その街のこども
■演出・監督:井上剛
■脚本:渡辺あや
■音楽:大友良英
■キャスト:
中田勇治:森山未來
灘出身。震災後に家族と上京。現在は建設会社に勤めている。震災から15年後の神戸を訪れることになる。
大村美夏:佐藤江梨子
御影出身。震災後に家族と上京し、13年ぶりに神戸にある理由があってやってきた。
沢村:津田寛治
勇治の会社の先輩。
おっちゃん(米原雅夫):白木利周
美夏の親友の父親。演じている白木本人は震災遺族として、NPO法人阪神淡路大震災「1・17希望の灯り」の代表を務めている。
たこ焼き屋おばちゃん:中川光子
ほか多くの神戸市民が出演。
【あらすじ】
「それでも、行かなだめなんです。」
1995年1月17日午前5時46分、
「街」は一瞬で破壊され、ぼくたちは生き残った。
阪神・淡路大震災で子どものころに被災するも、現在は東京で暮らす勇治(森山未來)と美夏(佐藤江梨子)は、追悼の集いが行われる前日に神戸で偶然知り合う。
震災が残した心の傷に向き合うため、今年こそ集いに参加する決意をした美夏に対して、勇治は出張の途中に何となく神戸に降り立っただけだと言い張るのだが……。全く異なる震災体験をしたふたりの間には大きな溝が広がっているように見えた。しかし〝ある場所”に差し掛かったとき、美夏は勇治が長年抱え込んできた過去を垣間見ることになる。
復興を遂げた真夜中の神戸の街を背に、これまで語ることのできなかった二人の想いが、不器用にあふれだそうとしていた。
涙がポロポロあふれてきた。
神戸の夜の街を歩くロードムービー。悲しみの中にもペーソスがある。
突然襲った悲しみに押しつぶされそうなこどもたちが一夜をかけて神戸の街を歩くことで癒され、ほんの少しだけ自分の中にある喪失感と折り合いをつけて生きていこうとする。
震災によって喪失感を抱くのは大人だけではない。こどもたちだって同じだ。
夜の街を歩くときに交代で互いの荷物を持つように、時には誰かに自分が背負っている荷物を預けて、自分の中の悲しみと向き合うという設定が見事だよね。
まさに肩の荷を下ろして。
夜の暗闇の中で自分と向き合う。
暗闇は素直になれるから。
誰かに自分の悲しみをそっと告げる。
この瞬間、この状況でなければ彼らは自分の傷を見つめることができなかったに違いない。
「生き残ってごめんなさい」そんな不条理な悲しみを抱えているこども。
悲しみを抱えながら生きていく私たちができることは、ただ、誰かに向かって手をふることだけなのかもしれない。万感の思いを込めて。
どんなことがあっても誰かと繋がって行くことなんだなぁと思う。
言葉になりませんが、皆いろいろなものを抱えながら、いろいろなものを引きずりながら、それでも前を向いて生きていかなくてはいけないのですね。
むしろ大人の都合で振り回されるこどもの方が、不条理な喪失感を抱えているのかもしれない。
震災で儲けた親を全肯定するような偽悪的な言葉でしか自分を語れなかったこども。
歩くのを嫌がっていたこどもは最後は自分から進んで歩いていく。走って行く。
でも彼が癒されるのは、本当に自分の中の痛みと向き合えるのは、また今度。
「今年はやめとく」
それでもいいんです。
夜の街でかつての同級生の幸せの気配を感じることができたから。
夜の街で野球をもう一度やることができたから。
三宮から御影までの往復20キロ。(マップは公式HPから)
この距離が彼らには必要だったのね。
さらば増沢磐二。
この国は行くよ。
時代の底に幾千の哀しみを抱いて。
輝く未来へ。(ロング・グッドバイ)
脚本家渡辺あやの「ロング・グッドバイ」のラストシーンより引用。
天変地異や、テロや戦争、身近な人の死、大切なものを失ったり、この世の不幸の法則は訳がわかりません。
私たち誰でもが「呑気と見える人々も、心の底を叩いて見ると、どこか悲しい音がする」のだと思います。
生きていくことの悲しさや、孤独、不安を幾千も抱えながら、それでも輝く未来に向けて手を振って行くことが、つらくても、しんどくても、誰かと繋がっていくことが。
生き残ったぼくたちが、生きていく理由なのかもしれません。
あの暗い朝に生まれたこどもたちが20歳になります。そのことに思いと希いを馳せながら。
明けない夜はない。
ユカさん・・・ユカさん。 かの、ドキュメンタリ・・。
恐らく、まだご覧になっておられないかと想定しつつ、送信します。
これは、イカン。うっかり、サクッと再生したらば、・・・はい。
朝イチから仕上げた化粧を、必死で全面・修復作業です。 (こんな時間に再生した自分を呪いたい)
あの歌は、泣いてしまうと、覚悟していたのですが。
想像以上に、ヤバいです。ドラマの前宣伝のクセして、憎いワ (イヤそれこそ、宣伝だろうサ)
ま、とりあえず。来る3/10のドラマ本編をご覧になる際は、視聴の対策として。
① 温タオル ②ティッシュ。(+ゴミ箱) そして、
③キンキンに冷やした、フェイスマスク(特に目元用)。 以上を準備されてから、どうぞ。
が、今のユカさんには、そんな手間暇、無理!と、叫びたい忙殺の昨今で有れば。
3.11日を過ごされた後の、いつの日にか、ひっそり視聴なさるのが、よろしいかと存じます。
※滂沱の涙した実体験からの、お節介なコメントでした。 おっと、くれぐれも、ご返信は不要です。
(薦めておきながら、覚悟を促すコメントなんて、、返信のしようが無いだろうが。はい)
鍵コメさま、コメントありがとうございます♪
毎度、毎度、亀レスで(汗;;)
まだドキュメンタリー視聴していないのです。
ドラマを見た後に観ようかなと。
歌の力って、凄いですよね。
とくに合唱になると、泣けて泣けて仕方がない。
>オリジナルの強み、だけじゃない何かが有るんでしょうね。
本当に心が一つになっている祈りを感じるからでしょうか。
FANさん、どもども~♪
>これは、イカン。うっかり、サクッと再生したらば、・・・はい。
やっぱり、覚悟というか、気持ちの整理が必要ですよね。
「その街のこども」も相当引きずりましたもの。
「生きるということ」を真正面から問いかけるドラマは、視聴する方も正座をして真剣に向き合わないといけないと思います。
「デート」なんかは転がってわはわは楽しめるドラマなんだけれども、今度のはそういうわけにはいきませんもの。
真剣にドラマに向き合って視聴できたらなと覚悟を決めています。
ユカさん。やはり、国営放送の底力は、凄いです。
今さっき。例のドラマを視聴しました。
前宣伝の、合唱のドキュメンタリで、あれだけ、泣かせておきながら。
ドラマ本編のラストも、当然、あの合唱曲。
が、それがですね。
勿論、泣いてしまうことに変わりはないのですが。
これは、参りました、兎に角、優しいです。
先の見えない閉塞感の中で、そっと、背中を押してくれるような、ぬくもりを、今も、感じています。
これだから、受信料を払ってしまうのだわ。
そんじょそこらの、お涙ちょうだいで終わらせない、憎たらしいわ・・(そこで、人間性の低さを暴露しているのよ、わたし)。
いろんな意味で、清々しく裏切られる、ドラマでした。これは、お見事!!でした。
気構えなさることなく、怠惰に視聴されても、心地いいドラマだと、思います。
@明けない夜はない。
ユカさんの言葉を、しみじみと噛みしめた、ドラマでしたよ。 お忙しいでしょうが、そんなユカさんにこそ。
いつか、ご覧いただきたいな、と痛感しました。
大友さん!!お涙ちょうだいに流さなかった、あのセンス、流石でしたわ。敬服です。
FANさん、コメントありがとうございます♪
待ちに待った、週末!
これから視聴します!
感想はきっとブログに書きます!!