号泣する準備はできていた・・・密会 12話まで
韓国ドラマ「密会」12話まで視聴。
今までにあまりなかった韓国ドラマの種類ではないかしら、とも思う。
愛に堕ちたら、激情に駆られて行動するという年齢でもないミドルエイジのへウォンの葛藤が、痛いほど分かってきます。
これが最後の恋かもしれない。
若くもないし、年寄りでもない自分。
富裕層の人々に、いいように扱われる今の生活にも息苦しさを感じる。
夫とは同志愛はあっても、恋愛感情はない。
ソンジェの自分に対して向けてくる、まっすぐな愛情が怖くもあり、愛おしくもあり。
だからと言って、その愛の嵐に身をゆだねる勇気はない。今の贅沢な暮しを捨てる勇気はない。
He says, “Son, can you play me a memory
I’m not really sure how it goes
But it’s sad and it’s sweet and I knew it complete
When I wore a younger man’s clothes”
というビリー・ジョエルの「ピアノマン」の歌詞がへウォンにオーヴァーラップしてきます。
ソンジェはもどかしいでしょうね。愛しているのに、愛しているからこそ。
へウォンがなぜ、すべてを捨てて自分との愛を選ばないのかが分からない。なぜなら彼は若いから。若いゆえに未来を恐れない。
彼にとって物事は単純明快。ピアノを弾きたいから弾く、へウォンを愛したいから愛する。
しかし物事はそんなに単純な感情で割り切れるものではないということを、初めて知るソンジェ。
彼の葛藤がピアニストとしての才能を昇華させていくシーンは圧巻です。
芸術家のサガを見るようでもあります。
おそらく、愛の嵐に巻き込まれているソンジェのピアニストとしての才能は絶頂期にかかっているのかもしれません。
ピアノの演奏で、それまで全く音楽に関心のなかった友人たちをも涙させる彼の才能。
「密会」が面白いのは、恋愛ドラマと言いながら、登場人物たちのパワーゲームを描写しているところかな。
決して恋愛至上主義に描かれていないことが好きです。
恋愛ドラマって、割と恋愛がすべてだ、恋愛に勝るものはない、選ばれし者だけが崇高な恋愛を成就できるのだ、みたいな部分がありませんか。
しかし、「密会」では恋愛が実は、人間関係において弱点になる、ということを描いていきます。
ここら辺がリアルでね。
恋愛が選ばれし者の特権ではなく、金銭欲や名誉欲や征服欲と同じように、パワーゲームの要素の一つとして描かれます。
彼らにとってへウォンの恋愛は、自分たちを有意な立場に持ってくるエレメンツの一つにしかすぎない。
道徳やら、貞節やら、運命なんか関係ないのです。
それが単なる年上の女と青年のラブロマンスという下手をすればベタアマな通俗的なドラマになりがちな題材を、クールに演出して私たちに観せてくれているのじゃないかな。
微妙なバランスの上に成り立っている人間関係はどうなるのでしょうか。
恋愛の行く末よりも、このパワーゲームの行く末が気になります。
それまで自分のマネージメント能力で、うまく世の中を渡ってきたへウォンがここにきて、パワーゲームの敗者になろうとしている。
ソンジェとの密会の証拠をつかまれてしまった彼女はどうするのだろうか。
そして、人生の折り返し地点に来て唐突に愛の嵐にとらわれた彼女は、静かに泣くことしかできないのです。
その泣き方が、なんだか人生に押しつぶされそうな、そんな泣き方でね。
視聴していて、私も、心に沁み入ります。
そんな、泣き方しかできないのか、って。
号泣もできないすすり泣くような泣き方でしか、泣けない生き方。
愛に飛び込む勇気もないし、愛を捨て去る勇気もない。
どっちつかずでいながらも、愛に引きずられるように、ソンジェにあわなければ息もできないといったていの、へウォンが哀れで。
そして、羨ましい。
「密会」においては人物の背景があまり描写されておらず、会話の端々から想像するのも楽しみの一つだったのですが、同じことを考えてらっしゃった方がパク・ヒョクグォンのインタヴューの中で、そこら辺を質問していますね。
参考までに引用を。
これを読むと、ますますビリー・ジョエルの「ピアノマン」を聞いていた時のへウォンの心情も理解できます。
―ストーリーの以前の話があったはずですが。
パク・ヒョクグォン:シノプシス(ドラマや舞台など作品のあらすじ)をもらった時、人物紹介にジュンヒョンの父親は音楽学校の学長を務めていたが、現在のハン・ソンスク(シム・ヘジン)理事長を中心に勢力が分かれる時に粛清された家の息子だと書いていました。また、ジュンヒョンもコンクールに参加したら3位ぐらいは獲得する実力を持っているので、もし父親が健在していたらそのコネによってある程度の地位にあったはずの人物とも書いていました。
―劇中、はっきりは描かれていないが、ソ・ヨンウ(キム・ヘウン)、チョ・インソ(パク・ジョンフン)、カン・ジュンヒョン、オ・ヘウォンの関係にも昔何かがあったように見えます。
パク・ヒョクグォン:そうです。ジュンヒョンは父親が没落した後、逃避するように留学に行って、そこでたぶんヨンウの多くの男の1人だったと思います。そして、ヨンウと一緒に留学に行ったのがヘウォンで、外国でヨンウの面倒を見るという条件でヨンウの父親がヘウォンの留学費を全額支援してくれたんでしょう。その当時はたぶんヘウォンとジュンヒョンの間には何の感情もなかったと思います。ジュンヒョンにとって必要な存在はヘウォンよりもヨンウだったはずですから。
―第2話だったと思いますが、ヨンウがジュンヒョンに「へウォンと結婚する時に彼女との結婚はただの形式だと話したじゃない」と話すシーンが出ます。その台詞から2人の関係を何となく推し量ることができました。
パク・ヒョクグォン:その会話を交わした時、たぶんジュンヒョンはヨンウに「俺の気持ちはまだ君にある」のような話もしたでしょう。そこで確かなのは、ジュンヒョンとヘウォンの感情は少なくともヘウォンとソンジェの感情とは全く違うということです。
―最初から愛で結ばれたカップルではなかったんですね。
パク・ヒョクグォン:でも、それはヘウォンも同じだと思います。ジュンヒョンがヘウォンと喧嘩する時に「君もブランド品が好きで、豊かな暮らしを享受したくて選んだんじゃないか」と話すシーンが出ますから。ヘウォンとジュンヒョンはお互いがお互いのことより何をもっと欲しがっているのかよく知っていたはずです。ただ、ヘウォンはソンジェに出会ってその過程を振り返ってみるきっかけを迎えるようになったが、ジュンヒョンはたぶんそんな懺悔の時間が最後までないような気がします。まだ、このドラマがどう終わるかは分からないですが。
kstyle「「密会」パク・ヒョクグォン“不遇な俗物”カン・ジュンヒョンを語る」より引用
へウォンが着ていたオールブラックのワンピースはディオールです。
立ち上がった瞬間、ワンピースの深いスリットが入っていてるのに気付きました。思わず、目がその白い太ももにくぎ付けになってしまいました。エレガントかつセクシーなへウォンのファッションからも目が離せません。
シャネル、グッチ、ディオールとどれもハイブランドな衣装のへウォン。
彼女がハイ・ブランドの数々を捨ててソンジェのもとに行けるのか。
韓屋でエアコンの造作の不格好さが、許せないへウォンの美意識にもそれが表れています。
BGM:Billy Joel – Pianoman
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yucaさん、こんにちは
密会‥先に熱いレビューを
読んでしまいました。
今までにない韓ドラ
こう表現されてる、過去のドラマは
全てハマったのでこちらも楽しみです。
キムヒエ、パク・ヒョックォン
妻の資格を蘇らせるようなキャスティングです。
パク・ヒョックォンの旦那役
ツボにハマるんです
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♪はるさん、コメントありがとうございます♪
GWはいかがお過ごしだったでしょうか?
>密会‥先に熱いレビューを
あ、ネタばれそんなにないと思います・・・
思いますが、なんとなく先の展開が読めちゃうレビューだったかしらん(笑)
ちょっと不思議なドラマなんです。
割と韓国ドラマって、主人公たちが熱く叫ぶじゃないですか、愛にしろ復讐にしろ。
そんなシーンが少ないの。
淡々としているけれども、きっとその裏にはものすごい熱情がありそうで、そんなことを思わせてくれるドラマです。
しかし、ツマラナイと思う人もいるかも。
はるさんはどちらかしら?
>パク・ヒョックォンの旦那役
ええですよ~、彼。俗物で(爆)
彼のおかげでドラマが引き締まっています。
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yucaさん、こんにちは(*^^*)
ゴールデンウイークは
熊本城に行き、佐藤健似のおもてなし武将隊を見てきました。
あまりにもハンサムなので
目で追ってましたら、私の前のおばさまは
彼をズームで撮りまくってました 笑
パク•ヒョックォン‥俗物
そうそう!
俳優らしくない、俳優といいますか
アクがないけど、ドラマが締まる
脇役で顔だけは知ってる俳優さんだったんだけども
俗物役がぴったんこで、ファンになりました。
『妻の資格』←押してますがf^_^;
主役2人以外みんな俗物で、現実味あって
これも、一味違った韓ドラでした
好き嫌い別れる作品だと思いますけれど
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♪はるさん、どもども~♪
熊本城!!
私も5月下旬に行く予定なので、「おもてなし武将隊」ね。
メモメモ、っと(笑)
広島城にも毛利軍の「おもてなし武将隊」がいますよね~
直接見たことはないのだけれども・・・
>俗物役がぴったんこで、ファンになりました。
笑った~
俳優冥利に尽きますね。
そういう意味でも「密会」でのキャラクターはピッタリな役なのね~
>『妻の資格』
おお、また面白そうなドラマを教えていただきありがとうございます。
不倫もの、って苦手だったのですが、「密会」でその苦手意識を克服(笑)できそうなので、チャレンジするべきかしら?
マクチャンドラマなのかな。
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ご無沙汰してます♥
このドラマ、私も見ています。
yucaさんが書かれている通り、今までの韓国ドラマとはちょっと違う気がします。
モスグリーンのような画面のカラー、不思議な場面での終わり方に噛み合ってないような二人の会話。
「ピアノマン」ほぼフルでかかりませんでしたか?
見た時に「ひぇ~、こんなドラマないわ」とびっくりしました。毎回私がドキマギ。
この先、どうなるんだろぅ?
私なら自分名義の貯金がある程度あれば(゜▽゜*)旦那と別れソンジェの元へ行っちゃうわ~とか思います。捨てられても、ピアノ教えれば食べて行けるし…とか考えたりして(;・∀・)アハハ~!
本当に、最後まで目が離せませんね。
そしてヘウォンのファッション、yucaさんのように詳しくない私でも明らかに豪華だとわかります。
しかし、yucaよくわかるわ。すごい( ; ゜Д゜)
私はコスメ好きなので、ヘウォンの毎回のツヤツヤを通り越したテカテカのお肌に目が行きます。
それと私はこのドラマは深夜家族が寝静まった時に見るのが一番いいです。
秘密を除き見るような自分の秘密を見られてるような気分になってます(^_^;)))
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♪うずらさん、コメントありがとうございます♪
ものすご~く、「間」があるドラマですよね。
主人公たちがセリフで状況を説明しないドラマって、新鮮です。
>モスグリーンのような画面のカラー、不思議な場面での終わり方に噛み合ってないような二人の会話
そうそう。
それなのに、知らない間に展開が進んでいる・・・という。
とくに13~14話にかけての緊張感は半端ない。
追い詰められていくへウォンに同調して、私まで息苦しくなります。
>ヘウォンの毎回のツヤツヤを通り越したテカテカのお肌に目が行きます
私も気になる~!!
どんな化粧品を使っているのか、気になります。
さすがにそこまでは、よくわからないのですけれども(笑)
今週で終わってしまうなんて、さびしい~