ(イ・ジョンソク)はチェ・イナ(パク・シネ)の家族と関わることになる。同い年のおじさんと姪、チェ・ダルポとチェ・イナとして。イナは嘘が言えない“ピノキオ症候群”だ。そんなイナのアナウンサーになる夢にダルポは巻き込まれていく。


 

 

大人気の「君の声が聞こえる」は、私にはその良さがイマヒトツ分らなかった残念なドラマなのです。
そんな理由で「ピノキオ」も視聴がなかなか進まなかったのですが、見始めるとどうにも止まらなくなってしまいました。
つまり、すっかり夢中なのです。
ダルポ(イ・ジョンソク)がきらきらして眩しい~(笑)
昨日から胸がキュンキュンしっぱなしです。
今日一日このドラマに関していろいろと考察しておりました。

キラキラ眩しいイ・ジョンソクだからでしょうか、なんともナイーブなみずみずしい、少年から青年へと脱皮しようとしている真摯で不器用な印象を彼の出演ドラマから毎回感じています。
泣きぼくろのせいなのか、彼は泣き顔がよく似合う。
泣きたいのをこらえて、自分の心を押し殺して、ヒロインのイナを守ろうとするダルポに胸がキュンキュン。
しかも壁ドンだよ~!

a0192209_20140695
ヒロインのチェ・イナを演じるのはパク・シネ。
「相続者たち」のウンサン役ではどうにも卑屈な貧乏な娘の役で、私はそんな彼女にあまり惹かれなかったのですけれども、イナはカワユイ。
このドラマでユニークな設定の「ピノキオ症候群」の女の子をキュートに演じている。
嘘を言えばしゃっくりをする病気「ピノキオ症候群」なので、劇中かなりしゃっくりをしなくてはいけないのだけれども、全然耳障りじゃないし、むしろドラマのアクセントになっています。
「ピノキオ」の脚本家パク・ヘリョン。
嘘がつけない病気という設定は、「君の声が聞こえる」とまるで合わせ鏡のようだと思いませんか?
「君の声が聞こえる」で心が読める少年の前では、ヘソンは嘘をつくことができない。だって心の声がダダ漏れだから。だからこそ切なく物語は展開したのだけれども。
そして「ピノキオ」では同じくヒロインはヒーローの前で嘘をつくことができない。
対をなす作品なのね。

a0192209_20211977
嘘をつけないイナの前で、ダルポは嘘で固めた人生を送っている。
名前を偽り、馬鹿なふりをして、何も人生に望まないふりをして、イナを愛していないふりをして。
マスコミの嘘によって彼の幸せな少年時代は終わりをつげ、父は犯罪者にされ、母は自殺し、兄とは離れ離れになってしまった悲劇を背負って、それでも自分の人生をダルポという嘘で守らなければならなかった少年が悲しい。
そして嘘の波に飲み込まれそうになった彼の人生の真実を見出すためにマスコミという業界に身を投じる。
嘘と真実の対比が「ピノキオ」では非常に面白くって、脚本が緻密だなぁと思います。

a0192209_20333473
母と見た花火のあとに彼の幸せは奪われ、そしてイナと見た花火の下で彼は自分の生きていく道を見つけるんだね。
嘘を憎む彼が嘘で見を固めている。そんなダルポだからこそ誰よりも嘘をつけないイナに強烈に猛烈に惹かれていくのは必然。
イナだけは真実だから。
彼女の語る言葉はいつも真実だし、ダルポのイナに対する恋心だけは真実なのよね。
しかし家族として育った二人には、この恋心は家族の崩壊を意味する決して望まれない恋。
だから諦めるしかない。
押し殺すしかない。
しかもイナはダルポにとって敵の娘という「ロミオとジュリエット」の究極の設定で二重に彼らの恋を複雑にしている。
許されない恋、好きあっているのに「好き」と言えないもどかしさがたまらなく胸がきゅんきゅんして、オトメゴコロのバロメーターが限界突破しそうな勢いです。
イナは嘘がつけないから「私はあなたが好きなの!」と言い切ってすっきりしていますが(笑)、嘘をつけるダルポがそれを聞いてまた苦しむ姿がたまらなくセンシャル。
ダルポの方がずっと前から、もしかすると出逢った時からイナに恋心を抱いていて、その心を押し殺しているのに。
もどかしい、じれったい、切ない、そして狂おしい。
そんな気持ちをゆっくり味わいながら、噛みしめながら、「ピノキオ」を視聴しています。
どこまでダルポが自分の恋心に嘘をつけるのか。視聴のポイントです。

a0192209_20392225
ピノキオ症候群のイナの間違いメールを10年間受け続けてきた、全てを持っている男ボムジョ(キム・ヨングァン)
御曹司でお金も地位も名誉もすべて持っていて生きていることが簡単だった男が、イナの喜怒哀楽に振り回されていくうちに彼女に興味を抱いていく。
自分が今まで人生に感じたことがない感情をイナは持っているから。
母を慕い、人生に夢があり、報われない恋心に苦しみ、そして嘘がつけない率直なキラキラした、まるで感情の塊のような女の子だから。
目新しくって、不思議で、危なっかしくって、ほっとけなくて、気になる女の子だから。
彼もまた、イナと関わることで変わっていく。
誰かを好きになることは苦しくって、切なくって、たまらなく甘くって、そして悲しいということを知るのでしょうね。

a0192209_20444176
嘘がつけない「ピノキオ症候群」は、このドラマでは「善」なのかというとそう単純ではないところが「ピノキオ」を奥深くさせています。
嘘はついていなくても、そもそもの始まりが間違っていたら?
思いこんでいるだけならば?
自分だけは嘘は言わない、正しいと思い込んでいるその先入観こそが実は非常に危険だという問題提起が5話で出てきました。
嘘も真実も、善も悪も、入り混じってしまっているこの世界で、イナとダルポはどんな結末を見出すのでしょうか。

a0192209_20492358
お兄ちゃんがダークサイドに堕ちていくのが切ない。
「ピノキオ」で一番悲しい人生を送っているのはお兄ちゃん。
彼には共に暮らす家族もいないし、守りたい少女もいない。
早く助けてほしいです、彼を。
「君の声が聞こえる」「ピノキオ」の脚本家パク・ヘリョンは、乙女心鷲掴みの物語を展開してくれるくせに、どこか人間に対して突き放したまなざしがあるからなぁ。

夢中になって視聴できるドラマに出逢えるといいなぁと2日前にこのブログで書きましたが、この年末のあわただしい中、すっかり「ピノキオ」に夢中です。

a0192209_21253789
ああ、キュン死寸前。

その時々の、私の心の琴線に触れたモノ・・・ 小説や、映画、音楽、ドラマ、ファッションについてだけの簡単な備忘録。 Everything was beautiful and nothing hurt.

関連記事

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。